私、いらない子ですか。だったら死んでもいいですか。

 心が壊れてしまった勇者ーー西条小雪は、世界を壊す化物となってしまった。しかも『時の牢獄』という死ねない効果を持った状態異常というおまけ付き。小雪はいくつもの世界を壊していった。

 それから数兆年。

 奇跡的に正気を取り戻した小雪は、勇者召喚で呼ばれた異世界オブリーオで自由気ままに敵である魔族を滅していた。
 だけどその行動はオブリーオで悪行と呼ばれるものだった。
 それでも魔族との戦いに勝つために、自らそういった行動を行い続けた小雪は、悪臭王ヘンブルゲンに呼び出される。

「貴様の行動には我慢ならん。貴様から我が国の勇者としての称号を剥奪する」

 そんなことを言われたものだから、小雪は勇者の証である聖剣を折って、完全に勇者をやめてしまった。

 これで自分の役割を終えた。『時の牢獄』から抜け出せたはずだ。

 ずっと死ねない苦しみを味わっていた小雪は、宿に戻って自殺した。

 だけど、死ぬことができなかった。『時の牢獄』は健在。それに『天秤の判定者』という謎の称号があることに気が付く。
 まあでも、別にどうでもいいやと、適当に考えた小雪は、正気である間を楽しもうと旅に出る。
 だけど『天秤の判定者』には隠された秘密があった。

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