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第四章冒険者事業
上級魔法使いとの別れ
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ピカロレッドオオトカゲの討伐後、魔物と出会いながらもジェシーさんが倒していき、何にも役に立てないまま冒険者ギルドへと戻ってきてしまった。
しかしやっぱり驚いたのは、ジェシーさんの能力。ピカロレッドオオトカゲを討伐した証拠として、尻尾でも切っていくのかと思いきや、ジェシーさんは謎の袋を取り出し、ピカロレッドオオトカゲ本体丸ごと空間の中に入れてしまったのである。
何を言っているのかわからないと思うが、私も未だによくわからない。
ジェシーさんが言うには、高位ランクの冒険者なら誰でも常備しているという謎の袋は、「マジックバッグ」というらしい。袋によって入る量に限界があるようだが、この袋は異空間へ物を入れたり出したりできるという何とも便利で、某国民的アニメのなんちゃらポケットが想像できる代物だった。もちろん重さも感じない。科学で満ちた世界に生まれた私に理解は難しかったが、ファンタジーの世界だからと結論付けることにした。
私もぜひそんな袋が欲しい。今まで重たい宝箱をジャラジャラと持ち歩いていたのは何だったんだと言いたい。
「ええ!?もう討伐してきたのですか!?さ、流石は上級魔法使いのジェシー様と精霊使いのアリサ様です···」
冒険者ギルドの受付のお姉さんは驚いて高い声を上げた。いやもう夕方なんだけど。もう夜になるんだけど。そして私は何もしてないんだけど。
「討伐したピカロレッドオオトカゲを出したいのですが」
ジェシーさんがただそう言うと、お姉さんは慌てて「こちらへ」と案内してくれた。流石にここであの巨体を出すわけにはいかないか。
案内されて来たのはギルドの裏側だった。そこにはアーヴィルさんが待っており、馬車が用意されていた。
「すみませんお手数ですがピカロレッドオオトカゲを出すとなれば移動をしないとならないので···」
アーヴィルさんは申し訳なさそうに言うが、私は構わない。しかし精霊達もうーまも待たせているし急がなければいけないだろう。まあどっちにしろ今日はもうここに宿屋に宿泊しないといけないだろうが。
「うーん、ジェシーさん、私はちょっと急ぎなのでこの辺で失礼してもいいですか?」
「え?いやいやでも報酬とかピカロレッドオオトカゲの素材とか売ったりしたりのお金もありますから分けたりしないと」
「いえいえ私は何もしてないので全部ジェシーさんが持って行ってください」
「何を言うんですか!私こそ何もしていないようなものです!お金は大切ですから持って行ってください」
「···ぶっちゃけお金要らないんですよね。たくさんあるのでむしろ邪魔というか」
「私もです」
···気まずい顔で目を合わせる。だが、先に沈黙を破ったのはジェシーさんだ。
「じゃあこうしましょう。お金は···本当に全部貰っていいんですね?その代わり私もそれ相応の物を···」
ジェシーさんは横腰に付けた小さいバッグを漁りながら喋る。そして取り出した物は、恐らく···。
「マジックバッグ?」
「はい。このマジックバッグは、中でもそれなりの量が入るので···良かったら使ってください」
「いやでも高位ランクの冒険者が持つ物なんですよね?たぶん今回の討伐よりよっぽど価値が···」
そこまで言ってジェシーさんに手で口を抑えられた。ジェシーさんは顔を上げて、にっと柄に合わない笑い方をする。
「···私の感謝の気持ちを足したら、こんな物では余ってしかたありませんよ」
ジェシーさんは私の手を握って、また笑った後に振り返った。駆け足で軽い足音を立てながら、馬車へ向かって行く。私とジェシーさんの間に少し遠い距離が出来た後、ジェシーさんはまた振り返って手を振った。
「アリサさん!では、また逢う日まで!」
ジェシーさんは私の返事も聞かないまま、いつの間にか風の精霊が居る馬車に乗って行く。そして、そのまま馬車は出発してしまった。
なんだかあっという間で気が抜けた。太陽みたいに明るく輝きながら導いてくれたあの人は、花火みたいに輝きながらもあっという間に消えてしまった。私の手にはいつの間にか押し付けられたマジックだけが残っていて、またあの人の笑顔を思い出させる。
感謝の気持ち。確かにあの人はそう言ったけど、私は何かしたかな?なんて思いながらマジックバッグを握りしめる。
「アリサ。今日はどこで寝るの?」
「昨日私寝なかったんだよ!精霊に寝る必要はあんまりないけど疲れた!」
「それはあんたの責任でしょうが」
「酷い!私はアリサのことを思って!」
それまでずっと喋っていなかった二人が一気に喋り出した。やけにうるさくしていたジェシーさんが居なくなって寂しいなんて思っていたが、まだうるさいのは残っていたようだ。
「ふふふっ」
「ちょっと何笑ってるの怖いわよ」
「きっと面白いものがあったんだよ!私にも見せて!」
面白いものは私の目の前にあるんだけどなぁなんて冗談を頭の中で考える。
「いや、見せてる時間はないよ。うーまが待ってるんだから。今日も宿屋に泊まるよ!」
まだブツブツグチグチ言う二人を置いて走りだしたら、二人も慌てて飛んで来た。
「···アリサ、何かあったの?人間は別れを悲しむ生き物だから、さっきの魔法使いとの別れは···」
「···別に?だって···」
私は振り返って二人に笑って見せた。
「また逢えるからね!」
馬車の揺れにつられ、私の体も大きく揺れた。
「···はぁ」
一人きりの馬車の中では誰にもこのため息は聞こえない。
「···良い人だったな。こんな私でも本当にあの人は···。···また逢いたいな」
私は一人だと本音を漏らしてしまう癖がある。そうでもしないとストレスが溜まる一方だからだと思うが。この溢れた思いを口にすることくらい良いだろう。
「へーぇ。そんなにあのせいれいつかいがすきなんだね···」
はっとして横を見ると、腕を組みうんうんと頷く精霊様。精霊様がいることをつい忘れてしまう。恥ずかしさを紛らわすように精霊様と反対側の窓の方を見る。
しかし彼女は何故今さら姿を現したのだろう。職業であり能力である「精霊使い」というものは、選ばれた者が十歳からその力を発揮する。精霊はどこかしらには大体居るし、自分の能力に気付かなかったわけではないだろう。また、彼女が遠い遠い田舎に住んでいたから世間に知られなかった···わけはない。十歳になる子供を兵士達に徹底的に調べさせる国もあるぐらいだし、世界は様々な冒険者が様々な場所を冒険している。その上精霊使い様が出身の村や町はそれなりの観光地となったり、身内もそれなりの暮らしになったりすることも珍しくない。
彼女が誰も知らない場所に一人で暮らし精霊使い様であることを一切漏らさないぐらいでないと精霊使いであることなど知られないだろう。
···いや、別の世界から来た召喚された人だったりしたら···!
···普通に彼女や周りの人が気付くか。普通。
しかしやっぱり驚いたのは、ジェシーさんの能力。ピカロレッドオオトカゲを討伐した証拠として、尻尾でも切っていくのかと思いきや、ジェシーさんは謎の袋を取り出し、ピカロレッドオオトカゲ本体丸ごと空間の中に入れてしまったのである。
何を言っているのかわからないと思うが、私も未だによくわからない。
ジェシーさんが言うには、高位ランクの冒険者なら誰でも常備しているという謎の袋は、「マジックバッグ」というらしい。袋によって入る量に限界があるようだが、この袋は異空間へ物を入れたり出したりできるという何とも便利で、某国民的アニメのなんちゃらポケットが想像できる代物だった。もちろん重さも感じない。科学で満ちた世界に生まれた私に理解は難しかったが、ファンタジーの世界だからと結論付けることにした。
私もぜひそんな袋が欲しい。今まで重たい宝箱をジャラジャラと持ち歩いていたのは何だったんだと言いたい。
「ええ!?もう討伐してきたのですか!?さ、流石は上級魔法使いのジェシー様と精霊使いのアリサ様です···」
冒険者ギルドの受付のお姉さんは驚いて高い声を上げた。いやもう夕方なんだけど。もう夜になるんだけど。そして私は何もしてないんだけど。
「討伐したピカロレッドオオトカゲを出したいのですが」
ジェシーさんがただそう言うと、お姉さんは慌てて「こちらへ」と案内してくれた。流石にここであの巨体を出すわけにはいかないか。
案内されて来たのはギルドの裏側だった。そこにはアーヴィルさんが待っており、馬車が用意されていた。
「すみませんお手数ですがピカロレッドオオトカゲを出すとなれば移動をしないとならないので···」
アーヴィルさんは申し訳なさそうに言うが、私は構わない。しかし精霊達もうーまも待たせているし急がなければいけないだろう。まあどっちにしろ今日はもうここに宿屋に宿泊しないといけないだろうが。
「うーん、ジェシーさん、私はちょっと急ぎなのでこの辺で失礼してもいいですか?」
「え?いやいやでも報酬とかピカロレッドオオトカゲの素材とか売ったりしたりのお金もありますから分けたりしないと」
「いえいえ私は何もしてないので全部ジェシーさんが持って行ってください」
「何を言うんですか!私こそ何もしていないようなものです!お金は大切ですから持って行ってください」
「···ぶっちゃけお金要らないんですよね。たくさんあるのでむしろ邪魔というか」
「私もです」
···気まずい顔で目を合わせる。だが、先に沈黙を破ったのはジェシーさんだ。
「じゃあこうしましょう。お金は···本当に全部貰っていいんですね?その代わり私もそれ相応の物を···」
ジェシーさんは横腰に付けた小さいバッグを漁りながら喋る。そして取り出した物は、恐らく···。
「マジックバッグ?」
「はい。このマジックバッグは、中でもそれなりの量が入るので···良かったら使ってください」
「いやでも高位ランクの冒険者が持つ物なんですよね?たぶん今回の討伐よりよっぽど価値が···」
そこまで言ってジェシーさんに手で口を抑えられた。ジェシーさんは顔を上げて、にっと柄に合わない笑い方をする。
「···私の感謝の気持ちを足したら、こんな物では余ってしかたありませんよ」
ジェシーさんは私の手を握って、また笑った後に振り返った。駆け足で軽い足音を立てながら、馬車へ向かって行く。私とジェシーさんの間に少し遠い距離が出来た後、ジェシーさんはまた振り返って手を振った。
「アリサさん!では、また逢う日まで!」
ジェシーさんは私の返事も聞かないまま、いつの間にか風の精霊が居る馬車に乗って行く。そして、そのまま馬車は出発してしまった。
なんだかあっという間で気が抜けた。太陽みたいに明るく輝きながら導いてくれたあの人は、花火みたいに輝きながらもあっという間に消えてしまった。私の手にはいつの間にか押し付けられたマジックだけが残っていて、またあの人の笑顔を思い出させる。
感謝の気持ち。確かにあの人はそう言ったけど、私は何かしたかな?なんて思いながらマジックバッグを握りしめる。
「アリサ。今日はどこで寝るの?」
「昨日私寝なかったんだよ!精霊に寝る必要はあんまりないけど疲れた!」
「それはあんたの責任でしょうが」
「酷い!私はアリサのことを思って!」
それまでずっと喋っていなかった二人が一気に喋り出した。やけにうるさくしていたジェシーさんが居なくなって寂しいなんて思っていたが、まだうるさいのは残っていたようだ。
「ふふふっ」
「ちょっと何笑ってるの怖いわよ」
「きっと面白いものがあったんだよ!私にも見せて!」
面白いものは私の目の前にあるんだけどなぁなんて冗談を頭の中で考える。
「いや、見せてる時間はないよ。うーまが待ってるんだから。今日も宿屋に泊まるよ!」
まだブツブツグチグチ言う二人を置いて走りだしたら、二人も慌てて飛んで来た。
「···アリサ、何かあったの?人間は別れを悲しむ生き物だから、さっきの魔法使いとの別れは···」
「···別に?だって···」
私は振り返って二人に笑って見せた。
「また逢えるからね!」
馬車の揺れにつられ、私の体も大きく揺れた。
「···はぁ」
一人きりの馬車の中では誰にもこのため息は聞こえない。
「···良い人だったな。こんな私でも本当にあの人は···。···また逢いたいな」
私は一人だと本音を漏らしてしまう癖がある。そうでもしないとストレスが溜まる一方だからだと思うが。この溢れた思いを口にすることくらい良いだろう。
「へーぇ。そんなにあのせいれいつかいがすきなんだね···」
はっとして横を見ると、腕を組みうんうんと頷く精霊様。精霊様がいることをつい忘れてしまう。恥ずかしさを紛らわすように精霊様と反対側の窓の方を見る。
しかし彼女は何故今さら姿を現したのだろう。職業であり能力である「精霊使い」というものは、選ばれた者が十歳からその力を発揮する。精霊はどこかしらには大体居るし、自分の能力に気付かなかったわけではないだろう。また、彼女が遠い遠い田舎に住んでいたから世間に知られなかった···わけはない。十歳になる子供を兵士達に徹底的に調べさせる国もあるぐらいだし、世界は様々な冒険者が様々な場所を冒険している。その上精霊使い様が出身の村や町はそれなりの観光地となったり、身内もそれなりの暮らしになったりすることも珍しくない。
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