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ロイドとの思い出(マーガレット視点)
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「マーガレットはずっと貴族だったから庶民の苦労が分からないんだよ」
ロイドはマーガレットに不満をぶつけた。
「俺は初等部まで平民だったのは知ってるだろう?
俺は誰よりも勉強ができたのに、男からは「平民のくせに生意気だ」といじめられ、女からは「平民じゃなければ付き合ってもいいんだけどね」と見下されてきた」
「そんな身分でしか判断できない人の言うことは全く気にしなくていいですわ」
「…マーガレットは昔もそう言ってくれたよな。初めて会話した時もそうだったよね」
「期末テストの思い出?懐かしい!」
2人は出会った時のことを思い出した。
ーー
(回想)
2人が12歳のころ、初等部の期末テストの結果が廊下に張り出された。
成績表にはロイドが一位だと書かれている。
それを見ていつも何かとロイドにたてつく男爵家のジョニーが恨めしそうにロイドを見た。
「ゲッ!また学力テストの一位は平民のロイドかよ!」
「悔しかったら俺よりも死に物狂いで勉強してみろよ」
ロイドが冷静に言い返したことがジョニーには面白くなかったようでジョニーは顔を真っ赤にした。
「おいおい、平民が貴族様にそんな言葉を使っていいのかよ?
パパに言いつけてお前を退学させてやるぞ?」
「………」
「おい!謝れよ!」
ジョニーはロイドが弱っているので調子づいている。
そのやり取りを見ていた貴族の子ども達はクスクス笑い、数少ない平民の子ども達は巻き込まれないようにそのまま教室に戻った。
だが、1人だけ違う行動を取る生徒がいた。
それがマーガレットだった。
「随分と品のないことを言いますわね!」
「!?」
マーガレットは2人とは違うクラスだったが、クローバー家の令嬢ということもあり、有名な存在だった。
「マーガレット様すみません…。でもこの平民が立場をわきまえずに生意気なことを言ったんです!平民が貴族に逆らったんですよ!」
マーガレットはそれを聞いて笑った。
「あら、あなたは身分で判断する人なの?
だったら貴方の家よりも私の方が格上よね。じゃあもうそんな身分を笠に着るようなことをしないって私は命令しますわ」
「……」
ロイドに難癖をつけた生徒はバツが悪くなったのかそそくさと教室に逃げて行った。
「ありがとうございます…」
ロイドは正義の味方のようなマーガレットに礼を言った。
「部外者がごめんなさいね。でもどうしても我慢できなくて…。
身分でしか判断できない人の言うことは全く気にしなくていいですわ」
ーーー
「このことがきっかけでマーガレットのことが好きになったんだ。
マーガレットに釣り合う男になりたくてこれまで以上に努力したよ」
「あの時ははしたないことをしてしまいましたわ」
2人はクスッと笑った。
「あの時のあの子みたいな権力を笠に着る子がたくさんいると思うと、身分制度なんてなくなってしまうのがいいのでしょうね」
マーガレットのこの発言を聞いてロイドは表情を変えた。
「…でも俺は身分制度は必要だと思う」
ロイドはマーガレットに不満をぶつけた。
「俺は初等部まで平民だったのは知ってるだろう?
俺は誰よりも勉強ができたのに、男からは「平民のくせに生意気だ」といじめられ、女からは「平民じゃなければ付き合ってもいいんだけどね」と見下されてきた」
「そんな身分でしか判断できない人の言うことは全く気にしなくていいですわ」
「…マーガレットは昔もそう言ってくれたよな。初めて会話した時もそうだったよね」
「期末テストの思い出?懐かしい!」
2人は出会った時のことを思い出した。
ーー
(回想)
2人が12歳のころ、初等部の期末テストの結果が廊下に張り出された。
成績表にはロイドが一位だと書かれている。
それを見ていつも何かとロイドにたてつく男爵家のジョニーが恨めしそうにロイドを見た。
「ゲッ!また学力テストの一位は平民のロイドかよ!」
「悔しかったら俺よりも死に物狂いで勉強してみろよ」
ロイドが冷静に言い返したことがジョニーには面白くなかったようでジョニーは顔を真っ赤にした。
「おいおい、平民が貴族様にそんな言葉を使っていいのかよ?
パパに言いつけてお前を退学させてやるぞ?」
「………」
「おい!謝れよ!」
ジョニーはロイドが弱っているので調子づいている。
そのやり取りを見ていた貴族の子ども達はクスクス笑い、数少ない平民の子ども達は巻き込まれないようにそのまま教室に戻った。
だが、1人だけ違う行動を取る生徒がいた。
それがマーガレットだった。
「随分と品のないことを言いますわね!」
「!?」
マーガレットは2人とは違うクラスだったが、クローバー家の令嬢ということもあり、有名な存在だった。
「マーガレット様すみません…。でもこの平民が立場をわきまえずに生意気なことを言ったんです!平民が貴族に逆らったんですよ!」
マーガレットはそれを聞いて笑った。
「あら、あなたは身分で判断する人なの?
だったら貴方の家よりも私の方が格上よね。じゃあもうそんな身分を笠に着るようなことをしないって私は命令しますわ」
「……」
ロイドに難癖をつけた生徒はバツが悪くなったのかそそくさと教室に逃げて行った。
「ありがとうございます…」
ロイドは正義の味方のようなマーガレットに礼を言った。
「部外者がごめんなさいね。でもどうしても我慢できなくて…。
身分でしか判断できない人の言うことは全く気にしなくていいですわ」
ーーー
「このことがきっかけでマーガレットのことが好きになったんだ。
マーガレットに釣り合う男になりたくてこれまで以上に努力したよ」
「あの時ははしたないことをしてしまいましたわ」
2人はクスッと笑った。
「あの時のあの子みたいな権力を笠に着る子がたくさんいると思うと、身分制度なんてなくなってしまうのがいいのでしょうね」
マーガレットのこの発言を聞いてロイドは表情を変えた。
「…でも俺は身分制度は必要だと思う」
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