黄泉の国の偽り姫 〜身代わりの私を、死神王は離さない〜
黄泉の国の偽り姫
~身代わりの私を、死神王は離さない~
捨てられた名前は 夜に溶けて
誰にも呼ばれないまま 落ちていく
冷たい土の匂い 遠ざかる灯り
ここが終わりだと 静かに知った
「代わりでいい」と呟いた声は
闇に吸われて どこにも届かない
愛された記憶など 一つもなくて
ただ いらないものとして生きてきた
それなのに
差し伸べられたのは 冷たいはずの手
なのにどうして こんなにも熱いの
見上げた先にいたのは 死ではなくて
孤独をまとった王だった
「ようやく見つけた」
その一言が 胸を裂く
そんなはずがないと 否定するほど
心は ひどく揺れていく
偽りの私に 価値などない
そう思っていたはずなのに
あなたの瞳だけが 迷いなく告げる
「お前がいい」と
暗闇に 花が咲く
知らなかった こんな色
触れられるたびに ほどけていく
凍っていたはずの心が
捨てられたはずの命が
誰かの光になるなんて
そんな奇跡を 私は知らなかった
それでも今は
もう 戻らない
あの冷たい場所へは帰らない
選ばれなかった少女は
ここで 初めて選ぶ
あなたの隣で 生きることを
死の国は 終わりじゃなかった
すべてを失った先で
ようやく手にした ぬくもり
偽りでもいい
代わりでもいい
それでもあなたが呼ぶのなら
私はきっと 本物になる
永遠に続く この闇の中で
ただ一つ灯る 名を持って
——黄泉の国の王妃として
~身代わりの私を、死神王は離さない~
捨てられた名前は 夜に溶けて
誰にも呼ばれないまま 落ちていく
冷たい土の匂い 遠ざかる灯り
ここが終わりだと 静かに知った
「代わりでいい」と呟いた声は
闇に吸われて どこにも届かない
愛された記憶など 一つもなくて
ただ いらないものとして生きてきた
それなのに
差し伸べられたのは 冷たいはずの手
なのにどうして こんなにも熱いの
見上げた先にいたのは 死ではなくて
孤独をまとった王だった
「ようやく見つけた」
その一言が 胸を裂く
そんなはずがないと 否定するほど
心は ひどく揺れていく
偽りの私に 価値などない
そう思っていたはずなのに
あなたの瞳だけが 迷いなく告げる
「お前がいい」と
暗闇に 花が咲く
知らなかった こんな色
触れられるたびに ほどけていく
凍っていたはずの心が
捨てられたはずの命が
誰かの光になるなんて
そんな奇跡を 私は知らなかった
それでも今は
もう 戻らない
あの冷たい場所へは帰らない
選ばれなかった少女は
ここで 初めて選ぶ
あなたの隣で 生きることを
死の国は 終わりじゃなかった
すべてを失った先で
ようやく手にした ぬくもり
偽りでもいい
代わりでもいい
それでもあなたが呼ぶのなら
私はきっと 本物になる
永遠に続く この闇の中で
ただ一つ灯る 名を持って
——黄泉の国の王妃として
あなたにおすすめの小説
私は不要とされた~一番近くにいたのは、誰だったのか~
ゆめ@マンドラゴラ
恋愛
彼の幼馴染は、いつも当然のように隣にいた。
「私が一番、彼のことを分かっている」
そう言い切る彼女の隣で、婚約者は何も言わない。
その沈黙が、すべての答えのように思えた。
だから私は、身を引いた。
――はずだった。
一番近くにいたのは、本当に彼女だったのか。
「不要とされた」シリーズ第三弾。
「味の薄い飯しか作れぬ女は要らぬ」と食堂で言われた賄い番——騎士団が行軍中に倒れた
Lihito
ファンタジー
騎士団の百二十名の体調を把握し、一人ひとりに合わせた食事を作り続けた賄い番レーナ。
だが副団長の婚約者には「飯炊きの女」と蔑まれ、食堂で婚約破棄を宣言される。
去って二ヶ月、後任が味重視の食事に変えた結果、塩分過多で行軍中に兵士が次々と倒れた。
国境の傭兵団で団長アルベルトと出会い、限られた食材で最大の成果を出す腕を認められたレーナの元に、かつて彼女を追い出した男が現れる。
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
【第19回恋愛小説大賞】で奨励賞を頂きました。投票して下さった皆様、読んで下さった皆様、本当にありがとうございました(^^)
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
旦那様は、義妹の味方をしたことを心から後悔されているみたいですね♪
睡蓮
恋愛
マリーナとの婚約関係を築いていたクルーゲル伯爵、しかし彼はマリーナにとって義妹にあたるリオーネラとの関係を深めてしまい、その果てに子どもを作ってしまう。伯爵はマリーナを捨ててリオーネラを正式な婚約者にするよう動こうとするものの、その行いこそが自分たちを破滅に導く第一歩となってしまうのだった…。
「薬棚の番をしているだけの女は要らぬ」と追放された薬務官——兵士が一人、死んだ
Lihito
ファンタジー
騎士団三百名の投薬記録を一人で管理し、六年間投薬事故ゼロを守り続けた薬務官フィオナ。
だが婚約者の副団長には「薬棚の番人」と蔑まれ、街の薬師に仕事を奪われる。
去って四ヶ月、曖昧な分量指示による過剰投与で兵士が命を落とし、飲み合わせの確認漏れで小隊長が倒れた。
鉱山の町で無免許の鉱山医ヨナスと出会い、互いの欠けた部分を補い合いながら人を治す日々の中、かつて彼女を追い出した男が現れる。
幼馴染の元カノを家族だと言うのなら、私は不要ですよね。
美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
実るはずのない初恋は、告白も出来ぬままに終わった。
私リュシカが恋をした相手は、十五歳年上の第一騎士団の団長。彼は亡くなった母の友人であり、母たちと同じ頃に結婚したものの、早くに奥さんを私の母と同じ流行病で亡くしてしまった。
それ以来独身の彼は、ただ亡くなった奥さんを思い生きてきた。そんな一途な姿に、いつしか私は惹かれていく。
しかし歳の差もあり、また友人の子である私を、彼が女性として認めることはなかった。
私は頑なに婚約者を作ることを拒否していたものの、父が縁談を持ってくる。結婚適齢期。その真っただ中にいた私は、もう断ることなど出来なかった。
お相手は私より一つ年上の男爵家の次男。元々爵位を継ぐ予定だった兄が急死してしまったため、婚約者を探していたのだという。
花嫁修業として結婚前から屋敷に入るように言われ赴くと、そこには彼の幼馴染だという平民の女性がいた。なぜか彼女を中心に回っている屋敷。
そのことを指摘すると彼女はなぜか私を、自分を虐げる存在だと言い始め――