皇国の栄光

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二人の攻撃隊隊長

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12月8日4時24分。
第二次攻撃隊が真珠湾直上に到達した。
そのまま突撃を開始。
先の第一次攻撃で源田実が対空火器と電探の破壊を命令しており、第一次攻撃隊と同じく対空砲火は低調だった。
だが戦艦通りは黒煙により視界が著しく悪く、目標は他の残存艦艇と燃料タンクの破壊。
そして空母蒼龍爆撃隊長の江草隆繁は他に源田からもう一つ指令を受けていた。
それは可能なら真珠湾の出入り口を塞ぐことだった。
どうしようか考えていると無線が来た。
『敵、戦艦港湾出入口に向けて航行中。おそらく外洋に退避するものと思われる。』
この報告は江草にとって願ってもないことだった。
「攻撃可能機。できる限りあの戦艦に攻撃せよ!」
そういって彼も急降下態勢に入る。
先ほどよりも対空砲火がきつく、2機が落とされたものの直撃8発、至近3発を与え撃沈に成功。
これにより真珠湾と外洋の行き来が不可能になった。
その間にドッグに入っていた駆逐艦と戦艦にたいしても攻撃。
ドッグの出入り口に爆弾が命中し、戦艦が駆逐艦に衝突。
そのまま両艦とも転覆した。
ただ前方にいた駆逐艦は無事であったため、攻撃が集中。
その駆逐艦は大爆発を起こし、米軍将兵はただ茫然とその光景を見守った。
そして作戦目標である燃料タンクの破壊と、残存艦艇の攻撃を完了した攻撃隊は帰路に就いた。


同日、1時25分。
板倉光馬はパナマ運河の攻撃のため自身の指揮する伊400型の潜水部隊に浮上を命令。
「この攻撃は真珠湾空襲よりも潜在的価値がある。思う存分暴れてこい。」
板倉は攻撃隊指揮官の 藤田信雄に言った。
「もちろんですよ。ですが損害は出す気はありませんから、無理だと思ったら帰ってきます。」
藤田はさも同然のように言った。
「君のような強情な部下は始めただよ。」
板倉は昔自分が言われたことをそのまま藤田に言い放つ。
「失礼を承知で申しますが、あなたのような上司だと死人が増える。」
藤田は昔板倉が言ったことを少し変えて反論する。
「ふっ。面白いやつだ。わかっている。無理だと思ったら帰ってこい。」
「わかってますって。」
そう話していると攻撃機の発艦準備が完了した。
「では、行ってきます。」
「ああ。行ってこい。」
そうして藤田は飛行帽を被り攻撃機に乗った。
1時45分に発艦開始。
1時50分にはすべての攻撃機を発艦させ、部隊は潜水しパナマ運河に前進した。
3時52分、藤田麾下15機の攻撃隊はパナマ運河をとらえた。
「あれがパナマ運河か。よし!全機、攻撃開始!」
その掛け声とともに、4時ちょうどに攻撃開始。
この攻撃の主目標は大西洋と太平洋の最短航路の遮断であり、副目標はアメリカ国民を驚愕させることだった。
敵の対空射撃はなく、超低空で侵入。
そして運河の ミラ・フローレス関門、30分後に ペドロ・ミゲル関門、そして最後に ガトゥン関門に雷撃を敢行。
これらを完全に破壊しながらも被害は0という結果に終わった。
その後、合流地点を少しずれたところで母艦を発見し6時12分、収容を完了した。



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