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赤の攻撃
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1943年5月1日。
海軍が太平洋で決戦を行おうとしていたことろ、南京で蒋介石は窮地に立たされていた。
「状況は!?」
「すでに、第一防衛線が突破されました!根本中将の部隊は何とか持ちこたえていますが、直にここまで来ます!」
「援軍は?!」
「すでに日本軍と何応欽将軍が向かってきていますが、それまで持ちこたえられるかどうか…。」
「何としてでも守れ!ここで負ければ中華は赤に飲まれてしまう!」
「同志。敵の第一防衛線を突破いたしました。」
「そうか。引き続き攻撃せよ。」
毛沢東はそう命令する。
「はっ!」
「やっとお前から受けた使命を果たせそうだ。林彪。」
毛沢東は懐かしそうにつぶやいた。
先日、中国全土から同志を集め、ソ連とアメリカの援助を受けた毛沢東率いる紅軍は南京郊外にて蜂起。
目的は政府の掌握だった。
その数は30万に及び南京防衛についていた国民革命軍3万人と根本中将日本陸軍1万人では到底防ぎきれなかった。
だが、根本は巧みに部隊を運用し戦線が崩壊することを防いだ。
「逃げたぞ!突っ込め!」
鄧小平がそう叫び、歩兵が突撃していく。
「あと少しだ…あと少しで総統府を我が物に…。」
そうすると側面から大声が聞こえてきた。
「どうした!」
「にっ日本軍です!戦車を中核に突進してきます!」
「くそっ!撤退だ!またの機会を窺う!」
「敵軍、退いていきます。」
そう報告を受けた根本は暗い顔をしていた。
「これで何度目だろうか。こんな攻撃が続けばいつか突破されてしまう。」
「我々の任務は時間稼ぎです。もうそろそろ本軍が到着します。」
「それもそうだな。」
彼は濛々と煙が立ち込める南京の市街地を見ながら悲しそうに言った。
5月3日。
鉄道で各方面に散らばっていた戦車師団が南京に集結。
山下はすぐに攻撃命令を下達。
そして郊外で戦車戦が行われることになる。
アレクサンドル・ブルダは闘志を燃やしていた。
「敵戦車接近!」
「攻撃用意!」
ノモンハンでの屈辱は彼も忘れていなかった。
極東の海軍国家に世界有数の陸軍国家が負けたのだ。
今回は中国義勇兵として参加していた。
彼が乗っているTー34はすでに日本のチヌの性能を超えていた。
そしてブルダは日本戦車に攻撃した。
「なんだと…。」
日本戦車は何もなかったようにこちらに砲塔を向けていた。
「くそ!にげろ!」
操縦兵にそう言ったが遅かった。
日本戦車はTー34の傾斜装甲をやすやすと破り、爆破させた。
「間に合ってよかったですね。チリ。」
西住が戦闘をみながらぼやく。
「あぁ。全くだ。」
山下も同意する。
「では、少し私も暴れてきます。」
そういうと西住はチリではない戦車に乗り込んだ。
「ドイツの戦車か?なぜチリを使わない?」
「チリもいいですが、それは部下たちに使わせたいのでこのフランス軍から鹵獲した4号を使ってます。」
「まあいい。暴れてこい。」
「分かりました。」
そういって西住は4号戦車にのって戦車戦の中に身を投じていく。
「同志!すでにわが軍は挟撃されています!兵士たちも次々に投降しており、軍の体をなしてません!どうか同志だけでもお逃げください!」
周恩来がそう説得する。
「私はいい。君たちが行け。」
それを毛は拒絶した。
「しかし…。」
周は反論しようとした。
だがそれを遮って毛は告げた。
「私は、疲れたんだ。この数十年間の闘争で多くの同志を失った。もう誰にも死んでほしくない。」
周は毛の顔を見た。
彼の頬には水がつたっていた。
「…わかりました。全軍!撤退!何としてでも生き残れ!」
周は無線にそう言い放ち、自身も郊外に走り出した。
毛はこれまでのことを思い出していた。
中華を偉大な国にするためにたくさんの命を使った。
それでも、なにもできなかった。
だが彼は満足していた。
南京に香港に負けないような都市が出来上がっていたからだ。
そこには、日本人、中国人、ユダヤ人、ポーランド人が笑いあいながら生活していた。
彼は中華が偉大になった姿を見ることはできないと悟っていた。
同時に確実に中華は列強と肩を並べる国に成長することを確信していた。
そうすると戦車が彼の前に現れた。
毛は覚悟を決めた。
「かかってこい!日帝共!」
そういって彼は手榴弾を片手に戦車に突撃した。
その後、大きな爆発音とともに南京の戦いは終結した。
「何とか勝利できましたね。」
西住が復興されていく南京を見ながら言った。
「あぁ。海の方でも大きな戦いが起こるだろう。だがそれが終われば戦争はおわる。」
そう言い終わった瞬間、電話が鳴った。
「どうした?なんだと!?すぐ向かう!」
「どうしたんですか?」
「ソ連が非武装地帯を越境した!すでに関東軍が守りについている。我々も向かうぞ!」
これより、日本は一番長い1週間を迎えることになった。
海軍が太平洋で決戦を行おうとしていたことろ、南京で蒋介石は窮地に立たされていた。
「状況は!?」
「すでに、第一防衛線が突破されました!根本中将の部隊は何とか持ちこたえていますが、直にここまで来ます!」
「援軍は?!」
「すでに日本軍と何応欽将軍が向かってきていますが、それまで持ちこたえられるかどうか…。」
「何としてでも守れ!ここで負ければ中華は赤に飲まれてしまう!」
「同志。敵の第一防衛線を突破いたしました。」
「そうか。引き続き攻撃せよ。」
毛沢東はそう命令する。
「はっ!」
「やっとお前から受けた使命を果たせそうだ。林彪。」
毛沢東は懐かしそうにつぶやいた。
先日、中国全土から同志を集め、ソ連とアメリカの援助を受けた毛沢東率いる紅軍は南京郊外にて蜂起。
目的は政府の掌握だった。
その数は30万に及び南京防衛についていた国民革命軍3万人と根本中将日本陸軍1万人では到底防ぎきれなかった。
だが、根本は巧みに部隊を運用し戦線が崩壊することを防いだ。
「逃げたぞ!突っ込め!」
鄧小平がそう叫び、歩兵が突撃していく。
「あと少しだ…あと少しで総統府を我が物に…。」
そうすると側面から大声が聞こえてきた。
「どうした!」
「にっ日本軍です!戦車を中核に突進してきます!」
「くそっ!撤退だ!またの機会を窺う!」
「敵軍、退いていきます。」
そう報告を受けた根本は暗い顔をしていた。
「これで何度目だろうか。こんな攻撃が続けばいつか突破されてしまう。」
「我々の任務は時間稼ぎです。もうそろそろ本軍が到着します。」
「それもそうだな。」
彼は濛々と煙が立ち込める南京の市街地を見ながら悲しそうに言った。
5月3日。
鉄道で各方面に散らばっていた戦車師団が南京に集結。
山下はすぐに攻撃命令を下達。
そして郊外で戦車戦が行われることになる。
アレクサンドル・ブルダは闘志を燃やしていた。
「敵戦車接近!」
「攻撃用意!」
ノモンハンでの屈辱は彼も忘れていなかった。
極東の海軍国家に世界有数の陸軍国家が負けたのだ。
今回は中国義勇兵として参加していた。
彼が乗っているTー34はすでに日本のチヌの性能を超えていた。
そしてブルダは日本戦車に攻撃した。
「なんだと…。」
日本戦車は何もなかったようにこちらに砲塔を向けていた。
「くそ!にげろ!」
操縦兵にそう言ったが遅かった。
日本戦車はTー34の傾斜装甲をやすやすと破り、爆破させた。
「間に合ってよかったですね。チリ。」
西住が戦闘をみながらぼやく。
「あぁ。全くだ。」
山下も同意する。
「では、少し私も暴れてきます。」
そういうと西住はチリではない戦車に乗り込んだ。
「ドイツの戦車か?なぜチリを使わない?」
「チリもいいですが、それは部下たちに使わせたいのでこのフランス軍から鹵獲した4号を使ってます。」
「まあいい。暴れてこい。」
「分かりました。」
そういって西住は4号戦車にのって戦車戦の中に身を投じていく。
「同志!すでにわが軍は挟撃されています!兵士たちも次々に投降しており、軍の体をなしてません!どうか同志だけでもお逃げください!」
周恩来がそう説得する。
「私はいい。君たちが行け。」
それを毛は拒絶した。
「しかし…。」
周は反論しようとした。
だがそれを遮って毛は告げた。
「私は、疲れたんだ。この数十年間の闘争で多くの同志を失った。もう誰にも死んでほしくない。」
周は毛の顔を見た。
彼の頬には水がつたっていた。
「…わかりました。全軍!撤退!何としてでも生き残れ!」
周は無線にそう言い放ち、自身も郊外に走り出した。
毛はこれまでのことを思い出していた。
中華を偉大な国にするためにたくさんの命を使った。
それでも、なにもできなかった。
だが彼は満足していた。
南京に香港に負けないような都市が出来上がっていたからだ。
そこには、日本人、中国人、ユダヤ人、ポーランド人が笑いあいながら生活していた。
彼は中華が偉大になった姿を見ることはできないと悟っていた。
同時に確実に中華は列強と肩を並べる国に成長することを確信していた。
そうすると戦車が彼の前に現れた。
毛は覚悟を決めた。
「かかってこい!日帝共!」
そういって彼は手榴弾を片手に戦車に突撃した。
その後、大きな爆発音とともに南京の戦いは終結した。
「何とか勝利できましたね。」
西住が復興されていく南京を見ながら言った。
「あぁ。海の方でも大きな戦いが起こるだろう。だがそれが終われば戦争はおわる。」
そう言い終わった瞬間、電話が鳴った。
「どうした?なんだと!?すぐ向かう!」
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