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第47話 提案
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配信に出演したことによる影響について知った僕は、気をつけなければならないと強く思った。これで話は終わりかなと思ったら、まだ続きがあるようだ。
「配信には、今後も出演するつもりですか?」
「はい。そのつもりです」
久遠さんの質問に、僕は迷わず答えた。有加里さんと約束をしたから。また機会があれば出演したいと言ったので、彼女からお願いされたら出るつもりである。
「それならば、周りを巻き込んで対応できるようにした方が良いと思います」
「どういうことですか?」
彼女の言葉に、僕は首を傾げる。周りの人とは、一体誰を指しているのだろうか。僕の疑問に答えるように、彼女は話を続ける。
「七沢さんに子作り政策の広報大使をしてもらうんです」
「政策の、広報大使?」
「ええ。七沢さんが、子作り政策の活動内容や役割についてPRするのです。そうすれば、仕事の一環としてその配信にも出演できるでしょう。それにより大きな影響があったときには、我々スタッフがサポート出来るようになります」
「なるほど」
配信の出演を仕事の1つとしてしまえば、大きな影響があった場合にサポートしてもらえるようになるわけだ。それは、とても助かる話だった。
けれど、僕なんかがそんな役目を引き受けてもいいのだろうか。政策の広報大使ということは、国を代表して仕事をするようなものである。そんな大役を僕が務められるのだろうか。
そもそも、配信に出演するために広報大使という立場を利用しても良いのかという疑問もある。周りを巻き込んで対応できるようにするという意見は分かるけれども、それで本当に良いのだろうか。そこまでやる必要があるのか。
そんなことを考えている僕に、久遠さんはさらに言葉を続ける。
「実は、七沢さんを広報大使に任命するという話は、以前から出ていたのですよ」
「えっ? そうなんですか!?」
「ええ。けれど、まだ若い七沢さんの負担が大きくなるのではないかということで、保留にしていました。しかし、今回の件で七沢さんの出演した配信が注目を集めて、今後も出演すれば知名度がどんどん上がっていって、より多くの人に影響を与えると予想されています。そうなる前に、対処をするための準備を進めておいたほうが良いだろうと判断して、提案しました」
「そうだったんですね……」
まさか、そんな話が出ていたとは知らなかった。知らない間に、色々と計画されていたらしい。
そして、久遠さんは僕のことを色々と考えてくれていた。そして提案してくれた。だから彼女は、とても頼りになるんだ。
「七沢さんは仕事に熱心で、誠実な方です。女性に対する理解も深い。政策についてアピールする上で、これほど適した人材はいないと思います」
かなり高く評価されていて、思わず照れてしまう。でも、それ以上に嬉しかった。自分のやってきたことが認められて、評価されることがこんなにも嬉しいことだとは思わなかった。
今まで頑張ってきて良かったと思うと同時に、もっと頑張らないといけないとも思う。
「もちろん、相応の対価も用意しています」
広報大使の報酬は、それなりに高額なものになるらしい。現在の給料だけでも十分だと思うぐらい貰っているが、これから更に増えるとなると嬉しい話だ。
「まだ提案の段階なので、決定ではありません。ですが、考えておいてください」
「はい、分かりました」
すでに引き受けるつもりで居るけれど、母親とかに相談しておくべきか。この場で判断しないで、一旦持って帰る。そして、どうするかじっくり考えよう。
「では、今日はこのくらいにしておきましょうか」
「ありがとうございました」
「こちらこそ、ありがとうございました」
話し合いが終わって、僕と久遠さんは一緒に部屋を出た。
まだ仕事が残っているらしい久遠さんと途中で別れて、僕は家に帰る。今回の件について、有加里さんにも相談しないといけないな。他に、仲良くしている女性達にも話しておいたほうがよさそうかな。これから、色々と忙しくなるかもしれないから。
「配信には、今後も出演するつもりですか?」
「はい。そのつもりです」
久遠さんの質問に、僕は迷わず答えた。有加里さんと約束をしたから。また機会があれば出演したいと言ったので、彼女からお願いされたら出るつもりである。
「それならば、周りを巻き込んで対応できるようにした方が良いと思います」
「どういうことですか?」
彼女の言葉に、僕は首を傾げる。周りの人とは、一体誰を指しているのだろうか。僕の疑問に答えるように、彼女は話を続ける。
「七沢さんに子作り政策の広報大使をしてもらうんです」
「政策の、広報大使?」
「ええ。七沢さんが、子作り政策の活動内容や役割についてPRするのです。そうすれば、仕事の一環としてその配信にも出演できるでしょう。それにより大きな影響があったときには、我々スタッフがサポート出来るようになります」
「なるほど」
配信の出演を仕事の1つとしてしまえば、大きな影響があった場合にサポートしてもらえるようになるわけだ。それは、とても助かる話だった。
けれど、僕なんかがそんな役目を引き受けてもいいのだろうか。政策の広報大使ということは、国を代表して仕事をするようなものである。そんな大役を僕が務められるのだろうか。
そもそも、配信に出演するために広報大使という立場を利用しても良いのかという疑問もある。周りを巻き込んで対応できるようにするという意見は分かるけれども、それで本当に良いのだろうか。そこまでやる必要があるのか。
そんなことを考えている僕に、久遠さんはさらに言葉を続ける。
「実は、七沢さんを広報大使に任命するという話は、以前から出ていたのですよ」
「えっ? そうなんですか!?」
「ええ。けれど、まだ若い七沢さんの負担が大きくなるのではないかということで、保留にしていました。しかし、今回の件で七沢さんの出演した配信が注目を集めて、今後も出演すれば知名度がどんどん上がっていって、より多くの人に影響を与えると予想されています。そうなる前に、対処をするための準備を進めておいたほうが良いだろうと判断して、提案しました」
「そうだったんですね……」
まさか、そんな話が出ていたとは知らなかった。知らない間に、色々と計画されていたらしい。
そして、久遠さんは僕のことを色々と考えてくれていた。そして提案してくれた。だから彼女は、とても頼りになるんだ。
「七沢さんは仕事に熱心で、誠実な方です。女性に対する理解も深い。政策についてアピールする上で、これほど適した人材はいないと思います」
かなり高く評価されていて、思わず照れてしまう。でも、それ以上に嬉しかった。自分のやってきたことが認められて、評価されることがこんなにも嬉しいことだとは思わなかった。
今まで頑張ってきて良かったと思うと同時に、もっと頑張らないといけないとも思う。
「もちろん、相応の対価も用意しています」
広報大使の報酬は、それなりに高額なものになるらしい。現在の給料だけでも十分だと思うぐらい貰っているが、これから更に増えるとなると嬉しい話だ。
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「はい、分かりました」
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「では、今日はこのくらいにしておきましょうか」
「ありがとうございました」
「こちらこそ、ありがとうございました」
話し合いが終わって、僕と久遠さんは一緒に部屋を出た。
まだ仕事が残っているらしい久遠さんと途中で別れて、僕は家に帰る。今回の件について、有加里さんにも相談しないといけないな。他に、仲良くしている女性達にも話しておいたほうがよさそうかな。これから、色々と忙しくなるかもしれないから。
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