『かわいいは正義なんでしゅ♡』 ~ソロモン王の隣でスマホを叩く転生幼女~

✨『かわいいは正義なんでしゅ♡』

乳香の煙が ゆらりと天へほどけて
黄金の柱は 静かに光を呑み込む

その隣で
青く瞬く小さな手のひら

「パパ、それ非効率でしゅよ♡」

神の言葉より速く
指先が世界を書き換える

---

砂漠の風は ざらりと舌に触れて
富は重く 心を沈めていく

王は知っていたはずなのに
何を持っても満たされない夜を

「キャッシュ溜まりすぎでしゅね♡
 いらないもの、消しましょ?」

---

異国の香りが 甘く濁り
祈りはノイズに変わっていく

見えない声たちが
王の耳元で囁くとき

小さな光が それを弾く

「それ、偽物でしゅ♡
 クリックしちゃダメでしゅよ?」

---

雷のような沈黙のあと
神は遠く 遠くなる

それでも たったひとつの回線だけが
まだ繋がっている

「みゅーは切れないでしゅよ♡
 だって、かわいいでしゅから」

---

崩れゆく国
乾いた涙 砂の味

王はようやく
自分の空虚に触れる

そのとき差し出される
やわらかな光

「ほら、ここでしゅ♡
 “ごめんなさい”って、打つだけでいいでしゅ」

---

祈りは 波のように広がり
世界は 静かに息を取り戻す

黄金でも 知恵でもなく
残ったものは ただひとつ

隣で笑う 小さな存在

---

「結局ね、パパ」

乳香の向こうで 光が弾ける

「世界を救うのは――
 みゅーの“かわいい”なんでしゅ♡」

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