後宮夢典の司、記憶を操る者たち

「中華風の後宮ファンタジー」×「記憶を扱う特殊設定」×「ロックな服装の異質なヒロイン」という組み合わせが非常に魅力的な後宮物語。

この白蓮京(びゃくれんきょう)王朝の帝都では、外見や肩書よりも、“記憶に触れられるかどうか”が、人の価値を決めると言われている。

古街の一角、後宮の秘匿の宮(ひとくのみや)の奥。忘れ去られたように佇む一軒の書庫。

夢記(むき)の書庫。

そこは、人々の記憶を読み解き、書として封じ、管理する夢典の司(むてんのつかさ)と呼ばれる者たちによって代々守られてきた場所。

この職は古くから、国家や王朝の機密記録、あるいは王族個人の「心の遺言」を保存し、「偽りの記憶」や「消された過去」を暴く、帝直属の特別な役割を担ってきた。後宮の者でもごく限られた者しか知り得ない、秘密の場所である。

夢典の司(むてんのつかさ)の長となった記憶録士・結衣。

結衣は書の奥から華やかな陰謀が渦巻く後宮の表舞台へと駆り出される。

過去の秘密を暴き、現在に蔓延る陰謀を断つため、結衣は人々の心の深淵に挑む。
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