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家の仕事
私は早速、その日の夜に、おじ様に今日の孤児院での出来事を報告していた。
「孤児院で洗濯するのが大変で、魔法で勝手に洗濯してくれたら楽だと考えていたら、本当に魔法で洗濯が出来ただと……?」
「はい……。信じられないことなのですが、本当なのです。
孤児院の職員の方も驚いていました。
前におじ様は、人に触れると魔力が読めると言っていましたし、私が特殊な魔法が使えると話していたので、何か知っておられるかと思いまして。」
「あの時は、リーゼに一瞬触れて魔力を読んだだけだから、詳しくは分からなかったんだ。
もう一度、リーゼに触れてみてもいいか?」
「はい。よろしくお願いします。」
「分かった。……失礼するぞ。」
おじ様は、真顔になって私の手を握る。
数十秒後……
「リーゼは、やはり火と水の魔法が使えて、かなり強い魔力を持っているようだ。
それと……、家の仕事の魔法?初めて聞くな。
明日、一緒に神殿に行って、神殿の水晶を使ってもう一度調べてみるか?」
……そういえば、前に女将さんと旦那さんと一緒に魔力を調べに行った時、あの時の神官も〝カジ〟って言ってた。
すっかり忘れていたけど、あの時に聞いた〝カジ〟は、家の仕事を意味する家事のことに違いない。
「おじ様、思い出しました!
かなり前に魔力を調べた時、その時の神官様が、家事だと話していましたわ。
私の魔法は、家の仕事を意味する家事の魔法です。」
「……記憶が戻ったのか?」
「いえ、そのことだけを偶然思い出しました。」
「そうか。別に無理に思い出そうとしなくていい。
でも……、良かったな。リーゼの魔法は、孤児院で喜ばれるかもしれない。」
「はい。明日、孤児院でどれくらい役に立てるのか、色々と試してみようかと思います。」
翌日、私は孤児院で洗濯以外のことも魔法で出来るかを試してみることにした。
それで分かったのは、掃除、洗濯、料理、裁縫など、家事全般は魔法で道具を動かして出来るということ。
しかも、ベテラン主婦もびっくりなほどに仕事が早いのだ。
「すごーい!ほうきや雑巾が勝手に動いて掃除しているよ。」
「わぁ!窓の高いところも雑巾が拭いてくれるから、便利だね。」
孤児院の子供達は、魔法で動く掃除用具を見て大喜びだ。
でもここは孤児院。いずれ独り立ちする子供達に、日常生活で必要なことを教えなければならない場所でもある。
魔法で全てやってしまっては、子供達が覚える機会を奪ってしまうから、魔法は補助で使う程度にしておいた方が良さそうだ。
「皆んなで、雑巾掛けの競争をやるわよ。
魔法で動く雑巾と皆んなと、どっちが早いかな?」
「えっ?競争するの?」
「私、雑巾がけは早いわよ!」
一休さんの真似をして、雑巾がけの競争しながら、子供達と掃除をした私はグッタリだった。
洗濯や食事作りなどの手伝いを魔法でやるようにしたら、少しだけ時間に余裕が出来たので、子供達と一緒に遊んだり、読み書きを教えてあげる時間が増えたので良かったと思う。
私が孤児院の手伝いに慣れてきた頃、急に孤児院の職員に呼ばれる。
「リーゼさん、お客様が来ているわよ!
すごいカッコいい人だったわ。
もしかして、リーゼさんの恋人かしら?」
「カッコいいお客様……?」
「ええ。礼儀正しくて、素敵な方だったわよ。
早く行ってあげて。」
アラフォーマダムの職員さんは、ニコニコしている。
私にカッコいい恋人なんていないんだけど、誰が来たんだろう?
孤児院の玄関にいると言われて出て行くと、そこには、レストランで働いていた時にお世話になっていたグレイクがいたのであった。
そういえば、グレイクはマダムキラーだったな。
さっきの職員さんは、そんなグレイクに一瞬で落とされたのね。
ああ、恐ろしい男だわ……。
「グレイク、久しぶりね。」
「リーゼ、元気そうで良かった。
これ、オーナーからだ。」
グレイクは大きな紙袋二つを渡してくる。
中からはフワッといい匂いがしてきた。
「これは……、レストランの白パン?」
「オーナーが、リーゼに届けてやれと言って用意してくれたんだ。
沢山あるから、子供達や職員に食べさせてやれ。」
オーナーさんは、やっぱりいい人だった!
「嬉しい!ありがとう。このパン、大好きだったの。
オーナーさんに、私が喜んでいたって伝えてくれる?」
「ああ、伝えておくよ。
オーナーなりに、リーゼを心配していたから、元気そうだったと伝えておく。」
「ところでグレイク、今日は休みなの?」
「休みで暇そうだからと、こうやってお使いを頼まれて来たんだ。」
「じゃあ、お茶をだすから飲んでいかない?」
「じゃあ、少しだけ。悪いな。」
「いいのよ。きっと子供達は、カッコいいお兄さんが来てくれたって喜んでくれるはずだから、みんなに優しく話しかけてあげて。」
「……分かってるよ。」
「孤児院で洗濯するのが大変で、魔法で勝手に洗濯してくれたら楽だと考えていたら、本当に魔法で洗濯が出来ただと……?」
「はい……。信じられないことなのですが、本当なのです。
孤児院の職員の方も驚いていました。
前におじ様は、人に触れると魔力が読めると言っていましたし、私が特殊な魔法が使えると話していたので、何か知っておられるかと思いまして。」
「あの時は、リーゼに一瞬触れて魔力を読んだだけだから、詳しくは分からなかったんだ。
もう一度、リーゼに触れてみてもいいか?」
「はい。よろしくお願いします。」
「分かった。……失礼するぞ。」
おじ様は、真顔になって私の手を握る。
数十秒後……
「リーゼは、やはり火と水の魔法が使えて、かなり強い魔力を持っているようだ。
それと……、家の仕事の魔法?初めて聞くな。
明日、一緒に神殿に行って、神殿の水晶を使ってもう一度調べてみるか?」
……そういえば、前に女将さんと旦那さんと一緒に魔力を調べに行った時、あの時の神官も〝カジ〟って言ってた。
すっかり忘れていたけど、あの時に聞いた〝カジ〟は、家の仕事を意味する家事のことに違いない。
「おじ様、思い出しました!
かなり前に魔力を調べた時、その時の神官様が、家事だと話していましたわ。
私の魔法は、家の仕事を意味する家事の魔法です。」
「……記憶が戻ったのか?」
「いえ、そのことだけを偶然思い出しました。」
「そうか。別に無理に思い出そうとしなくていい。
でも……、良かったな。リーゼの魔法は、孤児院で喜ばれるかもしれない。」
「はい。明日、孤児院でどれくらい役に立てるのか、色々と試してみようかと思います。」
翌日、私は孤児院で洗濯以外のことも魔法で出来るかを試してみることにした。
それで分かったのは、掃除、洗濯、料理、裁縫など、家事全般は魔法で道具を動かして出来るということ。
しかも、ベテラン主婦もびっくりなほどに仕事が早いのだ。
「すごーい!ほうきや雑巾が勝手に動いて掃除しているよ。」
「わぁ!窓の高いところも雑巾が拭いてくれるから、便利だね。」
孤児院の子供達は、魔法で動く掃除用具を見て大喜びだ。
でもここは孤児院。いずれ独り立ちする子供達に、日常生活で必要なことを教えなければならない場所でもある。
魔法で全てやってしまっては、子供達が覚える機会を奪ってしまうから、魔法は補助で使う程度にしておいた方が良さそうだ。
「皆んなで、雑巾掛けの競争をやるわよ。
魔法で動く雑巾と皆んなと、どっちが早いかな?」
「えっ?競争するの?」
「私、雑巾がけは早いわよ!」
一休さんの真似をして、雑巾がけの競争しながら、子供達と掃除をした私はグッタリだった。
洗濯や食事作りなどの手伝いを魔法でやるようにしたら、少しだけ時間に余裕が出来たので、子供達と一緒に遊んだり、読み書きを教えてあげる時間が増えたので良かったと思う。
私が孤児院の手伝いに慣れてきた頃、急に孤児院の職員に呼ばれる。
「リーゼさん、お客様が来ているわよ!
すごいカッコいい人だったわ。
もしかして、リーゼさんの恋人かしら?」
「カッコいいお客様……?」
「ええ。礼儀正しくて、素敵な方だったわよ。
早く行ってあげて。」
アラフォーマダムの職員さんは、ニコニコしている。
私にカッコいい恋人なんていないんだけど、誰が来たんだろう?
孤児院の玄関にいると言われて出て行くと、そこには、レストランで働いていた時にお世話になっていたグレイクがいたのであった。
そういえば、グレイクはマダムキラーだったな。
さっきの職員さんは、そんなグレイクに一瞬で落とされたのね。
ああ、恐ろしい男だわ……。
「グレイク、久しぶりね。」
「リーゼ、元気そうで良かった。
これ、オーナーからだ。」
グレイクは大きな紙袋二つを渡してくる。
中からはフワッといい匂いがしてきた。
「これは……、レストランの白パン?」
「オーナーが、リーゼに届けてやれと言って用意してくれたんだ。
沢山あるから、子供達や職員に食べさせてやれ。」
オーナーさんは、やっぱりいい人だった!
「嬉しい!ありがとう。このパン、大好きだったの。
オーナーさんに、私が喜んでいたって伝えてくれる?」
「ああ、伝えておくよ。
オーナーなりに、リーゼを心配していたから、元気そうだったと伝えておく。」
「ところでグレイク、今日は休みなの?」
「休みで暇そうだからと、こうやってお使いを頼まれて来たんだ。」
「じゃあ、お茶をだすから飲んでいかない?」
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「……分かってるよ。」
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