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公爵令嬢
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「あら、あなたがあの国の……!わたくし、アレク殿下と親しくさせて頂いておりますシスティーナ・ミズリー、ミリオニア国筆頭公爵家の長女ですわ」
勝ち誇った態度、アレク様に向けられる熱のこもった視線ーー。どれをとっても分かりやすい令嬢だった。
「ミズリー公爵令嬢、この度はお目にかかれて光栄です」
あなたはアレク殿下に相応しくない圧が物凄いが、一方のアレク様はとても不機嫌そうにされていた。
「システィーナ嬢、我々は別の場所に……」
アレク様は一刻も早くこの場から立ち去りたいのだろう。私の腕を掴み、もと来た方向に向かおうとしていた。
「アレク殿下!何をおっしゃいますの?隣国からわざわざいらした殿下の大切な客人ですもの。殿下の客人は、わたくしの客人。忙しい殿下に代わりまして、この後はわたくしがエスコートさせて頂きますわ」
その後、アレク様とシスティーナ嬢との攻防が始まり、何と三人で王宮を見て回ることになった。
(……ああ、気まずい……。アレク様のことが好きな令嬢となんて。はぁ……)
アレク様は私の手を取ると、足早に歩き始めた。
「ーーアレク殿下!お待ちになって!」
「……リリー、すまない。後で説明させてくれ」
アレク様が耳元で囁く。
(どうみてもこの令嬢の片想いよね……)
ぐいぐい来るタイプの高位貴族の令嬢は扱いが難しそうだ。
「……アレク様、お察しします」
とだけ告げると、安堵の表情を浮かべた。
その後は、この令嬢からいかにアレク様が素晴らしいか、いかにシスティーナ嬢とアレク様が親しいのかを延々と聞かされ、王宮のどこを見ていたのかの記憶もないくらいだった。
ようやく解放され、宿泊予定の部屋に戻るとどっと疲れが出てしまった。
(……どの国でも公爵令嬢はキャラが濃いの?)
新作のネタにさせてもらおう……。
この話を聞き付けたのか、カエラが心配そうに部屋を訪れた。
「……先ほど、殿下から王妃様へも報告がありまして……。大変失礼致しました。お疲れのところ大変申し訳ありませんが、晩餐のためのお召しかえをさせて頂きます」
晩餐にまで参加すると息巻いていた公爵令嬢……。王妃様に掛け合うって……。
王妃様も御愁傷様です。
「…あの令嬢は、王妃様のところにも?」
「……先ほど、晩餐の件でいらっしゃいましたが、王妃がやんわりと拒否されました」
(……そりゃあ、拒否されるわよね……)
アレク様のこの公爵令嬢に対する態度はそれはもう……塩対応?通り越して、氷対応?だったし。
幼馴染みアピールが凄すぎて本当に驚いた。
このままだと、全ての記憶が公爵令嬢になりそうだった。
勝ち誇った態度、アレク様に向けられる熱のこもった視線ーー。どれをとっても分かりやすい令嬢だった。
「ミズリー公爵令嬢、この度はお目にかかれて光栄です」
あなたはアレク殿下に相応しくない圧が物凄いが、一方のアレク様はとても不機嫌そうにされていた。
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「アレク殿下!何をおっしゃいますの?隣国からわざわざいらした殿下の大切な客人ですもの。殿下の客人は、わたくしの客人。忙しい殿下に代わりまして、この後はわたくしがエスコートさせて頂きますわ」
その後、アレク様とシスティーナ嬢との攻防が始まり、何と三人で王宮を見て回ることになった。
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「……リリー、すまない。後で説明させてくれ」
アレク様が耳元で囁く。
(どうみてもこの令嬢の片想いよね……)
ぐいぐい来るタイプの高位貴族の令嬢は扱いが難しそうだ。
「……アレク様、お察しします」
とだけ告げると、安堵の表情を浮かべた。
その後は、この令嬢からいかにアレク様が素晴らしいか、いかにシスティーナ嬢とアレク様が親しいのかを延々と聞かされ、王宮のどこを見ていたのかの記憶もないくらいだった。
ようやく解放され、宿泊予定の部屋に戻るとどっと疲れが出てしまった。
(……どの国でも公爵令嬢はキャラが濃いの?)
新作のネタにさせてもらおう……。
この話を聞き付けたのか、カエラが心配そうに部屋を訪れた。
「……先ほど、殿下から王妃様へも報告がありまして……。大変失礼致しました。お疲れのところ大変申し訳ありませんが、晩餐のためのお召しかえをさせて頂きます」
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「…あの令嬢は、王妃様のところにも?」
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(……そりゃあ、拒否されるわよね……)
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このままだと、全ての記憶が公爵令嬢になりそうだった。
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