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Chapter2(蒼空編)
Chapter2-⑤【アイドル】
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「私だと思って穿き続けて下さい。」
ショーンの言葉だ。
ファスナーを開く。
ビニール袋から溢れ出る刺激的な臭いにうっとりする。
大きく息を吸い込む。
雄の臭いと花の香りが入り混じっている。
直ぐ近くにショーンを感じられた。
瞬く間にその臭いは周囲に浸食していく。
誰もいない事に安堵し、足に通す。
腰に引き上げると、股間が一気に固くなる。
亀頭が膨らみ、気力が漲った。
これを穿けば、どんなハードなトレーニングも可能な筈だ。
普段マックスとなるダンベルでウォーミングアップを始める。
立ち上る臭気を吸い込む度に、高重量のダンベルが上がった。
いつもなら八回しか上がらない重量が軽々と十回出来た。
二キロ、四キロと加重していく。
沸き上がる臭気はどれも容易く上げさせてくれた。
インクラインベンチからフラットベンチに種目を変える。
ウェイトを間違ったのかと思う程、軽々と上がる。
何度足し算しても間違いはない。
ネガティブな思考は止まり、筋肉を傷めつける事に終始した。
気が付くと、二時間近く経過していた。
『濃厚なプロテインドリンクをお届けします。』
パワーベルトをしたウェイトリフターが描かれている。
ゲイリーアンダーソンのイラストだ。
大胸筋と大臀筋はデフォルメして大きく描く。
ウエストは極端に細くし、卑猥さを強調していた。
シルエットは女性ビルダーを想起させるが、隆起した筋肉は猛々しい。
淫らな娼婦と勇ましい戦士が同居する人物画は世界的に人気がある。
そのイラストは非常にショーンと似ていた。
「これくらい贅沢しても罰は当たらないだろう。」
受話器を持ち、プロテインを頼む。
飢えた筋肉はまだトレーニングを渇望していた。
「ありがとうございます…。」
従業員は何か言いたげだったが、背を向けた。
ゆっくり去っていく。
何度か、振り返りそうな素振りを見せた。
後姿がトレーニングルームの出入り口に差し掛かる。
『頼むから、そのまま出て行ってくれ!』
両手を合わせ、その姿を睨み付けた。
歩みの遅い行動に汗が溢れる。
鍵番号を読み取る際、鼻を鳴らした。
濃厚な臭気を感じ取ったのは間違いない。
フロントへ行って、他のスタッフに告げるかもしれない。
注意に来なければいいが。
充実したトレーニングに水を差されたくなかった。
鏡の前でプロテインを飲む。
肥大した胸筋が膨らんだ。
交互に動かしてみる。
ショーンの域に達するにはどれくらいの年月が必要なのか分からない。
胸と尻は肥大させ、ウエストは今のサイズを維持するのだ。
ヒュウガは27インチのジーンズを穿いている。
今のペースで筋肥大させ、ウエストは現状のままを保持するだ。
身近に目標となるショーンがいれば、それは可能に思えた。
どんなに辛くても、どんなに時間が掛かっても、ショーンと同じ景色が見たい。
短期間で自在に動くようになった大胸筋に満足し、デクラインベンチへ向かう。
ダンベルを持ち、頭を下げていく。
持ち上げるタイミングで、胸の寄りを意識する。
両腕で胸を締め上げるのがコツだ。
盛り上がった胸筋が窮屈になる。
その先に汚れたケツワレがあった。
胸筋を締め付ける度に先走りが溢れる。
それが刺激臭を活性化させた。
(つづく)
ショーンの言葉だ。
ファスナーを開く。
ビニール袋から溢れ出る刺激的な臭いにうっとりする。
大きく息を吸い込む。
雄の臭いと花の香りが入り混じっている。
直ぐ近くにショーンを感じられた。
瞬く間にその臭いは周囲に浸食していく。
誰もいない事に安堵し、足に通す。
腰に引き上げると、股間が一気に固くなる。
亀頭が膨らみ、気力が漲った。
これを穿けば、どんなハードなトレーニングも可能な筈だ。
普段マックスとなるダンベルでウォーミングアップを始める。
立ち上る臭気を吸い込む度に、高重量のダンベルが上がった。
いつもなら八回しか上がらない重量が軽々と十回出来た。
二キロ、四キロと加重していく。
沸き上がる臭気はどれも容易く上げさせてくれた。
インクラインベンチからフラットベンチに種目を変える。
ウェイトを間違ったのかと思う程、軽々と上がる。
何度足し算しても間違いはない。
ネガティブな思考は止まり、筋肉を傷めつける事に終始した。
気が付くと、二時間近く経過していた。
『濃厚なプロテインドリンクをお届けします。』
パワーベルトをしたウェイトリフターが描かれている。
ゲイリーアンダーソンのイラストだ。
大胸筋と大臀筋はデフォルメして大きく描く。
ウエストは極端に細くし、卑猥さを強調していた。
シルエットは女性ビルダーを想起させるが、隆起した筋肉は猛々しい。
淫らな娼婦と勇ましい戦士が同居する人物画は世界的に人気がある。
そのイラストは非常にショーンと似ていた。
「これくらい贅沢しても罰は当たらないだろう。」
受話器を持ち、プロテインを頼む。
飢えた筋肉はまだトレーニングを渇望していた。
「ありがとうございます…。」
従業員は何か言いたげだったが、背を向けた。
ゆっくり去っていく。
何度か、振り返りそうな素振りを見せた。
後姿がトレーニングルームの出入り口に差し掛かる。
『頼むから、そのまま出て行ってくれ!』
両手を合わせ、その姿を睨み付けた。
歩みの遅い行動に汗が溢れる。
鍵番号を読み取る際、鼻を鳴らした。
濃厚な臭気を感じ取ったのは間違いない。
フロントへ行って、他のスタッフに告げるかもしれない。
注意に来なければいいが。
充実したトレーニングに水を差されたくなかった。
鏡の前でプロテインを飲む。
肥大した胸筋が膨らんだ。
交互に動かしてみる。
ショーンの域に達するにはどれくらいの年月が必要なのか分からない。
胸と尻は肥大させ、ウエストは今のサイズを維持するのだ。
ヒュウガは27インチのジーンズを穿いている。
今のペースで筋肥大させ、ウエストは現状のままを保持するだ。
身近に目標となるショーンがいれば、それは可能に思えた。
どんなに辛くても、どんなに時間が掛かっても、ショーンと同じ景色が見たい。
短期間で自在に動くようになった大胸筋に満足し、デクラインベンチへ向かう。
ダンベルを持ち、頭を下げていく。
持ち上げるタイミングで、胸の寄りを意識する。
両腕で胸を締め上げるのがコツだ。
盛り上がった胸筋が窮屈になる。
その先に汚れたケツワレがあった。
胸筋を締め付ける度に先走りが溢れる。
それが刺激臭を活性化させた。
(つづく)
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