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連載
コロッケ
コロッケの材料を用意してもらった私は、早速、家事魔法で料理を始める。
以前から、魔法で掃除や洗濯をやる姿を見せていたので、みんな驚くことはなかったが、包丁や食材が勝手に動き出す様子を見るのは面白いようで、みんなその場に釘付けになって見ていた。
「コロッケは、原価は安く済みそうだからいいな。」
「はい。コロッケは安くてボリュームがあるので、庶民が大好きな料理なのです。」
院長先生と話をしていると、ジューっとコロッケを揚げる音が聞こえてくる。
「いい匂いがしてきたね。」
「うん!」
子供達も、出来上がりを楽しみにしているようだ。
出来上がったコロッケをすぐに皆んなに配る。
「熱いからフーフーして、気を付けて食べるのよ。
はい。どうぞ。」
「美味しそう!」
「初めて見る食べ物だね。」
院長先生の反応は早かった。
「リーゼ嬢。これをバザーで作って売ろう。
当日は、この調理場を使って調理して、外に運んで売ればいい。
美味しいからきっと売れるはずだし、これなら外で立ったまま食べられるから、祭りにピッタリだ。」
「ありがとうございます。」
「君に声を掛けて良かったよ。」
コロッケは、院長先生だけでなく、他の孤児院の職員や子供達にも大好評だった。
さすがコロッケ、庶民の味方だよ!
院長先生は、すぐにコロッケの材料を手配してくれることになった。
そして毎日、夜なべをして刺繍を頑張った甲斐があって、バザーの一週間前には沢山の刺繍のハンカチが出来上がっていた。
最近、忙しくて疲れていたから、今日から早く帰るようにして、夜はのんびり過ごそうか。
孤児院からおじ様の邸までは徒歩の距離なので、朝はおじ様と同じ馬車で行くようにして、帰りはおじ様よりも早く終わる私は、先に徒歩で帰るようにしている。
おじ様は帰りも迎えの馬車の手配をしようとしてくれたが、人が多い道しか歩かないし、治安もいいので、何の問題ないと判断した私は、一人で歩いて帰ることにしたのだ。
実は、一人で街を歩いて帰るその時間が、自分の自由時間になっていて、気分転換のような感じになっている。
その日も、孤児院の手伝いを終え、歩いて帰る時だった。
孤児院を出てすぐに声を掛けられる。
「リーゼ……!」
私を見て嬉しそうにやって来たのは、ストークス様だった。
「ストークス様、ご機嫌よう。」
「リーゼ、今日は仕事が早く終わったから待っていたんだ。
帰りは一人で歩いて帰っていると聞いた。家まで送らせて欲しい。」
家まで送るというこの言葉は、好きな人だったら嬉しいのだろうけど、微妙な友人関係である異性の人に言われると、正直困るんだよね。
しかもこの聖騎士様は、侯爵家の人で令嬢に人気のあると聞いたし、必要以上に仲良くすると、トラブルに巻き込まれそうだよ。
「ストークス様。私達は友人になりましたが、二人で歩いているところを誰かに見られたら、勘違いをする人が出てきてしまって、嫌な噂話が立ってしまうかもしれません。
ストークス様のご迷惑になってしまいますので、家に送って頂くことは、遠慮させて頂きますわ。
わざわざ待って頂いたのに、大変申し訳ありません。」
私はハッキリと断ったつもりだったが……
「噂話?リーゼと噂になれるなら大歓迎だ。
リーゼのことは、両親にも話をしているし、何の問題もない。
そのことで何か言ってくる者がいたら、うちの力を使って潰すから大丈夫だ。」
「……え?」
この人、ここまで言う人だった?
「ふっ!リーゼ…、そんなに驚かないでくれ。
今までは、リーゼがレストランの仕事を失ってしまったら悪いからと、強引に誘うことはしなかったが、今は何の問題もないのだから、私は君を堂々と口説くことにしたよ。
リーゼみたいな子には、もっと積極的にならないとダメだと思ったんだ。」
綺麗な顔立ちをした、優しい雰囲気の爽やか系イケメン騎士だと思っていたのだけど、本性はこんな人だったの?
やっぱり騎士って仕事をしている人は肉食……?
そういえば、グレイクが言っていたっけ。
〝騎士は手が早い奴が多いから気をつけろよ!〟って……。
グレイク…、私は気をつけるからね。
「私は一人で帰りたいと思っています。」
「今日は私が君を送ることを許して欲しいのだ。
早く仕事が終わる日は滅多にないんだ。
……頼む!」
頼むと言いながら、私の手を取って、スッと私の目の前で跪くストークス様。
ひっ……!
色々な人が歩いている所で、跪いてお願いなんてしたら、目立ちまくりじゃないの。
ああ…、行き交う人の視線が痛い。
「ストークス様、立ってください!
私なんかに跪かないで下さいませ。」
「リーゼが許してくれるまでは跪いてお願いするよ。」
「わ、分かりました。今日だけ特別ですよ!」
負けた……
「リーゼ!ありがとう。」
何この人……?
綺麗な顔で、嬉しそうに微笑んでいるけど、この人も腹黒っぽく見えるのは気のせいではないよね?
以前から、魔法で掃除や洗濯をやる姿を見せていたので、みんな驚くことはなかったが、包丁や食材が勝手に動き出す様子を見るのは面白いようで、みんなその場に釘付けになって見ていた。
「コロッケは、原価は安く済みそうだからいいな。」
「はい。コロッケは安くてボリュームがあるので、庶民が大好きな料理なのです。」
院長先生と話をしていると、ジューっとコロッケを揚げる音が聞こえてくる。
「いい匂いがしてきたね。」
「うん!」
子供達も、出来上がりを楽しみにしているようだ。
出来上がったコロッケをすぐに皆んなに配る。
「熱いからフーフーして、気を付けて食べるのよ。
はい。どうぞ。」
「美味しそう!」
「初めて見る食べ物だね。」
院長先生の反応は早かった。
「リーゼ嬢。これをバザーで作って売ろう。
当日は、この調理場を使って調理して、外に運んで売ればいい。
美味しいからきっと売れるはずだし、これなら外で立ったまま食べられるから、祭りにピッタリだ。」
「ありがとうございます。」
「君に声を掛けて良かったよ。」
コロッケは、院長先生だけでなく、他の孤児院の職員や子供達にも大好評だった。
さすがコロッケ、庶民の味方だよ!
院長先生は、すぐにコロッケの材料を手配してくれることになった。
そして毎日、夜なべをして刺繍を頑張った甲斐があって、バザーの一週間前には沢山の刺繍のハンカチが出来上がっていた。
最近、忙しくて疲れていたから、今日から早く帰るようにして、夜はのんびり過ごそうか。
孤児院からおじ様の邸までは徒歩の距離なので、朝はおじ様と同じ馬車で行くようにして、帰りはおじ様よりも早く終わる私は、先に徒歩で帰るようにしている。
おじ様は帰りも迎えの馬車の手配をしようとしてくれたが、人が多い道しか歩かないし、治安もいいので、何の問題ないと判断した私は、一人で歩いて帰ることにしたのだ。
実は、一人で街を歩いて帰るその時間が、自分の自由時間になっていて、気分転換のような感じになっている。
その日も、孤児院の手伝いを終え、歩いて帰る時だった。
孤児院を出てすぐに声を掛けられる。
「リーゼ……!」
私を見て嬉しそうにやって来たのは、ストークス様だった。
「ストークス様、ご機嫌よう。」
「リーゼ、今日は仕事が早く終わったから待っていたんだ。
帰りは一人で歩いて帰っていると聞いた。家まで送らせて欲しい。」
家まで送るというこの言葉は、好きな人だったら嬉しいのだろうけど、微妙な友人関係である異性の人に言われると、正直困るんだよね。
しかもこの聖騎士様は、侯爵家の人で令嬢に人気のあると聞いたし、必要以上に仲良くすると、トラブルに巻き込まれそうだよ。
「ストークス様。私達は友人になりましたが、二人で歩いているところを誰かに見られたら、勘違いをする人が出てきてしまって、嫌な噂話が立ってしまうかもしれません。
ストークス様のご迷惑になってしまいますので、家に送って頂くことは、遠慮させて頂きますわ。
わざわざ待って頂いたのに、大変申し訳ありません。」
私はハッキリと断ったつもりだったが……
「噂話?リーゼと噂になれるなら大歓迎だ。
リーゼのことは、両親にも話をしているし、何の問題もない。
そのことで何か言ってくる者がいたら、うちの力を使って潰すから大丈夫だ。」
「……え?」
この人、ここまで言う人だった?
「ふっ!リーゼ…、そんなに驚かないでくれ。
今までは、リーゼがレストランの仕事を失ってしまったら悪いからと、強引に誘うことはしなかったが、今は何の問題もないのだから、私は君を堂々と口説くことにしたよ。
リーゼみたいな子には、もっと積極的にならないとダメだと思ったんだ。」
綺麗な顔立ちをした、優しい雰囲気の爽やか系イケメン騎士だと思っていたのだけど、本性はこんな人だったの?
やっぱり騎士って仕事をしている人は肉食……?
そういえば、グレイクが言っていたっけ。
〝騎士は手が早い奴が多いから気をつけろよ!〟って……。
グレイク…、私は気をつけるからね。
「私は一人で帰りたいと思っています。」
「今日は私が君を送ることを許して欲しいのだ。
早く仕事が終わる日は滅多にないんだ。
……頼む!」
頼むと言いながら、私の手を取って、スッと私の目の前で跪くストークス様。
ひっ……!
色々な人が歩いている所で、跪いてお願いなんてしたら、目立ちまくりじゃないの。
ああ…、行き交う人の視線が痛い。
「ストークス様、立ってください!
私なんかに跪かないで下さいませ。」
「リーゼが許してくれるまでは跪いてお願いするよ。」
「わ、分かりました。今日だけ特別ですよ!」
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「リーゼ!ありがとう。」
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