皇国の栄光

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休息と鷲の軍靴

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1939年、9月1日。
その日も陸海両軍は平和な時間お送っていた。
「どうだ?新型機の開発は進んでいるか?」
横で珈琲を飲んでいた山口に話しかける。
今日は少し今後の戦略について話し合っていた。
「はい。新型艦攻、艦爆、艦戦、陸攻。すべてが進んでいます。電探や両用法などももうすぐ実用化できます。あの原子爆弾というやつは少し厄介ですが。」
山本は満足して自身も珈琲を飲む。
「そうだ。山口。連合艦隊司令長官はどうだ?」
山本は思い出したように言う。
「なんとかやれています。」
「そうか。それは良かった。」
「大臣こそ色々と忙しいのでは?」
山口が聞く。
「まあな。だが好きでやっているのだから苦ではない。」
「変わったお人だ。」
「どっちがだ。」
二人は大声で笑っていた。
そこに伝令兵が焦って入ってくるまでは。
「大臣!あ、長官殿もおられましたか!ヨーロッパからの電文です!」
「なんだ。そんなに焦ることなのか?」
そういいながら二人は電文の内容を見た。
「…ついにその時か。」
「そのようですね。」


「そういえば、新型戦車の開発はどうだ?」
石原が安藤に尋ねる。
「もう間もなく完成するとのことです。航空機も戦闘機、爆撃機が開発されています。」
「それはいいことだ。機甲軍団も順調に増えてきて、並な相手じゃ勝負にならんだろうな。」
「そうですね。ですがそもそも戦うのはできる限り避けられるのではなかったですか?」
「避けられないときに戦うための準備は必要だろう。逆立ちしても生身の人間は戦車に勝てないのだから。」
「なるほど。」
そう話し込んでいると電話がかかってきた。
「なんだ?…それは本当か?わかった今から首相官邸に向かう。」
「どうされたんですか?」
安藤が尋ねる。
「欧州で戦争が始まった。お前も来い。」
そういって石原は部屋をでる。
安藤も遅れながら出ていった。


ドイツとポーランドの国境部では緊張が走っていた。
その均衡はドイツの一撃により崩れた。
「前車前進!敵を殲滅せよ!」
その掛け声とともに、何百という3号戦車が攻撃を開始した。
ポーランド軍は機械化戦力などが圧倒的に不足しており、ずるずると後退していった。
また9月17にはソ連もポーランド国境を越境した。
ポーランド騎兵は勇猛果敢に突撃し、ドイツ軍の包囲寸前まで進んだが、装甲師団に壊滅させられた。
英仏も参戦こそはしたもののドイツ軍と直接戦火を交えず、ソ連に至っては宣戦布告さえしていなかった。
9月23日、前線は絶望的になっていた。
だがそこに旧友が助けに来たのだった。
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