空母鳳炎奮戦記

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第3航空艦隊

第3航空艦隊

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鳳炎が新たに配属されたのはインド洋を主な行動海域である第3航空艦隊だった。
ミッドウェー海戦で第1航空艦隊が蒼龍が撃沈されながらも、アメリカ海軍のヨークタウン、サラトガ、エンタープライズ、ホーネットを撃沈しており、アメリカ海軍は太平洋方面での空母の稼働数が0という惨状に陥っていた。
そのため、今の日本海軍の主な敵はインド洋に展開する英国東洋艦隊だった。


「これが噂の鳳炎か。」
鳳炎の艦橋にて第3航空艦隊司令の小沢治三郎がこぼす。
「今の帝国では最大の空母ですからね。私もこの艦の艦長として誇りを持っております。」
そう応えるのは2代目鳳炎艦長である阿部俊雄大佐だった。
「それは良いことだ。話は変わるが草鹿君はどこかね?」
「草鹿参謀は4隻の空母の1度にを見たいと出かけられました。」
「…あいつらしいな。」


草鹿はシンガポール港の小高い丘から艦隊の全容を眺めていた。
「やはり圧巻だな。」
第3航空艦隊には鳳炎の他にも瑞鳳と祥鳳、そして新型の瑞鷹が配備されていた。
瑞鷹は祥鳳などと違いアイランドがあり、煙突は例に同じく艦橋と一体化しており格納庫は開放型だ。
艦載機数は補用機合わせて40機。
祥鳳型は30機なので第3航空艦隊の艦載機数は184機だった。
そしてその護衛に榛名と霧島が付き艦隊総数は46隻を数えた。
「いかんいかん。このままでは司令に怒鳴られる。」
そう言って草鹿はシンガポールに設置されていた第3航空艦隊司令部に向かった。


インド洋は日本軍潜水艦部隊の墓場となっていた。
開戦から合計で10隻の潜水艦が撃沈されている。
その主な理由は東洋艦隊にある。
「第1航空艦隊が少しは削ったとはいえ、かなりの戦力を保持しているのは間違いないでしょう。」
草鹿の分析に小沢も同意する。
「そうだろうな。それをどう撃破するかが問題だ。」
イギリス海軍は消耗を避けているようで駆逐艦しか出撃していない。
主力艦はどこかに隠れているのだ。
主力艦を撃破しなければインド洋作戦の完遂は不可だった。
「…!司令!いい案を思いつきました!」
「それはなんだ?」
草鹿は自信に満ちた声で言った。
「東洋艦隊に我々を各個撃破する機会を与えればいいのです!」


1942年10月5日。
真珠湾占領の朗報が飛び込む中、第3航空艦隊はインド洋に出撃した。
最終目標は無論、敵艦隊の撃滅だ。
だが喫緊の目標はインド洋を行き交う輸送船団だった。
「本当に成功するのか?下手をすれば空母を失いかねん。」
不安げな小沢に草鹿は言う。
「今更です。それにこの作戦は必ず成功させます!」
草鹿の目には闘志がみなぎっていた。
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