禁断の恋

えりー

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レクト

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私の名はレクト。
私はとある科学者に拾われ、育てられた。
科学者の名はウェイ。
ウェイは、飢えで死にかけていた私を助ける為、体を改造し、蘇生してくれた。
彼は私の恩人でもある。
ウェイは私にすごく優しく接してくれる。
分からないことは何でも教えてくれる。
いつも優しいウェイが私は大好きだった。
ウェイト出会って10年が過ぎた。
彼は10年前と姿が変わっていない。
それはとても不思議だった。
「ウェイはどうして年を取っていないの?」
私がそう聞くとウェイはこう答えた。
「俺は年を取らないんだ」
「どういう意味?」
「そういう体なんだ」
よくわからないこともあるけれどきちんと答えてくれる。
私は彼に恋をしていた。
ウェイに改造された私の背には、羽が生えていた。
もちろん飛ぶことだってできる。
しかし彼は私が飛ぶことを嫌がった。
「人に見られたら大変だ。絶対に飛ばないように」
彼からそう言われていた。
羽はガラスで出来ていた。
背中にしまうこともできる。
私はある日思い切って彼に告白した。
「私、ウェイが好きなの。恋人になってほしいの」
そう言うと彼は一瞬複雑そうな表情を浮かべたが私を受け入れてくれた。
私たちは食事をとらなくても生きていける体だった。
ウェイはたまにワインを飲む程度で、それ以外口にしなかった。
大飢饉が昔あり、ウェイは自分の体を食事をとらなくても生きていくことの出来る体に作り替えたそうだ。
ウェイの実際の年齢は聞いてみたけれどこれだけは教えてもらえなかった。
私たちは外に出ることもなく二人きりで広い研究所で暮らしている。
外に出ないのは、自分が年を取らないことを周りに悟られないためだと教えてくれた。
「ウェイ、私達恋人になったんだから・・・その・・・」
そう言いにくそうに私が言うとウェイは私の唇にキスをしてくれた。
私は嬉しくなり、ウェイに抱きついた。
「・・・」
ウェイは無反応だった。
彼の考えが全く読むことが出来ない。
彼は一体何者なのだろうか・・・。
私から見て謎の多い人だった。
二人きりの生活、何の刺激もないと思っていいたけどウェイに大切にされ、恋人になることが出来たことは何より嬉しい変化だった。
でも、告白した時の彼の複雑な表情は一体何だったのか私には分らなかった。
もしかしたら迷惑だったのかもしれない。
半分機械の体、もう半分は人間の体の私は彼にとってどういう存在なのだろうか・・・。



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