痛がり

白い靴下の猫

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69.あれは不貞です

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あ、まずい、虐めすぎた。メイの目が、ブラックホール。
脳内警報。
これ放っておいたらいけないやつだ。

いや、だって、すごく気持ちよさそうに叩かれるからつい、さ。
目の前であんなに色っぽく悶えられたら、シューバの家に行ってこんな風になっちゃったら、とか想像するし。
もう二度とそんなこと考えないように、ちょっとキツ目に説得しとこうかな、位思うのは仕方ないよな。

でも、既に目の色的には、アンクレット外した時の次にはひどいかもってレベルだ。
自分で指とかドアに挟み始めたらどうしよう?!
最悪あの時みたいに出ていきかねない本末転倒具合だったらどうしよう?!
 
このまま、お仕置きネタで判断力落とさせて『自分を害しません』って誓わせて振り切る?
んー、多分ダメだ。その前にメイの体力が限界超えそうな気がする。

もとが、フラフラな体でも、キロ数増やしたランニングでメンタルの傷塗り潰そうとか考えるやつだ。
他人のために顔に血の気が戻る暇もないほど大けがの連続で、トラウマでちゃんと寝れなくなったうえに、ひと晩に何回も吐くような状態なのに、周りにさとらせないまま、悪意の矢面に立ちつづけた。

そんなだからいつも白い顔。
既に相当からだ辛いとおもうし、無理をさせたくはない。
今は、あの頃の修羅場ではないのだし、あとはもうめちゃくちゃ甘やかして優しくて過ごししたい。

でもまぁ、考えてみれば、7ポンドのボーリングの玉投げて筋肉痛になってた乃愛と、サブマシンガンぶっぱなしながら数時間の戦闘にも耐えられちゃうようなメイが、似たような負荷にさらされて運動してると思えば、メイの限界は程遠いって結論もあり?

まぁ、様子を見ながらってことで。
最悪、ラム酒一気飲みさせて寝かす。

「メイ、おーい、きこえてる?」
「はい、聞こえています。さとるさん、日本には腹を切るとか指を詰めるという文化が・・・」
「あのな!俺の方がメイ大好きなの!あんだけお仕置きしたのにもう忘れたか?マジに怒るぞ。俺は、メイが怪我を負うのも、メンタルが健やかじゃないのもパスです」
「でも、理解してなかっただけで、あれは不貞です、一緒にいられません」
カッチーン
「てめ、今別れるっつったか?マジにボコボコになるまでめちゃくちゃ虐めるぞ!」
メイは真っ暗な目のまま、くすっとっ笑った。
「嘘。それくらいわかります。私の不貞を目の前にしても、私が倉庫で声殺してフラッシュバックをやり過ごしていることの方が気になる人ですよ。どれだけあなたの優しさに付け込んでも、治療や心配のためにしか傷を見せろと言わないのに、どうやったらめちゃくちゃにできるんですか」
「・・・よーし分かった、そのケンカ買った。っていうか、元気になったらすぐに買ってやる」

ふざけんなよ。7ポンドの玉しか投げられない子がひと晩中大丈夫なら、メイなら倍はいけるよなぁ!エロ本からエロゲから総動員してやるから、覚悟しとけよ!
と心の中では遠吠えるが、現実ではぐっと我慢。

だって、メイの顔色が悪い。さっさと寝かそう。

「わかった。当面の間、監視強化と疑似監禁、で手を打つ。とりあえず今日は、メイがどっか行きそうで心配だからメイと俺を手錠でつないで寝る!10分以内に寝る準備して、ここに集合。はい解散!」


その後しばらくは、エッチな方面にはムードが転がらなかった。

はじめは、メイの体が辛そうだったから。
ただ、それは悪いものではなくて。
メイに女の子の日が来る前触れだったらしい。
俺がケーキを作ってお祝いをした。まぁ、物理的なフォローは全部畑里がやったが。

それから、メイと話して、マッド医者から傷跡をけす治療を受けることになった。
手術後はしばらくは何もできないだろうからと、手術前に俺は何回かちょっかいをかけた。

とりあえず、あれだ、メイが痛いのとかは俺が我慢できないから、恥ずかしがらせよう!
エロゲ定番、裸エプロンとかどうだろう?
畑里の雑誌のイメージアイテム、ピンクの手錠が、実はレースがうじゃっとしたメイド風エプロンとセットだということを、物置から持ってきてしまった手錠を返しに行ったときに知った。
「メイ、裸でこれ着るとかどう?」
全然使わない物置の机の一番下の引き出しから、びらっ、と引っ張りだしてメイに突きつける。

「・・・・あかりさん主催の美少年相撲大会の衣装ですね?」
「ごめん、俺が萎えた」

次いこう、次。
「よし、じゃぁ、あれだ、自慰行為!自分で・・・」
「わかりました。剃刀か短剣をいただければ・・・」
違ってる上に、あぶねぇよ!さっさと絶滅しろ、FGM・・・
「二度とさわるな!」

次!
中出し・・・
は、それがむりだから、こじれたんだった!

うーんと、うーんと。
「メイ、これやられたら、恥ずかしくて泣いちゃう、って感じのこと思いつく?」
いや、対戦相手に聞くなよ根性なし、と自分にツッコミを入れつつさとるは水を向けてみる。

メイとしては、さとるに聞かれている『恥ずかしい』の存在に気づいたのが割と最近で。自分の体験など語れようはずもなく。

「聞いた話でよければ。医療用ジャンボジェットにあるお薬で、注射するとビュービュー母乳をふくようになってしまうものがあるらしいですがどうですか?」
「・・・誰の話だ?」
「マッドさんです」
あのマッドくそ医者ぁーー!俺のメイとなんて話してやがる!
「メイ、あいつのとこに行くときは呼べ!見張りに行く!」

だめだ。
俺のメンタルがゼイゼイ言ってる。

そんなわけで、手術前は俺がから回っただけで終わった。
手術後は、それどころじゃないので、大人しく自重。

まぁ、そんな感じ。
姉貴からの物資補給もそろそろだし、これからずっと一緒にいられるならそうがっつくこともない。すごく平和に、そう思っていた。

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