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13 嫉妬
しおりを挟む誰かに話しかけられた気がして、起き上がると横には上半身裸のロウさんと一緒のベッドに寝ていた。
『にゃ、にゃに!?』
ビックリして後ずさると、ロウさんが目を覚ます。
「ん…、アリア」
『ロウさん!?服来てください…ってわぁ!?』
私の身体を引っ張られて抱きしめられる。
顔に熱が込み上げて慌てて上半身裸の身体を押す。
だけど、ロウさんはニヤニヤ笑いながら鍛えられた身体を押し付ける。
「恥ずかしいの?」
『こ、こんな状況で何言ってるんですか!?』
「かーわいい」
そんな事をしている部屋のドアが開き、突然誰かが入ってくる。
「クソガキ、良い加減にしとけよ?」
「やぁ、シル」
「やぁ、じゃねぇよ。何やってんだクソガキ。まさかアリアちゃんを食ったんじゃねぇよな?」
「ククッ、シル口悪」
「うっせい」
シルさんがロウさんの頭を叩くと私を抱き上げて別の所に連れて行く。
『シルさん!?』
「ごめんね、アリアちゃん。嫌かもしないけどこのままでいて」
そう言うシルさんの目を見るといつもの黒い瞳とは違う金色に変わっていた。
『シルさん、目の色が…』
「あぁ…。我慢出来なかった」
そんな言葉を言うシルさんに私は困惑した。
「アリアちゃんが他の男と一晩一緒に居たって思ったら…俺、自分が抑えられない」
その言葉と同時に足元の床に亀裂が入り地鳴りが鳴った。
『し、シルさん!?』
「我慢出来ないっ。この場でアリアちゃんを奪いたい。あのクソガキに良い様にされだと思ったら、どうにかなりそうなんだよっ!!」
シルさんの綺麗な顔が苦痛の表情に変わり、私は戸惑うしかなかった。
その間も地鳴りやびびが入りどうしたら良いか分からない。
シルさんを呼ぶが目の色がどんどん濃ゆい金色に変わっていく。
『し、シルさん!!』
「欲しい!アリアちゃんを奪いたいっ」
『待って!』
「俺の、俺のアリアちゃんだ!!」
『シルさん!!』
私が声を上げた瞬間だった。
別の誰かによってシルさんと私は離された。
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