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《裏技》マスター、忍者の里へ行く
顔を、把握
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奥の方の通路まで崩されてしまったので、壁貫通裏技は使えない。
使えば遠いどこかへバビューンだろう。
だがこの勝負、何も本気で戦う必要は無い。
いずれまた相手にするであろう人達だ。
本気で戦って手札を見せまくる方がデメリットがデカイ。
「はぁっ!」
男が右手から炎を放ってくる。
……あれ!? 魔法名言ってなくね!?
『ボンボンボンボン!』
両手を片方ずつ前後に移動させていて、前に出した時に炎が出てきている。
なるほど、恐らく袖の中に魔法陣が描かれた紙が入ってるんだな……。
そこから炎が飛んできているって事か。
「【石刺し】」
「くっ!」
炎を避けつつ飛んできている石も避ける。
「し、【神速】!」
【神速】を発動して、俺は走った……のだが……。
「あ、あれ?」
速くない。
【神速】を発動した時の速さではない。
な、何故だ!?
あっ、そうか、ここでは魔法やスキルは消されるんだった……!
でも、何であいつらは使えるんだ……?
「【石刺し】【石刺し】【石刺し】」
「ほっ!」
飛んできた石を華麗に避けて、その次に飛んできた炎も体を捻って避ける。
「くっ、何故当たらん!」
「単純に、運動神経が凄いようね」
「あれが運動神経だと!?」
「あと、反射神経も」
「流石逸脱者……! 教皇様が消せと言うのも分かる!」
やっぱ教皇の命令だったか。
「こら、教皇様が言ったってのをバラしてどうするの」
「あっ、すっ、すまない」
「絶対に逃してちゃいけなくなったじゃない」
逃しちゃいけないって言われてしまった。
マズイな、このままだと流石に死ぬかもしれない。
銃を使うわけにもいかないが、スキルや魔法は使えない。
近距離まで詰めてぶん殴るしかないんだよなぁ……。
だが、流石に【神速】無しだと近づけない。
やっぱ数が多い方が強いんだなぁ……。
まあそんな事を言っていても仕方がない訳だが。
「【ムーブストーン】」
「なっ!?」
目の前に壁が造られた。
「おらっ!」
思いっきりパンチしたが、分厚すぎて貫通するには至らなかった。
くそ……何が狙いだ?
壁を建てるという事は視界を遮る必要があるという事……もしくは、攻撃を遮る為……。
あるいは、両方。
取り敢えずパンチしまくるが、どんどん造られているのか貫通しない。
……ならば……。
「ほっ!」
壁貫通裏技をやった。
「「!?」」
壁から突然出てきた俺に二人が驚いた表情をする。
そう、顔が分かったのだ。
一人は、赤髪で髭が薄く広がって生えた男。
もう一人は、金髪……いや、銀髪?
あっ、前が金髪で後ろの方が銀髪なのか。
そんな髪をした少し顔に皺の入ったおばさんだった。
「くそ!」
男が先程まで彼女と何かをして作っていた火の玉をこちらに向ける。
「ま、待って!」
「【爆発球】!」
彼の手から炎の球体が放たれ、こちらに向かってシュンと飛んできた。
それを俺は横に飛んで回避する。
「ふっ」
だが、男は笑った。
「!」
俺はすぐに後ろを振り返った。
「……まさか!」
一瞬、球体の表面が〝ポコッ〟となった。
コートを脱ぎ、襟首を掴んで盾になる様に球体に向けて上からバッと振り下ろす。
直後
『ドォォォォォン!』
『ベチャ、ジュオオォォォォ』
やはり、な。
「いやー、危ねー」
そう言って俺は振り返る。
「「……」」
二人は黙っている。
何故俺が生きているのだと言わんばかりの表情で見つめながら。
「いや何、さっきの球体の表面がポコッてなったからな。
どーせ石を溶かして溶岩で攻撃するつもりだったんだろ?」
「「!」」
ビンゴだな。
「それくらいじゃ俺は死なねぇよ」
そう言いながらコートを前方向にバサッとやって溶岩を落としてから着た。
「逸脱者め……」
「撤収しましょ」
「ああ」
「させるか!」
そう言って銃を取り出そうとして、少し止まる。
いや待て、仮に取り出したのに逃したら俺は銃を持っているという情報を与える事になる。
仮に銃という存在を知らなくても、すぐに調べれば分かるだろう。
よって、次会った時は確実に飛び道具用の対策をしてくるに違いない。
いや、ここで倒せればそんなの気にする必要ないだろ!
そう考えて急いで銃を取り出したが
『シュン』
テレポートされてしまった。
「あ゛ぁー! くそ!」
壁に思いっきり叩きつける。
幸いな事に見られてはいないだろう。
だが
「俺が壁を通り抜けられるという情報を……与えてしまった……!」
銃という情報について考えすぎた。
これからは、裏技についてももう少し考えなくては。
「はぁー…………取り敢えず、ここからどう出るか」
これは……ひたすらパンチし続けるしかないか。
「おらおらおらおら!」
そして俺は元々は前の層に続く道だった壁に向かってパンチしまくった。
使えば遠いどこかへバビューンだろう。
だがこの勝負、何も本気で戦う必要は無い。
いずれまた相手にするであろう人達だ。
本気で戦って手札を見せまくる方がデメリットがデカイ。
「はぁっ!」
男が右手から炎を放ってくる。
……あれ!? 魔法名言ってなくね!?
『ボンボンボンボン!』
両手を片方ずつ前後に移動させていて、前に出した時に炎が出てきている。
なるほど、恐らく袖の中に魔法陣が描かれた紙が入ってるんだな……。
そこから炎が飛んできているって事か。
「【石刺し】」
「くっ!」
炎を避けつつ飛んできている石も避ける。
「し、【神速】!」
【神速】を発動して、俺は走った……のだが……。
「あ、あれ?」
速くない。
【神速】を発動した時の速さではない。
な、何故だ!?
あっ、そうか、ここでは魔法やスキルは消されるんだった……!
でも、何であいつらは使えるんだ……?
「【石刺し】【石刺し】【石刺し】」
「ほっ!」
飛んできた石を華麗に避けて、その次に飛んできた炎も体を捻って避ける。
「くっ、何故当たらん!」
「単純に、運動神経が凄いようね」
「あれが運動神経だと!?」
「あと、反射神経も」
「流石逸脱者……! 教皇様が消せと言うのも分かる!」
やっぱ教皇の命令だったか。
「こら、教皇様が言ったってのをバラしてどうするの」
「あっ、すっ、すまない」
「絶対に逃してちゃいけなくなったじゃない」
逃しちゃいけないって言われてしまった。
マズイな、このままだと流石に死ぬかもしれない。
銃を使うわけにもいかないが、スキルや魔法は使えない。
近距離まで詰めてぶん殴るしかないんだよなぁ……。
だが、流石に【神速】無しだと近づけない。
やっぱ数が多い方が強いんだなぁ……。
まあそんな事を言っていても仕方がない訳だが。
「【ムーブストーン】」
「なっ!?」
目の前に壁が造られた。
「おらっ!」
思いっきりパンチしたが、分厚すぎて貫通するには至らなかった。
くそ……何が狙いだ?
壁を建てるという事は視界を遮る必要があるという事……もしくは、攻撃を遮る為……。
あるいは、両方。
取り敢えずパンチしまくるが、どんどん造られているのか貫通しない。
……ならば……。
「ほっ!」
壁貫通裏技をやった。
「「!?」」
壁から突然出てきた俺に二人が驚いた表情をする。
そう、顔が分かったのだ。
一人は、赤髪で髭が薄く広がって生えた男。
もう一人は、金髪……いや、銀髪?
あっ、前が金髪で後ろの方が銀髪なのか。
そんな髪をした少し顔に皺の入ったおばさんだった。
「くそ!」
男が先程まで彼女と何かをして作っていた火の玉をこちらに向ける。
「ま、待って!」
「【爆発球】!」
彼の手から炎の球体が放たれ、こちらに向かってシュンと飛んできた。
それを俺は横に飛んで回避する。
「ふっ」
だが、男は笑った。
「!」
俺はすぐに後ろを振り返った。
「……まさか!」
一瞬、球体の表面が〝ポコッ〟となった。
コートを脱ぎ、襟首を掴んで盾になる様に球体に向けて上からバッと振り下ろす。
直後
『ドォォォォォン!』
『ベチャ、ジュオオォォォォ』
やはり、な。
「いやー、危ねー」
そう言って俺は振り返る。
「「……」」
二人は黙っている。
何故俺が生きているのだと言わんばかりの表情で見つめながら。
「いや何、さっきの球体の表面がポコッてなったからな。
どーせ石を溶かして溶岩で攻撃するつもりだったんだろ?」
「「!」」
ビンゴだな。
「それくらいじゃ俺は死なねぇよ」
そう言いながらコートを前方向にバサッとやって溶岩を落としてから着た。
「逸脱者め……」
「撤収しましょ」
「ああ」
「させるか!」
そう言って銃を取り出そうとして、少し止まる。
いや待て、仮に取り出したのに逃したら俺は銃を持っているという情報を与える事になる。
仮に銃という存在を知らなくても、すぐに調べれば分かるだろう。
よって、次会った時は確実に飛び道具用の対策をしてくるに違いない。
いや、ここで倒せればそんなの気にする必要ないだろ!
そう考えて急いで銃を取り出したが
『シュン』
テレポートされてしまった。
「あ゛ぁー! くそ!」
壁に思いっきり叩きつける。
幸いな事に見られてはいないだろう。
だが
「俺が壁を通り抜けられるという情報を……与えてしまった……!」
銃という情報について考えすぎた。
これからは、裏技についてももう少し考えなくては。
「はぁー…………取り敢えず、ここからどう出るか」
これは……ひたすらパンチし続けるしかないか。
「おらおらおらおら!」
そして俺は元々は前の層に続く道だった壁に向かってパンチしまくった。
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