こぼれる、

カップに残ったココアを流している間、ひなは、母との記憶をひもといていた。

私の母は、私をかわいがった。
私のことをなんでも知りたがったし、なんでも知っていた。
母は私を愛してくれた。息苦しいほど――

切り離せない気持ちを、流すにはどうしたらいいのだろう。
少し切ない家族の短編です。
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