上 下
3 / 207
旅路

ゲーム

しおりを挟む


「今日はそうだなぁ、食料もあるし本もゲットできた事だし、世紀
末ゲームでも」

 今日のプランは決まった。食料に関しては一週間の備蓄をメドに
食料のありそうな所を探す、水にしても同じだ、ペットボトルの水
も、そろそろ生き残り合戦により見つかる事も少なくなったから、
サバイバル本を探したわけだ。

 しかし、そんな毎日を焦っていては人生の大半が無駄になる、僕
は折角だから、どんな環境でも、のんびり楽しむ天才なのだ……

 水って意外と、探すには苦労はするけど、まだ今まではマシな方、
日本は特にそうかも知れない、地震大国日本は大学や公民館などに
備蓄もある、それに意識高い系の家庭が多いから、何軒か回れば備
蓄してある事も多いのだ。

 そして今日のメインイベントはゲームだ。あれは良い……時間を
無駄にするって大人も多いが、そんなに焦っても、のんびり時間を
取っても、人生にはそんな影響はない、あるとすれば、焦り冷静な
判断力を失う方が遥かに危険極まりない。

「さてっと、まずは家の新しさを見て……お年頃のゲームするよう
な家庭っぽい家を探すっと」
 これは意外と簡単である、建築年数をみれば大体わかる、綺麗で
あれば、子供はいるがまだ小さい家庭、古過ぎればご年配の家でそ
の世代既に就職や大学なので家庭にはいない事が挙げられる、つま
り程よい建築の古さを探す。

「おっとラッキー!」
 見つけたのは屋根にソーラーシステムのある家庭だ、これなら自
家発電も出来、モニターテレビがあれば即クエスト終了だ。

「すいません~自衛隊の者ですが救援物資届けに参りました」
念の為ご挨拶、てか泥棒みたいだけど

 一応挨拶はする、もし人が居たら、警戒心を持つのは当たり前だ、
日本と言えど、ピストルは警官が所持している。故に今誰が何を持っ
て殺し合いになるかわからないからだ。

 もし、出てくればくればで、リュックに入れている今日のご飯と
お菓子はプレゼントする、奪われそうな危険人物だったとしても食
料さえ渡せば殺せばゾンビとなり、厄介ごとを増やすバカは既にゾ
ンビ化しているだろう……人が集まる所もあるが大抵危険なゾンビ
を避けるため、マンションの5階層より上に住むのが常識となって
いるからね、普通の家屋に居たとしても、そんな凶暴な奴が居る確
率は低い。

 誰も居ない事を確認後、俺は家を徘徊する先ずは安全だ、音に敏
感なゾンビ、各部屋に入る前と家自体に入る時は必ず行う儀式みた
いなものだ。棒に鈴を取り付ける、距離の離れた所で音を鳴らす、
涼やかな音が辺りに響く、激しい音は厳禁だが、鈴の音は自然の音
に溶け込みやすくまたサイレンの様に遠くには響きにくい。

ゾンビ「ぬぐぉぉ……」
「ぬぬ、一体居たな」
 ここの家の人だろうか、鈴を静かに鳴らしゾンビを誘導する、映
画でよくここで頭なんかカチ割るバカがいるが、そんな事した日に
は血の匂いで臭くってたまらんですよ。音も出るし、ワザワザ近ず
く意味が解らん後は、いつも杖にしてる、第2の武器、学校で拝借
してきた対、犯罪者用、前回紹介したアレだ、名前が無いのも呼び
にくいビリビリの棒、名付けて『ビリボ君』と名ずけた。

 ここでポイント、ゾンビは通常、足を狙い、こかせるのが僕の常
套手段だが、速やかにご退場願うには、これで転けないように慎重
に誘導する事だ、ここまで近ずくとゾンビも本気出すw故に少し力
はいるが……ゾンビが転けないように壁に背を預け、玄関に押し出
す。暴れようものならビリボ君の出番である! 縛りつけても良い
のだが危険な者には近づかない、これも重要だ。

「さてと片付いた所で、ゲームは……あった、あったボックス10、
俺が持っていたゲーム機本体と同じだ」
 ゴソゴソと配線を弄いじる。アナログの良い所は何があっても電
源さえ入れば可能な事なんだよなぁ」

 この時代インターネットの復旧によりクラウド化したゲームが主
流となっていた、故に、使えない物が多く、結局、基本に帰る基本
は大事だねぇ……

「おっと、後は対人間様用に支度しなきゃ」
人間は賢くずるい、先ずは 見つからない事が前提である、異星人に
もだ、カーテンを閉じ、光漏れが無いか確認漏れれば何かで塞ぎ夜
でも誰も居ないように見せかける。

泥棒避けの対策と真逆である、周りが灯りが無いのだから暗くて当
然だからだ人の目をくらますには(木は森へ隠せ)である。

どんな状況でも周りの変化に合わせ、溶け込むのがコツだ。

支度が出来、食事も済ませた、今日のディナーは俺が嫌いなサバ缶
だ……まぁ贅沢は言ってられないが食事も今後は考えよう、出ない
とサバ……クチャい。

「良し!電源!オーン!!ぬほほっ、出来た出来た、こいつ……
セーブデータがハンパ無いな、やるな……」

こうして俺は、この世紀末のひと時をゲームで明け暮れる事、一週
間、外にも出ず、此処で暮らした。

「やば遊び過ぎた、ロールプレイングゲームだったから時間食っち
まったぜ、しかしあのエンディングどうだかなぁ……」

「あー魔法が使えたらもっと楽に行くんだけどな……中学位でやっ
た、誰も居ない事を確かめ魔法を放つ真似をする。
そんなたわいも無い1人言を呟く日だった。

【家に居るメリット】

○外敵侵入を防ぐ、人間以外
○家電が使える(自家発電の家のみ)
○暖かい布団で寝れる(健康につながる、
風邪等ひいた時は必須、健康が一番大事)

○マンション等、探せば貯水タンク式ならば
お風呂にも入れる。
(正し水も古くなるから使えるかどうかは
半々だ)
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

男性向け18禁置き場(かなりの紳士向け)

SF / 連載中 24h.ポイント:127pt お気に入り:55

放逐された転生貴族は、自由にやらせてもらいます

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:163pt お気に入り:3,129

グラティールの公爵令嬢

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:15,649pt お気に入り:3,348

ヤクザに医官はおりません

ライト文芸 / 完結 24h.ポイント:113pt お気に入り:802

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:191pt お気に入り:540

大自然の魔法師アシュト、廃れた領地でスローライフ

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:2,201pt お気に入り:24,147

余りモノ異世界人の自由生活~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:79,762pt お気に入り:29,893

処理中です...