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1章

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私達は曲にのって踊りだした。
運動神経はいいがこういうのは得意ではない。
「凄い嫌そうな顔ですね」
からかい混じりにそんなことをいってくる。
「こういうのは得意でないの。
で?さっきの答えは?」
さも忘れていたような顔をして
「あぁ、そうでした。
でも、本当はもうわかっているでしょう。」
胡散臭い笑みをむけてくる。
だいたい予想はついている、しかし
「もし、私が違っていてあなたがそれをいいように利用して偽の情報を渡すかもしれないじゃない。
まぁ、強いていうなら監視してたんでしょ。」
「確かに偽情報流すでしょうね」
本当にムカつく性格をしてる‥ 
「さっさと答えなさい。足踏むわよ。」
「地味に嫌な脅しですね。
じゃあ、答えましょう。
これは王太子の婚約者と側近候補決めというのはご存知ですね。
実はこれ側近候補の方はもうきまっているんですよ。さっきチラッとその方達をみてたので大方予想はついてると思いますが、スパティフラム家のシオン殿、ローダンゼ家のライラック殿ですね。」
「そんなこと私に言っていいのかしら?」
「えぇ、かまいません。
あなたもわかっているでしょう。
自分が王太子の婚約者候補筆頭であると。数少ない公爵家で未婚で殿下と年齢が近いのはあなただけですから。私達側近は初仕事として婚約者候補達の動向をみていたのです。大体はもう調べていたので少数に絞ってですが‥一人で2人みるところをあなただけは特別に1対1の監視ということになっています。」
「最悪な特別ね。
というか、公爵家の子供は私一人よ。
婿養子をとって家を継ぐとはおもわないの?」
「まぁ、そんなこと言わないでくださいよ。それに後継ぎなら近いうちにお産まれになるでしょう?」
今私の母は妊娠している、しかし外部の者には言ってなかったはずだ。
使用人の誰かか、魔法か何かつかって調べたのだろう。
私は悟られないよう
「なんのことかしら?」
こういう時は知らぬふりを突き通すに限る。
「ふふ、よく言いますね
あと、私も質問しても?」
大体質問の内容はわかるが‥
「質問によるわ」
「なぜあなたは私が挨拶の際、私がいないことにも、監視されていることにも気づいていたのですか?」
笑っているが目は笑っていなかった。
会話的に幼い子供が話している内容ではないが彼は私と同じ10歳、しかし私はそこに前世の記憶がある。だから彼が気づくのは難しいだろう。
答えは簡単だ、私が会場にいる間彼らを魔法をつかって彼らに気づかれないよう監視をしていたから、しかしこれを言ってしまえば10歳の貴族令嬢がなぜそんなことが出来るんだと思われる。
冒険者をしてるのがバレたら王太子の婚約者にならずに済むかもしれないが家に悪評が立つかもしれない。それだけは避けなければ‥
「それは女の秘密ですわ。
しかし、私は王家に忠誠を誓っています。王家に不利になることは致しませんわ。(自分達に危機がなければだけれど)」
王家への反逆の意志はないことは伝える
今後のために危険だと警戒されたくないし‥
「そうですか。では深い追求はやめましょう。それに忠誠心が高いあなた方スターチス家が反逆なんて誰も思いませんよ。」
「なら良かったです。
では、音楽も終わりますし失礼しますね。後、王太子に婚約者候補は事態しますとお伝えください。」
「なぜ?」
「私恋愛結婚が希望なんですよ。
もう権力はこれ以上いらないので
別に政略結婚する必要ありませんし。
では、失礼します。」 
私はアイビーが何か言おうとしているのを無視して、これ以上厄介事に巻き込まれないよう体調が悪くなったふりをして屋敷に帰った。
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