好きだと言わずにいられない。

古城乃鸚哥

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壊れた音

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 期末試験の最終日、瑠璃と打ち合わせた奏一は、眞音を中庭の噴水前に呼び出すことにした。楽器の練習を少しして、17時にそこで落ち合おうと伝えた。だが、眞音がそこで落ち合うのは奏一ではなくて瑠璃の予定だ。

「誰かが呼んでるっていうニュアンスじゃなくて、あくまでも奏一が眞音を呼んだってふうにしておいてほしいの」
 
 瑠璃はしつこくそう言った。奏一としては、何だか騙しているような気になって落ち着かない、と言って何度か断ったが「前にも言ったよね、眞音が来ないっていうのだけはイヤなの」と食い下がられ根負けした形だ。
 眞音とはいつものように各々練習室で練習して、17時に中庭に集合という話をつけた。

「いいけど、なんでわざわざ中庭で待ち合わせるんだ?練習室前で待ってればいいだろ」

 不服そうな眞音に、少し用事があって、などと苦しい言い訳を返すしかなかった奏一だった。

 用事がある、と言った手前、奏一は約束の時間よりも早く練習を切り上げて帰り仕度をする。本当は気のすむまで楽器に触っていたかったが仕方がない。自分の借りていた部屋から出て、その向かい、小さなのぞき窓のある練習個室で集中している眞音を横目に、足早に下校した。

 途中、二人のことが気にかかっていた。

 眞音はおそらくきちんと待ち合わせ場所に行くだろう。
 その場に自分がいないことを、眞音はどう思っただろう。
 瑠璃は眞音になんと言うのだろう。
 そしてその後どうなるのだろうか。

 考えてもわかるはずのないことが、悶々と脳裏を駆け巡っていた。

 そしてその日の夜、連絡先を交換していた瑠璃から、協力への感謝と告白の結果が知らされた。眞音からは、何の音沙汰もなかった。
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