離縁の後に私の幸せはありました
名門アウレリア伯爵家に嫁いだイディリアは、
夫コルヴィンとその母オディリアから「地味で無能」と蔑まれ、過酷な家政と領地運営の裏仕事を押し付けられながら冷遇されていた。
コルヴィンが我儘な男爵令嬢ファビエンヌを屋敷に迎え入れ、公然と侮辱した日、イディリアは耐え忍ぶことをやめ、入念に準備していた離縁状を叩きつけて自ら家を出る。
自由を得たイディリアは、旧知の老職人ペルシウスを頼り、自身の類まれな刺繍と調香の技術を生かして新たな生活を始める。
その才能と誠実な人柄に早くから気づいていた質実剛健な辺境伯タリクソンと再会し、彼の領地で家令ロドヴィコら温かな人々に囲まれながら、初めて人として尊ばれる喜びを知る。
一方、イディリアを失った伯爵邸は、ファビエンヌの浪費とずさんな管理により瞬く間に破綻。コルヴィンは己の非を認めず、イディリアに復縁を迫ろうとする。
しかし、王室から讃えられていた伯爵家の「至高の織物と香油」が、実はすべてイディリア個人の手によるものだったという衝撃の真実が白日の下に晒され、元夫一家の偽りの栄光は完全に崩壊していく。
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