初夜に客間へ追いやられて三か月。幼馴染を優先する夫とは離縁します
初夜、夫は寡婦になった幼馴染を慰めに出かけ、私には客間の鍵を渡した。
「しばらく、ここで待っていてくれ」
あれから三か月。嫁入りの荷も解けないまま、私は夫の帰りを待っていた。
結婚して初めて、二人で夕食を取る約束をした夜。
料理が冷めるまで待った私に、帰宅した夫は、幼馴染の家で食事を済ませたと告げる。
約束を忘れたのではなかった。知ったうえで、彼女を選んだのだ。
「夫を亡くした彼女の前で、私たちが結婚を喜ぶようなことは」
二人で食事をするだけの願いまで、遠慮しなければならないらしい。
翌朝、私は客間の鍵を返し、実家へ帰ることにした。
「それで、次はいつ戻る?」
「戻りません。ディディエ様、私と離縁してください」
離縁後、小さな家を借りた私が頼んだのは、二人で座れる食卓だった。
希望を尋ね、約束の時刻に来てくれる家具職人の青年。彼と話すうち、誰かを食事へ招くのが楽しみになる。
そんな私に、元夫から便りが届く。
『私の分の合鍵を用意しておいてくれ』
もう、この家で誰を迎えるかは私が決める。
夫を待つばかりだった妻が、自分の暮らしと新しい恋を選ぶ物語。
全5話・ハッピーエンド。
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