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第一章:アナザーニューワールド

34 地獄の特訓

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【24:00】


 果てしなく続く草原。
 そこにいる俺は、肩で息をしながら両手を膝につけ、息をあげていた。


「はぁはぁ……まじきつい。教官休ませて下さい!」

「OKニャ。やれることは全部やったニャ。残り1日は休憩ニャ。万全の体制で戻るニャ。」

「ふぃ~しんどかった。やっと終わったかぁ、鬼教官め……。」


 俺がアズと特訓を始めて間もなく1年が経過しようとしていた。
 何でも創造できるアズは、

  トレーニング器具
  仮想敵

から始まり、

  食事や飲み物
  娯楽品等

を創造していった。

 特訓は
 
  基礎訓練
  実践訓練

に分けて行われ、基礎訓練は

  身体訓練(ここでは精神体だが)
  能力訓練

の2種類であり、実践訓練はアズが創造した対戦相手(単体又は複数)との戦闘訓練であった。
 
 身体訓練は、体が能力に馴染むように

  ダッシュ
  ランニング
  筋力トレーニング

を中心に毎日行い、能力トレーニングは

  創造
  重力操作
  地形変化

をひたすら行うといったもの。

 身体訓練を毎日みっちりと1年間行った結果、俺の身体能力自体は当初の3倍から5倍まで伸びている。 
 今なら、この世界の他の種族にも負けないだけ力があった。

 能力トレーニングは精神的負担が大きく、かなり疲労したものであったが、使い続けることで能力行使の効率は格段に上がり、今では呼吸をするように能力を行使できるようになる。
 
 戦闘訓練では、最初は技の開発から始まるが、剣を使った技等は全く出来なかった。
 どうやら、俺に武器は使えないらしい。
 そして、結局はバスケットボールを使って戦うという摩訶不思議な戦闘技術を身につけることになる。
 
 だが、これが案外悪くない。
 むしろ、凄く強かった。
 そして、バスケの技術を応用した必殺技もいくつか編み出した。

 最後に、実践訓練だが、それは今まで俺が出会ってきた巨大蜘蛛やパンダやシロクマとの戦闘を

   対モンスター戦

とし、人型の剣士や銃器をもった人と戦う

   対人戦

と分けて行う。
 
 集団戦や一対一の戦いにも大分慣れた。
 当然、ブライアンも創造できるため、奴とも散々戦った。
 あいつが一番強敵だったわ……。
 特に乗馬はな……。

 こうして俺は、どうにかこの世界でただ食われるだけの存在から抜け出したのである。
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