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新章 私は今、平民の筈でしたよね?~元悪役夫人、ミッションを言い渡される~
神様からの依頼
「へ??」
素っ頓狂な声が出てしまった。
依頼を受けろ? 優秀なクリスティアならともかく、神様がこのポンコツ社会人の私に??
訊きたい事は色々あるけど、まず落ち着こう。すー、はー、と呼吸を整える。どうやらこの空間でも深呼吸は出来たみたいだ。
「何故私ですか? そして……何故この世界は、私の悪友のマンガに似ているのですか?」
これは最初から胸の奥にあった疑問だった。
『え? それはその……。少し長い話になるのですが……』
そんな前振りをして、この“神様”の話が始まった。
『わたくしのような新人が、世界の管理を任される時に参考にするのが、始祖である貴女が前世で生きていた世界の、地球の神様の下で出来た“物語”だからです』
前世では神様の数は八百万、と評されていた。まぁその中の何人かが自分達の世界を作ろうと思った時の資料があの世界で生み出された架空の物語って事か。
神様の説明は更に続く。
『わたくしも、他の神様と同じように自分の世界を作ろうと思いました。そこで選んだのがあなたのご友人が作ったマンガ、です。
絵のタッチが、素敵だったからです……!』
……悪友よ、喜べ。異世界の神があんたを推し認定したぞ。
『それから先、わたくしはあの方の創作を追い続け、その作品通りの世界を築いてきました』
「―――えーー………?」
それはやばい奴ですよ神様!
あまりにミスチョイスが過ぎる。だって悪友がキャラに求めているのは、“読者の欲望を叶える事”だ。だから連載を続ける間だけ、ギューッとその欲望を詰め込んだ作品にする事だけに注力していたんだ。
ラストシーンこそ、ヒーローとヒロインが笑顔で笑い合うシーンで〆てはいたが、彼らのそれからの人生なんて完全にポイ捨て案件だったぞ。実際、
『この話のキャラのその後とかどうですか?』
って担当の編集者さんに言われてもまるでやる気なしな顔で、でも“しゃあないなー”って感じで、読者の推しキャラのその後を描いてはいた。やる気がなくとも成果を出せるだけ、本当にあいつは才能があったと思う。
が……、そんなものを参考にして世界を作っちゃおう♪ってのはヤバイ!
『うまくあの方を習って世界を作れたと思ったのですが、何故か問題が山のように発生して………』
「えーっと……」
あーーー、気の利いた言葉が出て来ない! それ最初の資料自体が間違っていて、結果今ココなんだわ。
という事実をどう説明しようかと、頭を抱えていた私に神様は言う。
「で、どうしよう? って散々悩んでいた時に、ちょうどいい具合に貴女がお亡くなりになったのです」
え、ええ?
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