『天空の六条院 —最上階の寵妃—』かんちがい男のざまぁ

『天空の六条院 —最上階の寵妃—』

かんちがい男のざまぁ

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最上階は、いちばん空に近いはずだった
だから君は、
いちばん愛に近いと思い込んでいた

鍵はいつも君が持っていて
ドアを開けるのも、閉めるのも
すべて君の意思だと信じていた

——でも

呼ばれていたのは
君の名前じゃない

“条件”だ

---

夜ごと鳴らしたインターホン
選んだつもりの足取り
並べた女たちの笑顔

そのどれもが
君を映す鏡じゃなくて

君を試す秤だったのに

---

高くすればするほど
見下ろせると思っていたね

でも本当は
遠ざけていただけだ

同じ目線も
同じ温度も

届かない場所へ

---

「特別だよ」

その言葉は
君にとっては魔法で
彼女たちにとっては
ただの合言葉だった

---

気づいたときには
もう誰もいない

ラウンジも
エレベーターも
夜景さえも

君を映さない

---

残ったのは
静かすぎる最上階と

選ばれなかった男、ひとり

---

それでも君は
ポケットの中の鍵を握りしめている

まだどこかに
開く扉があると信じて

---

ねえ

最後にひとつだけ
教えてあげる

---

選んでいたのは
君じゃない

選ばせてあげていたの

ずっと


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