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引っ越し
イケオジ神官は、私の後見人となることが正式に決まると、今までのような大変な生活をさせておくわけにはいかないと言い出して、すぐに使いの人を寄越してきて、私は急遽引っ越しをさせられることになってしまった。
今までと変わらない生活を望んでいた私だったが、その勢いを止めることは出来ず、気がつくと、神殿の近くにある、イケオジ神官の邸に連れて来られていた。
邸に到着すると、すぐに使用人達を紹介され、私の部屋が用意されていた。
更に、どこかの商会がやって来て、私用の大量のドレスや靴などが運び込まれる。
後見人というよりも、家族のような扱いになっているように感じた。
そんな私は、あの賄いの美味しいレストランを退職させられ、今は孤児院の手伝いをしている。
「リーゼお姉ちゃん。ボタンが取れちゃった……。」
「分かった。すぐにつけてあげる!」
「リーゼお姉ちゃん、ジョーがおしっこをもらしちゃってるよ!」
「あらら、今行くから待ってて……」
「うわーん!イワンが意地悪したー!」
「喧嘩しないのー!」
孤児院の手伝いは、なかなかの激務で、あっという間に1日が過ぎ、夜は疲れてぐっすり寝れてしまうほどだった。
最近知ったことなのだが、イケオジ神官は神殿で上位の神官らしく、この国で上位の神官は、上位貴族と同等の権力があるらしい。
そんなイケオジ神官が私の後見人になったことで、私は身内のような扱いをされることになり、レストランで接客をして働くのは相応しくないと言われてしまった。
更には、オーナーさんからもやんわりと退職を勧められてしまい、私は失業してしまったのだ。
〝あの神官様がリーゼの後見人になるということは、リーゼは貴族令嬢と同じ扱いになる。
そんな人をレストランで働かせるなんて出来ないよ。
すまないな……。〟と言われてしまった。
大好きな職場を離れるのは悲しかったけど、オーナーさんのあの複雑そうな表情を見たら、それ以上は何も言えなかった。
今更だけど、イケオジ神官に嵌められたような気がする。
親切な人だとは思うけど、ちょっと腹黒なのかもしれない。
将来のために一生懸命働いて、お金を貯めておきたかったことを、私からイケオジ神官に話すのだが、お金の心配は要らないし、そんなに働きたいなら、神殿の敷地の中にある孤児院の手伝いでもしたらどうかと言われてしまった。
どうやらイケオジ神官は、私を外で働かせたくないらしい。
恐らくだが、孤児院なら貴族夫人や令嬢が慰問やお手伝いに行ったりするから、何も問題ないと判断したのだと思う。
邸に籠っているのはつまらないので、イケオジ神官の言う通りに、私は神殿の中にある孤児院でお手伝いをすることに決めたのであった。
イケオジ神官様の邸では、夕食は一緒に食べることになっていて、ちょっとした話をしながら食べる夕食の時間は、割と心地のいい時間になっていた。
「リーゼ。孤児院の手伝いに毎日行っているようだが、あまり無理をするな。
いつも疲れた顔で帰ってくるから心配しているんだ。」
「神官様。孤児院は人手不足なので、私が手伝いに行くと皆んなが喜んでくれるのですわ。
それに、何もしないで邸に籠っているのは、私には合わないようです。」
「リーゼ…。もう君は、私の身内と変わらないのだから、〝神官様〟ではなく、〝おじ様〟と呼びなさい。」
なんと……、イケオジ神官から〝おじ様〟と呼ぶことを許されたようだ。
「はい。それではおじ様と呼ばせて頂きますわ。」
「そうしてくれ。」
このおじ様がもし結婚していたら、きっといいパパになったのではないかと思う。
あの毒父とは比べられないくらいにいい人だもん。
何だか勿体無いと思ってしまったことは内緒だ。
そして翌日、私はまた孤児院に手伝いにきている。
「お姉ちゃん、今日はお姫様ごっこして遊んで欲しいの。」
「ふふっ……。じゃあ、女の子達でお姫様ごっこをしましょうか。」
「「うん。」」
小さな女の子達は、絵本に出てくるお姫様に憧れているようで、お姫様ごっこ遊びが大好きなようだ。
お姫様ごっこは、あの子も好きな遊びだったな……
え……?この記憶は何だろう?
でも、それ以上のことは何も思い出せなかった。
そんな私が女の子達と遊んでいると、孤児院の職員に呼ばれる。
「リーゼさん。今日はとても天気がいい日なので、急ぎで寝具を洗いたいのですが、手伝ってもらえないでしょうか?」
「はい。分かりました。
ちょっと、洗濯を手伝ってくるから皆んなで遊んで待っていてね。」
「「うん。」」
洗濯場に行くと、子供達の寝具が山積みになっている。洗濯機のないこの世界では、ここにある洗濯物の全てが手洗いだ。
人手不足の孤児院で洗濯や掃除、料理、そして子供達の面倒を見るのは、本当に大変なことだった。
「ハァー…。魔法で勝手に洗濯してくれたら楽なのに。
洗濯、それっ……なんてね。」
山積みの洗濯物を見て、ふとそんなことを口にしていた私だったが……
バシャ、バシャ……、ゴシゴシ……
洗濯物の寝具が勝手に動き出したと思ったら、洗濯桶の水の中に入って、洗濯板でゴシゴシされている。
「なっ……何で?ポルターガイストじゃないの!」
「ええー!これはリーゼさんの魔法ですか?」
私と職員さんが驚いて見ている前で、テキパキと洗濯はされていき、あっという間に終わってしまったのだ。
「リーゼさん、凄く綺麗に洗えてますよ!」
「ほ、本当ですね……。」
確かに、私達が手洗いで洗うよりも、綺麗に洗えていた。
この魔法は一体……?
帰ったら、おじ様に相談してみようか。
今までと変わらない生活を望んでいた私だったが、その勢いを止めることは出来ず、気がつくと、神殿の近くにある、イケオジ神官の邸に連れて来られていた。
邸に到着すると、すぐに使用人達を紹介され、私の部屋が用意されていた。
更に、どこかの商会がやって来て、私用の大量のドレスや靴などが運び込まれる。
後見人というよりも、家族のような扱いになっているように感じた。
そんな私は、あの賄いの美味しいレストランを退職させられ、今は孤児院の手伝いをしている。
「リーゼお姉ちゃん。ボタンが取れちゃった……。」
「分かった。すぐにつけてあげる!」
「リーゼお姉ちゃん、ジョーがおしっこをもらしちゃってるよ!」
「あらら、今行くから待ってて……」
「うわーん!イワンが意地悪したー!」
「喧嘩しないのー!」
孤児院の手伝いは、なかなかの激務で、あっという間に1日が過ぎ、夜は疲れてぐっすり寝れてしまうほどだった。
最近知ったことなのだが、イケオジ神官は神殿で上位の神官らしく、この国で上位の神官は、上位貴族と同等の権力があるらしい。
そんなイケオジ神官が私の後見人になったことで、私は身内のような扱いをされることになり、レストランで接客をして働くのは相応しくないと言われてしまった。
更には、オーナーさんからもやんわりと退職を勧められてしまい、私は失業してしまったのだ。
〝あの神官様がリーゼの後見人になるということは、リーゼは貴族令嬢と同じ扱いになる。
そんな人をレストランで働かせるなんて出来ないよ。
すまないな……。〟と言われてしまった。
大好きな職場を離れるのは悲しかったけど、オーナーさんのあの複雑そうな表情を見たら、それ以上は何も言えなかった。
今更だけど、イケオジ神官に嵌められたような気がする。
親切な人だとは思うけど、ちょっと腹黒なのかもしれない。
将来のために一生懸命働いて、お金を貯めておきたかったことを、私からイケオジ神官に話すのだが、お金の心配は要らないし、そんなに働きたいなら、神殿の敷地の中にある孤児院の手伝いでもしたらどうかと言われてしまった。
どうやらイケオジ神官は、私を外で働かせたくないらしい。
恐らくだが、孤児院なら貴族夫人や令嬢が慰問やお手伝いに行ったりするから、何も問題ないと判断したのだと思う。
邸に籠っているのはつまらないので、イケオジ神官の言う通りに、私は神殿の中にある孤児院でお手伝いをすることに決めたのであった。
イケオジ神官様の邸では、夕食は一緒に食べることになっていて、ちょっとした話をしながら食べる夕食の時間は、割と心地のいい時間になっていた。
「リーゼ。孤児院の手伝いに毎日行っているようだが、あまり無理をするな。
いつも疲れた顔で帰ってくるから心配しているんだ。」
「神官様。孤児院は人手不足なので、私が手伝いに行くと皆んなが喜んでくれるのですわ。
それに、何もしないで邸に籠っているのは、私には合わないようです。」
「リーゼ…。もう君は、私の身内と変わらないのだから、〝神官様〟ではなく、〝おじ様〟と呼びなさい。」
なんと……、イケオジ神官から〝おじ様〟と呼ぶことを許されたようだ。
「はい。それではおじ様と呼ばせて頂きますわ。」
「そうしてくれ。」
このおじ様がもし結婚していたら、きっといいパパになったのではないかと思う。
あの毒父とは比べられないくらいにいい人だもん。
何だか勿体無いと思ってしまったことは内緒だ。
そして翌日、私はまた孤児院に手伝いにきている。
「お姉ちゃん、今日はお姫様ごっこして遊んで欲しいの。」
「ふふっ……。じゃあ、女の子達でお姫様ごっこをしましょうか。」
「「うん。」」
小さな女の子達は、絵本に出てくるお姫様に憧れているようで、お姫様ごっこ遊びが大好きなようだ。
お姫様ごっこは、あの子も好きな遊びだったな……
え……?この記憶は何だろう?
でも、それ以上のことは何も思い出せなかった。
そんな私が女の子達と遊んでいると、孤児院の職員に呼ばれる。
「リーゼさん。今日はとても天気がいい日なので、急ぎで寝具を洗いたいのですが、手伝ってもらえないでしょうか?」
「はい。分かりました。
ちょっと、洗濯を手伝ってくるから皆んなで遊んで待っていてね。」
「「うん。」」
洗濯場に行くと、子供達の寝具が山積みになっている。洗濯機のないこの世界では、ここにある洗濯物の全てが手洗いだ。
人手不足の孤児院で洗濯や掃除、料理、そして子供達の面倒を見るのは、本当に大変なことだった。
「ハァー…。魔法で勝手に洗濯してくれたら楽なのに。
洗濯、それっ……なんてね。」
山積みの洗濯物を見て、ふとそんなことを口にしていた私だったが……
バシャ、バシャ……、ゴシゴシ……
洗濯物の寝具が勝手に動き出したと思ったら、洗濯桶の水の中に入って、洗濯板でゴシゴシされている。
「なっ……何で?ポルターガイストじゃないの!」
「ええー!これはリーゼさんの魔法ですか?」
私と職員さんが驚いて見ている前で、テキパキと洗濯はされていき、あっという間に終わってしまったのだ。
「リーゼさん、凄く綺麗に洗えてますよ!」
「ほ、本当ですね……。」
確かに、私達が手洗いで洗うよりも、綺麗に洗えていた。
この魔法は一体……?
帰ったら、おじ様に相談してみようか。
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