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第4章 ここから始まる勇者様?
三十五日目① 薬師ギルドからのお願い
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昨日は久々のプリンを食べてテンションが爆上がりしてしまい、上手く寝付けなかった。
って俺は子供かよ⁈
まだ寝ぼけた頭をゆっくりと回転させてからストレッチをして体をほぐす。
うまく寝れなくて身体が固まってしまったらしい。
ボキボキと全身の関節が悲鳴を上げてしまった。
運動不足ってわけじゃないんだろうけど……
まあ、大分ほぐれたから良しとしようかな。
着替えを終えてリビングに降りると、みんなすでに起きていて、朝食の準備を始めていた。
「おはようみんな。」
「カイトおはよ~。お寝坊さんですねぇ~。」
デイジーは朝から元気だな。
俺をからかう余裕すらあるんだから。
ポールは若干眠そうで、ソファーでくつろぎつつ、船をこいでいた。
「おはようカイト。カイトが身支度してきたら朝食にしましょう。」
エルダからの指示があったので、俺は洗面台に向かい身支度を始めた。
鏡を前にして初めて気付いたんだけど、寝ぐせが半端なかった。
そりゃ、身支度して来いって言われるよね。
通りでエルダがクスクスと笑いをこらえていたわけだ。
身支度が終わりダイニングに向かうと、ポールも覚醒していたようで、朝食の準備を手伝っていた。
「カイトおはよう。なんだか寝不足気味だな?」
「ちょっと、昨日はテンションを上げ過ぎたらしい。」
そう言うと、みんなにクスクスと笑われてしまった。
仕方ないじゃないか、嬉しかったんだから。
席に着くと目の前にはおいしそうな朝食が並んでいた。
「いただきます……うん、いつもながらうまい!!さすがエルダさんだ。」
「褒めても何も出ないわよ?でもありがとうカイト。」
今日の朝食は厚切りベーコンに目玉焼き、パンとスープだった。
さすがエルダ、ものすごくうまかった。
「えぇ~、エルダだけ褒めるのずるくない?」
「デイジーもうまくなったな。」
どうやら今日もデイジーが手伝っていたようだ。
デイジーは料理を覚えたいらしく、エルダからいろいろ教えてもらってるらしい。
俺の言葉に不機嫌なったデイジーをフォローするように、ポールが上達をほめていた。
褒められたデイジーはと言うと……
うん、ある意味花嫁修業?
俺が変なことを考えているのが分かったのか、デイジーに睨まれてしまった。
本当、なんでみんなわかるんだ?
朝食を終えた俺たちは、今日の行動について確認した。
本日は休養日に当てる予定だったので、俺はギルド回りをするつもりだった。
最初に冒険者ギルドへいって、昨日作製した収納箱(簡易)を納品。
報酬を受け取ったら、その足で木工ギルドへ行って増改築の相談。
余裕があれば魔道具ギルドで魔導キッチンの下見。
とりあえず、こんなところだろうか。
それをみんなに話すと、エルダとデイジーも魔道具ギルドに行きたいと言い出した。
理由は自分も使う場所だからだそうだ。
確かにそれもそうだと納得できる。
なので、俺たちはみんなで行動を一緒にすることにした。
ギルドに着くと、足早にキャサリンさんの元に向かった。
今日は回るところがいっぱいだから、あまりゆっくりもしてられないからね。
「おはようございます、キャサリンさん。」
「おはよう、カイト君。今日はどういったようなのかしら?」
あれ?なんだか若干のトゲを感じる。
きっと気のせいだろう。
「この前受けた依頼の収納箱(簡易)を納品にきました。」
「え?二日前に受けたばかりよね?」
「はい、これは木材さえあれば作れますからね。」
「そ、そう。それで、装飾品が無いのね。わかったわ。確認の為に裏で出してもらえるかしら。」
今回もまたキャサリンさんに連れられて、裏手の倉庫へ移動した。
「じゃあ、この辺に出してもらえるかしら。」
案内されたのは倉庫の一角だった。
ここだったら全部出しても問題なさそうだ。
制作した収納箱(簡易)をすべて出すと、またも呆れられてしまった。
「これ全部作ったの?」
「はい、特に時間がかかるものではないですからね。」
「わかったわ。確認させて頂戴ね。ガレオン?!ガレオン!!」
キャサリンさんは主任のガレオンさんを呼ぶと、他のスタッフも追加して検品を始めた。
検品は20分もかからずに終わり、問題はなかったそうだ。
「じゃあカイト君、報酬は予定通り金貨2000枚よ。個人口座で良いかしら?」
「はい、それでお願いします。」
「わかったわ。」
俺は手続きを終えると、ギルドを後にしようとした。
するとキャサリンさんに待ってほしいと声をかけられた。
「そうだ、薬師ギルドからも依頼が入っているわ。内容を確認してもらってもいいかしら?」
薬師ギルドか。
きっと簡易薬物作業台の件かな?
材料も足りないしどうしようか?
「わかりました。依頼内容を教えてもらえますか?」
キャサリンさんは薬師ギルドからの依頼を説明してくれた。
指名依頼:簡易薬物作業台および精製水蒸留装置の制作および納品。金貨440枚
うん、これまた破格な金額がきたな。
ただ、収納箱(簡易)の報酬よりは安いかな。
「数量は各20基。納品期限は5日後まで。大丈夫?」
それ自体は問題ないんだけどなぁ。
本格的に工場にでもするつもりなんだろうか……
「もしかした、報酬額が問題?それなら大丈夫よ。毎月特許料として売り上げの5%がカイト君に支払われるから。」
「え?」
いやいや、それだけ言われても良く分からないよ。
だって売り上げっていくらになるのよ?
「わ、わかりました。それでお願いします。」
とりあえずわかった体で話を進めて、製作用の材料をそろえることにした。
明日からはダンジョンに行かないといけないかなぁ~。
って俺は子供かよ⁈
まだ寝ぼけた頭をゆっくりと回転させてからストレッチをして体をほぐす。
うまく寝れなくて身体が固まってしまったらしい。
ボキボキと全身の関節が悲鳴を上げてしまった。
運動不足ってわけじゃないんだろうけど……
まあ、大分ほぐれたから良しとしようかな。
着替えを終えてリビングに降りると、みんなすでに起きていて、朝食の準備を始めていた。
「おはようみんな。」
「カイトおはよ~。お寝坊さんですねぇ~。」
デイジーは朝から元気だな。
俺をからかう余裕すらあるんだから。
ポールは若干眠そうで、ソファーでくつろぎつつ、船をこいでいた。
「おはようカイト。カイトが身支度してきたら朝食にしましょう。」
エルダからの指示があったので、俺は洗面台に向かい身支度を始めた。
鏡を前にして初めて気付いたんだけど、寝ぐせが半端なかった。
そりゃ、身支度して来いって言われるよね。
通りでエルダがクスクスと笑いをこらえていたわけだ。
身支度が終わりダイニングに向かうと、ポールも覚醒していたようで、朝食の準備を手伝っていた。
「カイトおはよう。なんだか寝不足気味だな?」
「ちょっと、昨日はテンションを上げ過ぎたらしい。」
そう言うと、みんなにクスクスと笑われてしまった。
仕方ないじゃないか、嬉しかったんだから。
席に着くと目の前にはおいしそうな朝食が並んでいた。
「いただきます……うん、いつもながらうまい!!さすがエルダさんだ。」
「褒めても何も出ないわよ?でもありがとうカイト。」
今日の朝食は厚切りベーコンに目玉焼き、パンとスープだった。
さすがエルダ、ものすごくうまかった。
「えぇ~、エルダだけ褒めるのずるくない?」
「デイジーもうまくなったな。」
どうやら今日もデイジーが手伝っていたようだ。
デイジーは料理を覚えたいらしく、エルダからいろいろ教えてもらってるらしい。
俺の言葉に不機嫌なったデイジーをフォローするように、ポールが上達をほめていた。
褒められたデイジーはと言うと……
うん、ある意味花嫁修業?
俺が変なことを考えているのが分かったのか、デイジーに睨まれてしまった。
本当、なんでみんなわかるんだ?
朝食を終えた俺たちは、今日の行動について確認した。
本日は休養日に当てる予定だったので、俺はギルド回りをするつもりだった。
最初に冒険者ギルドへいって、昨日作製した収納箱(簡易)を納品。
報酬を受け取ったら、その足で木工ギルドへ行って増改築の相談。
余裕があれば魔道具ギルドで魔導キッチンの下見。
とりあえず、こんなところだろうか。
それをみんなに話すと、エルダとデイジーも魔道具ギルドに行きたいと言い出した。
理由は自分も使う場所だからだそうだ。
確かにそれもそうだと納得できる。
なので、俺たちはみんなで行動を一緒にすることにした。
ギルドに着くと、足早にキャサリンさんの元に向かった。
今日は回るところがいっぱいだから、あまりゆっくりもしてられないからね。
「おはようございます、キャサリンさん。」
「おはよう、カイト君。今日はどういったようなのかしら?」
あれ?なんだか若干のトゲを感じる。
きっと気のせいだろう。
「この前受けた依頼の収納箱(簡易)を納品にきました。」
「え?二日前に受けたばかりよね?」
「はい、これは木材さえあれば作れますからね。」
「そ、そう。それで、装飾品が無いのね。わかったわ。確認の為に裏で出してもらえるかしら。」
今回もまたキャサリンさんに連れられて、裏手の倉庫へ移動した。
「じゃあ、この辺に出してもらえるかしら。」
案内されたのは倉庫の一角だった。
ここだったら全部出しても問題なさそうだ。
制作した収納箱(簡易)をすべて出すと、またも呆れられてしまった。
「これ全部作ったの?」
「はい、特に時間がかかるものではないですからね。」
「わかったわ。確認させて頂戴ね。ガレオン?!ガレオン!!」
キャサリンさんは主任のガレオンさんを呼ぶと、他のスタッフも追加して検品を始めた。
検品は20分もかからずに終わり、問題はなかったそうだ。
「じゃあカイト君、報酬は予定通り金貨2000枚よ。個人口座で良いかしら?」
「はい、それでお願いします。」
「わかったわ。」
俺は手続きを終えると、ギルドを後にしようとした。
するとキャサリンさんに待ってほしいと声をかけられた。
「そうだ、薬師ギルドからも依頼が入っているわ。内容を確認してもらってもいいかしら?」
薬師ギルドか。
きっと簡易薬物作業台の件かな?
材料も足りないしどうしようか?
「わかりました。依頼内容を教えてもらえますか?」
キャサリンさんは薬師ギルドからの依頼を説明してくれた。
指名依頼:簡易薬物作業台および精製水蒸留装置の制作および納品。金貨440枚
うん、これまた破格な金額がきたな。
ただ、収納箱(簡易)の報酬よりは安いかな。
「数量は各20基。納品期限は5日後まで。大丈夫?」
それ自体は問題ないんだけどなぁ。
本格的に工場にでもするつもりなんだろうか……
「もしかした、報酬額が問題?それなら大丈夫よ。毎月特許料として売り上げの5%がカイト君に支払われるから。」
「え?」
いやいや、それだけ言われても良く分からないよ。
だって売り上げっていくらになるのよ?
「わ、わかりました。それでお願いします。」
とりあえずわかった体で話を進めて、製作用の材料をそろえることにした。
明日からはダンジョンに行かないといけないかなぁ~。
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