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ダイアナ16歳 誰が襲ったのか。②
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なんとか涙が止まって我に返るとなんだか恥ずかしくなって思いっきりソファに顔を埋めてしまった。
「ダイアナはずっと一人で頑張って来たものね。人に頼ることを知らないのは大人のせいね」
そう言って王妃様はわたしの頬に両手を添えて優しく包んでくれた。
「だから恥ずかしがらなくていいのよ。さっきはジャスティアがごめんなさい。あの子は逆に甘えることしか知らないの、甘えることで人の愛情を試しているの、そんなことばかりしていても本当の愛情なんて貰えないのにね」
どこか遠くを見ているような王妃様にわたしの心はズキンと痛んだ。
あんなに心配してくれる人がお義母様でいてくれるのにジャスティア殿下はその愛情に気がつかないなんて、ほんと馬鹿だ。
「ジャスティア殿下がダイアナを襲ったとは考えられない。あの人は直情的でそんな回りくどいことはしない。俺のことを気に入ってくれているけど、君との婚約を脅すことはしないと思う。そんなことをするより陛下に頼んで自分と婚約をしたいと言い出すはずだ。
ま、今回は君をお茶会に呼んで嫌味を言おうとしたみたいだけど」
ーー確かに、隠れてするわけでもなく堂々と呼びしたもの。
「あらキース、ジャスティアのことよく見ているわね。あの子はキースを確かに気に入っているわ。でもそれはわたしのものだったから欲しがったと思うの」
「王妃様の?」
わたしは意味がわからなくて王妃様を見た。
「あの子はね、昔からわたしのものを欲しがるのよ。側近でも侍女でも、宝石や小物もね」
思い出しながら苦い顔をしている王妃様。
ーーああ、本当は王妃様の愛情が欲しいのね。
「では誰がダイアナが乗っている馬車を襲ったのでしょう?報告では剣にしっかり覚えがある者で戦いにも慣れていると言ってました。顔を布で隠していたので人相はわかりませんがたぶん騎士か元騎士ではないかと言っておりました」
「報告したのはうちの護衛だったのね」
「違うよ、俺がつけた侯爵家の騎士達だよ」
「あの騎士さん達はキース様の?」
「うん、守ってあげられなくてごめん。そんな弱い騎士をつけたつもりはなかったんだけど、相手が上手だった。今度はしっかり守ってみせるから怖い思いをさせてごめん。でもね出来れば俺のことで脅されたんだから俺のこと頼って欲しかった。一応婚約者なんだ。仮とはいえ君を2年間守ると約束をしたんだ」
「心配かけてごめんなさい」
「王妃様、すみません。今回守ってあげられなくて、次はないようにしますので」
「犯人の目処は?」
「ジャスティア様ではないと確認が取れましたので……ダイアナの両親かとも思いましたが、敢えてそんなことする必要はないと思います。屋敷であの二人ならはっきり本人に言えるのですから。俺との婚約などやめてしまえと」
「確かに、ダニエルならそんな回りくどいことしないわ、それにミリアは頭がいい子だもの、バレるようなことはしない。だったらこんなことして得するのは?」
わたしは誰なのかわからなかった。
「………この話はいったん保留にしましょう、ちょっと調べたいことがあるから」
「王妃様がそう仰るならわかりました」
キース様はそう言うと、それ以上この話はしなかった。
それからはわたしが外出する時は護衛の数が2人から4人へと増えていた。
お父様達は興味がなくそのことに触れることもわたしをもちろん心配して声をかけてもらえることもなかった。
「ダイアナはずっと一人で頑張って来たものね。人に頼ることを知らないのは大人のせいね」
そう言って王妃様はわたしの頬に両手を添えて優しく包んでくれた。
「だから恥ずかしがらなくていいのよ。さっきはジャスティアがごめんなさい。あの子は逆に甘えることしか知らないの、甘えることで人の愛情を試しているの、そんなことばかりしていても本当の愛情なんて貰えないのにね」
どこか遠くを見ているような王妃様にわたしの心はズキンと痛んだ。
あんなに心配してくれる人がお義母様でいてくれるのにジャスティア殿下はその愛情に気がつかないなんて、ほんと馬鹿だ。
「ジャスティア殿下がダイアナを襲ったとは考えられない。あの人は直情的でそんな回りくどいことはしない。俺のことを気に入ってくれているけど、君との婚約を脅すことはしないと思う。そんなことをするより陛下に頼んで自分と婚約をしたいと言い出すはずだ。
ま、今回は君をお茶会に呼んで嫌味を言おうとしたみたいだけど」
ーー確かに、隠れてするわけでもなく堂々と呼びしたもの。
「あらキース、ジャスティアのことよく見ているわね。あの子はキースを確かに気に入っているわ。でもそれはわたしのものだったから欲しがったと思うの」
「王妃様の?」
わたしは意味がわからなくて王妃様を見た。
「あの子はね、昔からわたしのものを欲しがるのよ。側近でも侍女でも、宝石や小物もね」
思い出しながら苦い顔をしている王妃様。
ーーああ、本当は王妃様の愛情が欲しいのね。
「では誰がダイアナが乗っている馬車を襲ったのでしょう?報告では剣にしっかり覚えがある者で戦いにも慣れていると言ってました。顔を布で隠していたので人相はわかりませんがたぶん騎士か元騎士ではないかと言っておりました」
「報告したのはうちの護衛だったのね」
「違うよ、俺がつけた侯爵家の騎士達だよ」
「あの騎士さん達はキース様の?」
「うん、守ってあげられなくてごめん。そんな弱い騎士をつけたつもりはなかったんだけど、相手が上手だった。今度はしっかり守ってみせるから怖い思いをさせてごめん。でもね出来れば俺のことで脅されたんだから俺のこと頼って欲しかった。一応婚約者なんだ。仮とはいえ君を2年間守ると約束をしたんだ」
「心配かけてごめんなさい」
「王妃様、すみません。今回守ってあげられなくて、次はないようにしますので」
「犯人の目処は?」
「ジャスティア様ではないと確認が取れましたので……ダイアナの両親かとも思いましたが、敢えてそんなことする必要はないと思います。屋敷であの二人ならはっきり本人に言えるのですから。俺との婚約などやめてしまえと」
「確かに、ダニエルならそんな回りくどいことしないわ、それにミリアは頭がいい子だもの、バレるようなことはしない。だったらこんなことして得するのは?」
わたしは誰なのかわからなかった。
「………この話はいったん保留にしましょう、ちょっと調べたいことがあるから」
「王妃様がそう仰るならわかりました」
キース様はそう言うと、それ以上この話はしなかった。
それからはわたしが外出する時は護衛の数が2人から4人へと増えていた。
お父様達は興味がなくそのことに触れることもわたしをもちろん心配して声をかけてもらえることもなかった。
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