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本編
51話
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威嚇を解かれた獣人族、とくに狼人族のリーダーは僕に対する態度もヴァルと同等の扱いになっている。
正直に言ってしまえば、畏まって対応されると緊張するから止めてほしいんだけど・・・。
「先程は、私共の仲間が大変失礼なことをしました。申し訳御座いません・・・」
『ふん。我を気付かぬのは仕方ないとしても我が主に刃を向けたことに対しては簡単に謝罪は受け入れられぬ! 』
「えっと、ヴァル? 僕は、もう気にしてないから許してあげようよ。それに、僕達も不用意に近付いたのがいけなかったんだし 門番さんは忠実に守って行動した結果だったんだし、ね? 」
『アオイが許しても我の気が収まらぬのだ! アオイに刃を向けることは即ち、我に刃を向けたことと同義。長としての役割にいるのなら、若輩者に万が一の事態の為に伝えておくべきことなのだ!! 』
「神獣様の言うことは御尤もなことで御座います。頭を下げたくらいで許して頂こうとは思っておりません」
「ストーップ!ストップ!! 少し物騒な雰囲気出してるから口挟むけど、ヴァルは僕の言葉に耳を傾けてくれないの? 僕はもう気にしないって言った。この街に来ることもヴァルと話して決めたんだし、言い争いは一旦置いといて僕と一緒に街を散策しようよ。その為にチェリミに来たんでしょ!? それとも、僕と一緒に見て回るのは嫌なの・・・?」
この際、ウルウル目でお願いするのも羞恥もかなぐり捨ててヴァルの目をまっすぐ見つめる。
それを静かに見守っていた狼人族は、何故か頬を染め俯いていた。
あれ? 僕、何か変なことしたかなぁ??
『はぁ~、了解した。アオイを泣かすのは、我は望んでいない。次、同じことが起きれば死で償ってもらうぞ』
「慈悲深き配慮に感謝いたします」
「え? ここでは二度目の失敗で命で償うの?? そしたら、僕 何回命落としてるんだろう・・・」
『アオイは、まだこの土地に慣れておらぬのだから そこまで深く考えずともよいのだぞ』
「それは、依怙贔屓だよ」
「アオイ様、他に何か償う方法があるので御座いますのでしょうか? 」
「償うとかじゃなくて、一度や二度の失敗で命落としてたら 今存在してる狼人族は一人も生きていないと思うの。それなら、正しい情報を祖父母から父母へ、父母から子へと伝えていったら間違いは減ると思う。ヴァルは極端過ぎるけど、僕の困ることや嫌なことはしないし 落ち着いていれば耳を傾けてくれる。そうでしょ? ヴァル」
そう伝える僕にヴァルが抱き寄せ項垂れてしまった。
ただ、何で抱き寄せるのか不思議だけどね・・・。
正直に言ってしまえば、畏まって対応されると緊張するから止めてほしいんだけど・・・。
「先程は、私共の仲間が大変失礼なことをしました。申し訳御座いません・・・」
『ふん。我を気付かぬのは仕方ないとしても我が主に刃を向けたことに対しては簡単に謝罪は受け入れられぬ! 』
「えっと、ヴァル? 僕は、もう気にしてないから許してあげようよ。それに、僕達も不用意に近付いたのがいけなかったんだし 門番さんは忠実に守って行動した結果だったんだし、ね? 」
『アオイが許しても我の気が収まらぬのだ! アオイに刃を向けることは即ち、我に刃を向けたことと同義。長としての役割にいるのなら、若輩者に万が一の事態の為に伝えておくべきことなのだ!! 』
「神獣様の言うことは御尤もなことで御座います。頭を下げたくらいで許して頂こうとは思っておりません」
「ストーップ!ストップ!! 少し物騒な雰囲気出してるから口挟むけど、ヴァルは僕の言葉に耳を傾けてくれないの? 僕はもう気にしないって言った。この街に来ることもヴァルと話して決めたんだし、言い争いは一旦置いといて僕と一緒に街を散策しようよ。その為にチェリミに来たんでしょ!? それとも、僕と一緒に見て回るのは嫌なの・・・?」
この際、ウルウル目でお願いするのも羞恥もかなぐり捨ててヴァルの目をまっすぐ見つめる。
それを静かに見守っていた狼人族は、何故か頬を染め俯いていた。
あれ? 僕、何か変なことしたかなぁ??
『はぁ~、了解した。アオイを泣かすのは、我は望んでいない。次、同じことが起きれば死で償ってもらうぞ』
「慈悲深き配慮に感謝いたします」
「え? ここでは二度目の失敗で命で償うの?? そしたら、僕 何回命落としてるんだろう・・・」
『アオイは、まだこの土地に慣れておらぬのだから そこまで深く考えずともよいのだぞ』
「それは、依怙贔屓だよ」
「アオイ様、他に何か償う方法があるので御座いますのでしょうか? 」
「償うとかじゃなくて、一度や二度の失敗で命落としてたら 今存在してる狼人族は一人も生きていないと思うの。それなら、正しい情報を祖父母から父母へ、父母から子へと伝えていったら間違いは減ると思う。ヴァルは極端過ぎるけど、僕の困ることや嫌なことはしないし 落ち着いていれば耳を傾けてくれる。そうでしょ? ヴァル」
そう伝える僕にヴァルが抱き寄せ項垂れてしまった。
ただ、何で抱き寄せるのか不思議だけどね・・・。
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