130 / 139
完結編 月の獅子の目は彼の者に
二十三話 雨音の訪れ 楽しみの始まり
しおりを挟む
上下に揺れる視界の中の廊下の風景。
主に体を預けてる部分から感じるエウァルドさんの体温と聞こえる心臓の音。
何となく壁際を見れば花瓶が前から後ろに流れていって次は甲冑なりが見えてくる、。
「ニッキー」
ところでなんで壁にだれか着たりするでもないのに甲冑なんて飾るんでしょ、夜中見たら腰抜かす自身あるんですけども、さてはそれが目的だね? よくできてるわあ。
「ニッキー」
甲冑といえばあのニセエウァルドさんはなんなんじゃって常々ニッキー思うわけ、突然現れてわけわかんないこと言われても反応に困るの一言しかでない。
「ニッキー」
「はいはい、考えごとしてたごめん」
「そうか、窓を見ろ、雨が降っている」
「あめ? あら、ほんとだ」
床とか壁とかしか見てなかったから気づかなかった、エウァルドさんに立ち止まってもらって見た窓の先、目視でもわかる程度には雨が降っていた。
「さっきまで晴れてたのにね」
「そうだな、少なくとも今日は外に出れない」
「だねー、まあ僕はお外行ったことないけど」
「……明日、晴れていれば行こう」
「町に?」
「湖だ、他人に会うのは体に悪い」
「そこまで病弱じゃあないよ」
「おれがそう判断した、文句があるなら相応の反論を頼む」
「ええ? ………ぇえ? 」
なんじゃそりゃ。
若干思考が止まりかけた僕をよそに、エウァルドさんはまたスタスタと進み始めた。
「ないだろう」
「なくはなくもない……ような? 」
「あるのか」
「んー、今はない、かも? 」
「なら無いのと同じだな」
「そうかなー? 今は言葉にでないけどもちょっと待ってくれればいい感じの反論でるかもしれないよ」
「そうか、だが今はない、そうだな? 」
「ねーえー駄々こねるよいいかげんー」
めんどくさいよー? なにするか分からないよー?
「っ……すまん、意地の悪いことをした」
「んー? いま笑ったー?」
「いいや? 行きたいと思ったのなら街でも海でも、他の国でもどこへでも連れて行こう」
「それは、どうもー? 」
理解するのにもうちょっと時間が欲しい……けど、まぁ、あんまりする必要ないかも?
「……旅行をするなら、何処がいい?」
「りょこう~? 突然なんで」
「ニッキーとなら、どこに行こうと楽しいと思ったからだ」
「んん~? そうねー、山に登ったりとか? 頂上でピクニックしたいかも」
「いいな……だがニッキー、今の十倍は体力がないと厳しいぞ」
「正論よくない、夢だけはみさせておくれよ」
「そうか、すまん」
「いいよー」
現実はどうあれ、考えて妄想して、それで一喜一憂するのはとてもラクチンな楽しみ方、それは邪魔されちゃたまったもんじゃないってやつよ
まあ今は現実のほうが楽しいのかもしれないけど、それはそれ。
「ダンさん待ちくたびれてるだろうし急ぎましょ」
「わかった、走るぞ」
「ゑ? 」
やっぱり夢の方がいいかもしれない、勢い凄すぎてお腹のあたりがぶわってなったニッキー、後悔しました。
※※※
「さあニッキー様、こちらをどうぞ」
広間に通される前に、すぐ近くのお部屋に通されて、ニッコリ笑顔のダンさんの手にはピシッとした服が大小二着。
「なんですそれ」
「ダンス用のドレスコード、分かりやすく言えばダンス用のスーツでございます」
「へー……ダンス? 」
「ええ」
「誰が? 」
「それはもちろん、ニッキー様が」
「僕が? ダンスを? 」
「左様でございます」
「………踊れないよ? 」
「問題ありません、既に後はニッキー様とエウァルド君が入場するだけでございます」
「話聞いてた? 運動するのすら初心者なのにいきなりダンスは難易度高くないかなダンさん 」
「ハハハ」
「笑って誤魔化さないで!? 」
「俺は着替え終わった、ニッキー、手を上げろ」
「早いよ!! 着替えるの早い! ね、ねぇちょっと心の準備をさ」
「ご安心くださいませ、着替え終わりましたらお茶を一杯飲む時間を設けます」
「う、うーん!? 」
「ニッキー、バンザイだ」
なすすべもないとはこの事をいうってやつよ、あれよあれよと脱がされて着替えさせられて、髪もセットされて出される湯気のホカホカなお茶。
「さぁニッキー様、断れない状況を用意しましたので観念して我らが用意したささやかな舞踏会を存分に楽しんでくださいませ」
「前々から薄々思ってたけどダンさん結構ゴリ押しするよね」
「ハハハ、何のことでしょう」
ウジウジ優柔不断、無気力気味の僕には確かに最適な行動なのでしょう、選ぶことより選んでもらうほうが好きなのも確か、だけど。
けっ!
心の中でちょっとやさぐれるニッキーなのでした。
主に体を預けてる部分から感じるエウァルドさんの体温と聞こえる心臓の音。
何となく壁際を見れば花瓶が前から後ろに流れていって次は甲冑なりが見えてくる、。
「ニッキー」
ところでなんで壁にだれか着たりするでもないのに甲冑なんて飾るんでしょ、夜中見たら腰抜かす自身あるんですけども、さてはそれが目的だね? よくできてるわあ。
「ニッキー」
甲冑といえばあのニセエウァルドさんはなんなんじゃって常々ニッキー思うわけ、突然現れてわけわかんないこと言われても反応に困るの一言しかでない。
「ニッキー」
「はいはい、考えごとしてたごめん」
「そうか、窓を見ろ、雨が降っている」
「あめ? あら、ほんとだ」
床とか壁とかしか見てなかったから気づかなかった、エウァルドさんに立ち止まってもらって見た窓の先、目視でもわかる程度には雨が降っていた。
「さっきまで晴れてたのにね」
「そうだな、少なくとも今日は外に出れない」
「だねー、まあ僕はお外行ったことないけど」
「……明日、晴れていれば行こう」
「町に?」
「湖だ、他人に会うのは体に悪い」
「そこまで病弱じゃあないよ」
「おれがそう判断した、文句があるなら相応の反論を頼む」
「ええ? ………ぇえ? 」
なんじゃそりゃ。
若干思考が止まりかけた僕をよそに、エウァルドさんはまたスタスタと進み始めた。
「ないだろう」
「なくはなくもない……ような? 」
「あるのか」
「んー、今はない、かも? 」
「なら無いのと同じだな」
「そうかなー? 今は言葉にでないけどもちょっと待ってくれればいい感じの反論でるかもしれないよ」
「そうか、だが今はない、そうだな? 」
「ねーえー駄々こねるよいいかげんー」
めんどくさいよー? なにするか分からないよー?
「っ……すまん、意地の悪いことをした」
「んー? いま笑ったー?」
「いいや? 行きたいと思ったのなら街でも海でも、他の国でもどこへでも連れて行こう」
「それは、どうもー? 」
理解するのにもうちょっと時間が欲しい……けど、まぁ、あんまりする必要ないかも?
「……旅行をするなら、何処がいい?」
「りょこう~? 突然なんで」
「ニッキーとなら、どこに行こうと楽しいと思ったからだ」
「んん~? そうねー、山に登ったりとか? 頂上でピクニックしたいかも」
「いいな……だがニッキー、今の十倍は体力がないと厳しいぞ」
「正論よくない、夢だけはみさせておくれよ」
「そうか、すまん」
「いいよー」
現実はどうあれ、考えて妄想して、それで一喜一憂するのはとてもラクチンな楽しみ方、それは邪魔されちゃたまったもんじゃないってやつよ
まあ今は現実のほうが楽しいのかもしれないけど、それはそれ。
「ダンさん待ちくたびれてるだろうし急ぎましょ」
「わかった、走るぞ」
「ゑ? 」
やっぱり夢の方がいいかもしれない、勢い凄すぎてお腹のあたりがぶわってなったニッキー、後悔しました。
※※※
「さあニッキー様、こちらをどうぞ」
広間に通される前に、すぐ近くのお部屋に通されて、ニッコリ笑顔のダンさんの手にはピシッとした服が大小二着。
「なんですそれ」
「ダンス用のドレスコード、分かりやすく言えばダンス用のスーツでございます」
「へー……ダンス? 」
「ええ」
「誰が? 」
「それはもちろん、ニッキー様が」
「僕が? ダンスを? 」
「左様でございます」
「………踊れないよ? 」
「問題ありません、既に後はニッキー様とエウァルド君が入場するだけでございます」
「話聞いてた? 運動するのすら初心者なのにいきなりダンスは難易度高くないかなダンさん 」
「ハハハ」
「笑って誤魔化さないで!? 」
「俺は着替え終わった、ニッキー、手を上げろ」
「早いよ!! 着替えるの早い! ね、ねぇちょっと心の準備をさ」
「ご安心くださいませ、着替え終わりましたらお茶を一杯飲む時間を設けます」
「う、うーん!? 」
「ニッキー、バンザイだ」
なすすべもないとはこの事をいうってやつよ、あれよあれよと脱がされて着替えさせられて、髪もセットされて出される湯気のホカホカなお茶。
「さぁニッキー様、断れない状況を用意しましたので観念して我らが用意したささやかな舞踏会を存分に楽しんでくださいませ」
「前々から薄々思ってたけどダンさん結構ゴリ押しするよね」
「ハハハ、何のことでしょう」
ウジウジ優柔不断、無気力気味の僕には確かに最適な行動なのでしょう、選ぶことより選んでもらうほうが好きなのも確か、だけど。
けっ!
心の中でちょっとやさぐれるニッキーなのでした。
179
あなたにおすすめの小説
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
悪役令嬢と呼ばれた侯爵家三男は、隣国皇子に愛される
木月月
BL
貴族学園に通う主人公、シリル。ある日、ローズピンクな髪が特徴的な令嬢にいきなりぶつかられ「悪役令嬢」と指を指されたが、シリルはれっきとした男。令嬢ではないため無視していたら、学園のエントランスの踊り場の階段から突き落とされる。骨折や打撲を覚悟してたシリルを抱き抱え助けたのは、隣国からの留学生で同じクラスに居る第2皇子殿下、ルシアン。シリルの家の侯爵家にホームステイしている友人でもある。シリルを突き落とした令嬢は「その人、悪役令嬢です!離れて殿下!」と叫び、ルシアンはシリルを「護るべきものだから、守った」といい始めーー
※この話は小説家になろうにも掲載しています。
【bl】砕かれた誇り
perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。
「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」
「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」
「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」
彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。
「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」
「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」
---
いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。
私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、
一部に翻訳ソフトを使用しています。
もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、
本当にありがたく思います。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
もう一度君に会えたなら、愛してると言わせてくれるだろうか
まんまる
BL
王太子であるテオバルトは、婚約者の公爵家三男のリアンを蔑ろにして、男爵令嬢のミランジュと常に行動を共にしている。
そんな時、ミランジュがリアンの差し金で酷い目にあったと泣きついて来た。
テオバルトはリアンの弁解も聞かず、一方的に責めてしまう。
そしてその日の夜、テオバルトの元に訃報が届く。
大人になりきれない王太子テオバルト×無口で一途な公爵家三男リアン
ハッピーエンドかどうかは読んでからのお楽しみという事で。
テオバルドとリアンの息子の第一王子のお話を《もう一度君に会えたなら~2》として上げました。
※画像は男の子メーカーpicrewさんよりお借りしました。
その首輪は、弟の牙でしか外せない。
ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。
第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。
初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。
「今すぐ部屋から出ろ!」
独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。
翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。
「俺以外に触らせるな」
そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。
弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。
本当にこのままでもいいのか。
ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。
その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。
どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。
リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24)
※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。
三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。
公爵家の次男は北の辺境に帰りたい
あおい林檎
BL
北の辺境騎士団で田舎暮らしをしていた公爵家次男のジェイデン・ロンデナートは15歳になったある日、王都にいる父親から帰還命令を受ける。
8歳で王都から追い出された薄幸の美少年が、ハイスペイケメンになって出戻って来る話です。
序盤はBL要素薄め。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる