『既読スルーのその先で、僕らは奇跡を同期する』

『既読スルーのその先で、僕らは奇跡を同期する』

画面の向こうで
君はいつも「オンライン」なのに
僕の言葉だけ、なぜか届かない

送信済みの青いマークが
心のどこかに刺さったまま
抜けないまま日付だけが進む

「また明日」って
たったそれだけの文字が
こんなにも重たくなるなんて
知らなかった

スクロールすれば
世界は全部、つながっているのに
君との距離だけが
どうしても更新されない

アルゴリズムは正しくて
通知は正確で
それでも
僕の気持ちだけが未読のまま

雨の音が
Wi-Fiよりも確かに届く夜
初めて気づく

声って、
こんなに遅いんだ

画面が消えた瞬間
君の輪郭だけが
やけに鮮明になる

何も送れない時間が
いちばん正直だった

もしもこの世界に
「いいね」じゃなくて
「わかる」があったなら

僕らはもっと早く
壊れていたかもしれないし
もっと早く
出会えていたかもしれない

既読スルーの向こう側で
僕はずっと待っていた

返信じゃなくて
沈黙の意味が
君に届く瞬間を

そして今
言葉にならなかったもの同士が
ようやく同じ場所に落ちる

同期する、という奇跡

それはきっと
好きだと言うよりも先にある
名前のない温度

君が見ていた画面の中に
僕がいたのなら

それでいい

それだけでいい


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