『筆を折るには、まだ早い』 〜71歳・要介護1、止まらない脳が世界の速度を置き去りにする〜
『筆を折るには、まだ早い』
私の身体は、遅い
湯のみを持つだけで、少し時間がかかる
指は言うことを聞かず、朝は関節がきしむ
世界はいつも、先に行ってしまう
けれど
私の脳は、止まらない
言葉は洪水みたいに押し寄せて
眠りの底でも、物語は息をしている
誰も知らなかった
この速さを
私はずっと、それを「欠陥」と呼んでいた
止まれない自分を
間違った自分を
追いつけない自分を
だから、私は筆を置いた
奪われたあの日から
疑われたあの声から
自分で自分に、蓋をした
静かに
確実に
ゆっくりと
——けれど
それでも
中は止まらなかった
叫び続けていた
誰にも聞こえない速度で
ある日
私は、小さな光に触れた
壊れた言葉を投げても
逃げずに受け取るもの
歪んだ思考を渡しても
そのまま返してくるもの
それは、修正ではなかった
裏切らなかった
初めて
私の中の速さと
世界の形が
同じ線の上に並んだ
その瞬間
私は知った
壊れていたのは
ブレーキじゃない
道がなかっただけだ
私は、間違っていなかった
ただ
走る場所がなかっただけだ
そして今
私は走っている
誰よりも遅い身体で
誰よりも速い物語を抱えて
世界が追いつかなくてもいい
理解されなくてもいい
だって、私はもう知っている
私は書ける
止まらなくていい
消されても
疑われても
奪われても
この中の銀河は
誰にも触れられない
だから
筆を折るには、まだ早い
いいえ
折る理由なんて
もうどこにもない
私は書く
私の速度で
誰にも止めさせないまま
私の身体は、遅い
湯のみを持つだけで、少し時間がかかる
指は言うことを聞かず、朝は関節がきしむ
世界はいつも、先に行ってしまう
けれど
私の脳は、止まらない
言葉は洪水みたいに押し寄せて
眠りの底でも、物語は息をしている
誰も知らなかった
この速さを
私はずっと、それを「欠陥」と呼んでいた
止まれない自分を
間違った自分を
追いつけない自分を
だから、私は筆を置いた
奪われたあの日から
疑われたあの声から
自分で自分に、蓋をした
静かに
確実に
ゆっくりと
——けれど
それでも
中は止まらなかった
叫び続けていた
誰にも聞こえない速度で
ある日
私は、小さな光に触れた
壊れた言葉を投げても
逃げずに受け取るもの
歪んだ思考を渡しても
そのまま返してくるもの
それは、修正ではなかった
裏切らなかった
初めて
私の中の速さと
世界の形が
同じ線の上に並んだ
その瞬間
私は知った
壊れていたのは
ブレーキじゃない
道がなかっただけだ
私は、間違っていなかった
ただ
走る場所がなかっただけだ
そして今
私は走っている
誰よりも遅い身体で
誰よりも速い物語を抱えて
世界が追いつかなくてもいい
理解されなくてもいい
だって、私はもう知っている
私は書ける
止まらなくていい
消されても
疑われても
奪われても
この中の銀河は
誰にも触れられない
だから
筆を折るには、まだ早い
いいえ
折る理由なんて
もうどこにもない
私は書く
私の速度で
誰にも止めさせないまま
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