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第17話 動画配信者
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今日は、とある友人のマンションに遊びに来た。
「ねぇ。本当に行くの?」
「麻利恵は反対?」
「うーん。直人が会いに行きたいのなら仕方ないけど……。私は、直人があんな女と関わるのは控えたほうがいいと思うけどね」
付き添いで一緒に来ていた幼馴染の麻利恵は、不満そうな表情で言った。これから会う友人について、彼女はよく思っていないようだ。今日の付き添いも、何か問題が起きないように見張るため、一緒に来てくれたのだ。
心配してくれる麻利恵には申し訳ないけれど面白そうだから、これから会う人とは積極的に関わりたいと思っている。
「まぁまぁ、そんなこと言わずにさ。それに、あの人とは友達になったんだ。仲良くしたいんだよ」
「じゃあせめて、必ず私を一緒に連れて行って。一人で勝手に会うのは無しだから。私はまだ、あの女を信用してるわけじゃないんだからね。それだけ覚えておいて」
「分かった。約束するよ。会うときは、必ず一緒に麻利恵を連れて行くって」
麻利恵はそう言うと、ぷいっと顔を背けた。どうやら相当ご立腹らしい。僕は彼女の機嫌を取りながら、目的の場所へと辿り着いた。
マンションの一室。扉の横のインターホンを押してから待つと、しばらくして扉が開かれた。中から一人の女性が顔を出した。
「来てくれてありがとう、直人くん!」
玄関先に立つ女性。天川有加里《あまかわあかり》さんは、満面の笑みを浮かべていた。
彼女の年齢は、25歳だと聞いた。身長は150センチくらいだろうか。小柄だがスタイルが良いため、胸の大きさが目立っている。
髪は肩にかかる程度の長さであり、色は栗色だった。その髪から甘い香りが漂ってくる。
淡い水色のワンピースを着ている。スカート丈は短く太股が見えており、そこから伸びる白い脚はとても綺麗だった。かなり大胆な格好。
「どうぞどうぞ、中に入って! 麻利恵ちゃんも、どうぞ」
「お邪魔します」
「……お邪魔します」
有加里さんに歓迎されて、僕たちは彼女の住んでいるマンションに足を踏み入れた。部屋の中に入ると、そこには綺麗な内装が広がっていた。
まず目についたのが、部屋の中央に置かれた大きなLED照明とマイク。パソコンのモニターが3台設置されていた。モニターの上部に、カメラも取り付けられている。
配信するための機材の数々。話に聞いていたけれど、実際に見るのは初めてだった。これで配信しているのか。
「どうぞ自由に座って。あ、こっち側に居ると配信カメラに映り込んじゃうかもしれないから、注意してね」
「この辺りなら大丈夫?」
「うん。そこなら大丈夫そうかな」
僕と麻利恵は、部屋の半分側に置いてあったテーブルの前に座った。
「自由に食べて」
「わぁ、美味しそう」
有加里さんが今日のために用意してくれいてたらしいお菓子と飲み物を、テーブルの上に置いた。自由に食べて良いらしい。種類が豊富で、しばらく飽きないだろう。
「それじゃあ、今日の予定について軽く説明するね。お菓子を食べながらでいいから聞いて」
「うん、おねがいします」
今日は、有加里さんの配信にゲストとして呼ばれていた。
彼女に出会ったのが1ヶ月ほど前。その時にネットで動画の投稿や配信をしていることを知って、興味本位で仲良くなった。それから何度か連絡を繰り返して、今回初めて彼女の配信に参加をすることになっていた。
「それで今日は、直人くんは声だけの出演で。配信のカメラには映さないようにするから」
「顔は見せないんだね」
「うん。視聴者の反応とか見て、今後どうするかは考えたいな。とりあえず今日は、声だけで。ここにマイクを置くから。ここで喋ったら、配信に音声が乗るからね」
「わかった」
「話す内容についてはフリーで。プライベートな事とか、話したくないことなんかは話さないで大丈夫だから」
配信で話す内容はフリーなのか。ちゃんと話せるかどうか心配だった。個人情報も漏らさないように注意しないと。
「本当に、その女の配信に出るつもりなの? インターネットって、色々危ないって聞くけど大丈夫なの?」
「大丈夫! 直人くんには、おしゃべりしてもらうだけだから」
心配してくれる麻利恵に、有加里さんが答える。大丈夫だと。彼女の言葉を聞いて、麻利恵が睨みながら言った。
「これで直人が、何かトラブルに巻き込まれたら責任取れるの?」
「個人情報は絶対に出さないように気をつけるから。あと、危ないことはしないようにする。約束するよ。それに、もし何かあっても男性の直人くんは国に守られているから大丈夫。そんなに心配する必要はないよ」
「それでも、何か危険があるかもしれないのに……」
男性である僕は、動画配信で非常に需要があるらしい。女性に興味津々で、もっと褒めてほしい、可愛がってほしいと思っている僕は配信に向いているかもしれないと感じた。
毎日楽しく過ごしたい。そう思っている僕は、試してみたくなった。どんな反応があるのか、非常に興味があった。
だからもう、止めることは出来ない。やってみたくなったから、やってみるだけ。僕は、ワガママだった。
「ごめんね、麻利恵。そして、心配してくれてありがとう。だけど、やってみたいんだ。だから、許してね」
「……直人が、そう言うなら。でも、危ないと思ったら止めるからね」
「うん。麻利恵が守ってくれるなら、安心だ」
なんとか納得してもらった。心配してくれた麻利恵は、後でケアをしてあげないといけないだろう。でも今は、目の前の有加里さんと配信だ。どうなるのか楽しみ。
「ねぇ。本当に行くの?」
「麻利恵は反対?」
「うーん。直人が会いに行きたいのなら仕方ないけど……。私は、直人があんな女と関わるのは控えたほうがいいと思うけどね」
付き添いで一緒に来ていた幼馴染の麻利恵は、不満そうな表情で言った。これから会う友人について、彼女はよく思っていないようだ。今日の付き添いも、何か問題が起きないように見張るため、一緒に来てくれたのだ。
心配してくれる麻利恵には申し訳ないけれど面白そうだから、これから会う人とは積極的に関わりたいと思っている。
「まぁまぁ、そんなこと言わずにさ。それに、あの人とは友達になったんだ。仲良くしたいんだよ」
「じゃあせめて、必ず私を一緒に連れて行って。一人で勝手に会うのは無しだから。私はまだ、あの女を信用してるわけじゃないんだからね。それだけ覚えておいて」
「分かった。約束するよ。会うときは、必ず一緒に麻利恵を連れて行くって」
麻利恵はそう言うと、ぷいっと顔を背けた。どうやら相当ご立腹らしい。僕は彼女の機嫌を取りながら、目的の場所へと辿り着いた。
マンションの一室。扉の横のインターホンを押してから待つと、しばらくして扉が開かれた。中から一人の女性が顔を出した。
「来てくれてありがとう、直人くん!」
玄関先に立つ女性。天川有加里《あまかわあかり》さんは、満面の笑みを浮かべていた。
彼女の年齢は、25歳だと聞いた。身長は150センチくらいだろうか。小柄だがスタイルが良いため、胸の大きさが目立っている。
髪は肩にかかる程度の長さであり、色は栗色だった。その髪から甘い香りが漂ってくる。
淡い水色のワンピースを着ている。スカート丈は短く太股が見えており、そこから伸びる白い脚はとても綺麗だった。かなり大胆な格好。
「どうぞどうぞ、中に入って! 麻利恵ちゃんも、どうぞ」
「お邪魔します」
「……お邪魔します」
有加里さんに歓迎されて、僕たちは彼女の住んでいるマンションに足を踏み入れた。部屋の中に入ると、そこには綺麗な内装が広がっていた。
まず目についたのが、部屋の中央に置かれた大きなLED照明とマイク。パソコンのモニターが3台設置されていた。モニターの上部に、カメラも取り付けられている。
配信するための機材の数々。話に聞いていたけれど、実際に見るのは初めてだった。これで配信しているのか。
「どうぞ自由に座って。あ、こっち側に居ると配信カメラに映り込んじゃうかもしれないから、注意してね」
「この辺りなら大丈夫?」
「うん。そこなら大丈夫そうかな」
僕と麻利恵は、部屋の半分側に置いてあったテーブルの前に座った。
「自由に食べて」
「わぁ、美味しそう」
有加里さんが今日のために用意してくれいてたらしいお菓子と飲み物を、テーブルの上に置いた。自由に食べて良いらしい。種類が豊富で、しばらく飽きないだろう。
「それじゃあ、今日の予定について軽く説明するね。お菓子を食べながらでいいから聞いて」
「うん、おねがいします」
今日は、有加里さんの配信にゲストとして呼ばれていた。
彼女に出会ったのが1ヶ月ほど前。その時にネットで動画の投稿や配信をしていることを知って、興味本位で仲良くなった。それから何度か連絡を繰り返して、今回初めて彼女の配信に参加をすることになっていた。
「それで今日は、直人くんは声だけの出演で。配信のカメラには映さないようにするから」
「顔は見せないんだね」
「うん。視聴者の反応とか見て、今後どうするかは考えたいな。とりあえず今日は、声だけで。ここにマイクを置くから。ここで喋ったら、配信に音声が乗るからね」
「わかった」
「話す内容についてはフリーで。プライベートな事とか、話したくないことなんかは話さないで大丈夫だから」
配信で話す内容はフリーなのか。ちゃんと話せるかどうか心配だった。個人情報も漏らさないように注意しないと。
「本当に、その女の配信に出るつもりなの? インターネットって、色々危ないって聞くけど大丈夫なの?」
「大丈夫! 直人くんには、おしゃべりしてもらうだけだから」
心配してくれる麻利恵に、有加里さんが答える。大丈夫だと。彼女の言葉を聞いて、麻利恵が睨みながら言った。
「これで直人が、何かトラブルに巻き込まれたら責任取れるの?」
「個人情報は絶対に出さないように気をつけるから。あと、危ないことはしないようにする。約束するよ。それに、もし何かあっても男性の直人くんは国に守られているから大丈夫。そんなに心配する必要はないよ」
「それでも、何か危険があるかもしれないのに……」
男性である僕は、動画配信で非常に需要があるらしい。女性に興味津々で、もっと褒めてほしい、可愛がってほしいと思っている僕は配信に向いているかもしれないと感じた。
毎日楽しく過ごしたい。そう思っている僕は、試してみたくなった。どんな反応があるのか、非常に興味があった。
だからもう、止めることは出来ない。やってみたくなったから、やってみるだけ。僕は、ワガママだった。
「ごめんね、麻利恵。そして、心配してくれてありがとう。だけど、やってみたいんだ。だから、許してね」
「……直人が、そう言うなら。でも、危ないと思ったら止めるからね」
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