純粋な疑問なんだけど、あなたは一生ヒロインの真似をして生きて行くの?
食堂で、高位貴族令嬢の婿候補達の前に立ち塞がっているのは……どちらの令嬢かしら? どこかで見た覚えがあるのだけど、なぜか思い出せない。
「お姉ちゃんは誰にも渡さないんだからっ!!」
と、フシャーっ!! と、全身を逆立てた子猫の如く威嚇している美少女がいる。
「お姉ちゃんとごはん食べるのはあたしなんだから、あっち行ってよっ!!」
高位貴族令嬢も、クスクス笑って威嚇するその美少女を窘めない。美少女に威嚇されて追い払われた美少年達は、すごすごと引き下がり……少し遠くの席に着いた。
そして、お昼休みにキャッキャウフフと優雅にランチを食べる美少女二人を、羨ましそうにちょっと遠くから指を咥えて見ている婿候補の美少年達……という、なんとも言えない図が繰り広げられている。
なんだか、あそこの空間だけ百合の花が舞い散っている気がするっ!!
「あれ? このゲームって、百合エンドあったのかしら?」
ポロリと、よくわからない言葉が口から出た瞬間――――
わたしは、ここがとある全年齢対象の乙女ゲームの世界と酷似していることに気付いた。頭を駆け巡る、ゲームの情報。
ヒロインか、悪役令嬢のどちらかが転生者でどちらかが相手を攻略した、という可能性もあるわよね?
ということは……婿候補である攻略対象達は、ヒロインに攻略されない?
それなら、わたしが攻略してもいいんじゃないかしら?
こうしてわたしは、悪役令嬢の婿候補の一人を落とすべく狙いを定めた。
そんなとき、ゲームヒロインがわたしの前に現れて言った。
「えっとね……あなた。ひぎゃくー、趣味? でも、持ってるの?」
設定はふわっと。
『純粋な疑問なのですが、あなたは一生虐げられたいのでしょうか?』の続き。『純粋な~』を読んでなくても大丈夫です。
「お姉ちゃんは誰にも渡さないんだからっ!!」
と、フシャーっ!! と、全身を逆立てた子猫の如く威嚇している美少女がいる。
「お姉ちゃんとごはん食べるのはあたしなんだから、あっち行ってよっ!!」
高位貴族令嬢も、クスクス笑って威嚇するその美少女を窘めない。美少女に威嚇されて追い払われた美少年達は、すごすごと引き下がり……少し遠くの席に着いた。
そして、お昼休みにキャッキャウフフと優雅にランチを食べる美少女二人を、羨ましそうにちょっと遠くから指を咥えて見ている婿候補の美少年達……という、なんとも言えない図が繰り広げられている。
なんだか、あそこの空間だけ百合の花が舞い散っている気がするっ!!
「あれ? このゲームって、百合エンドあったのかしら?」
ポロリと、よくわからない言葉が口から出た瞬間――――
わたしは、ここがとある全年齢対象の乙女ゲームの世界と酷似していることに気付いた。頭を駆け巡る、ゲームの情報。
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「えっとね……あなた。ひぎゃくー、趣味? でも、持ってるの?」
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