幽霊祓い

akade

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第2章 復讐編

第92話 命を繋いだ者

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俺は元々、植物人間状態だったらしい。そんな俺を今の元気な状態まで戻したのはドクター・ラメラと名乗る人物だ。彼は、病院にいた植物人間状態の俺を連れ去らい、自分のラボで俺を被験者とする実験を行った。俺が初めて目を覚ました時、ラメラは嬉しそうにこちらを見ていた。

「できた、完成したぞ!!君の名前はクロ。私はラメラだ。覚えてくれたまえ。やはり、父の研究は正しかったんだ。君と私は同じような存在だ。だから、私のことを父と思って接しなさい。君は強くなれるよ」

それから、この世について色々なことを聞いた。GEAのこと、幽霊のことなどラメラは俺の知らない世界を教えてくれた。どうやら、彼も元はGEAに所属していた祓い師らしい。俺は自分を助けてくれたラメラのために強くなることを決意した。それから、多くの人を殺し、霊へと転じさせた。そして、それを祓い、霊気を取り込んだ。霊気を体内に溜め込み、力へと変えた。そんな日々が続いた。ある日、俺がラボに帰ると、ラメラが血を流して倒れていた。既に息を引き取りかけていた。ラメラの口から聞こえた最後の言葉は

「G・・・E・・・A・・・」

だった。やったのはGEAか。俺はGEAを恨むようになった。それから、ラメラのいない日々は退屈でしかなかった。俺は自分で霊気を生み出すことができないので、気づけば毎日、霊気集めに追われる日々になっていた。そんな中、日本旋廻が始まった。恐山での爆発に関しては俺にとってはかなり美味しいニュースだと思った。爆発で多くの人が死ねば、霊気が沢山集まる。だから、恐山に来た。そしたら凪澤コイツに出会った。凪澤に着いていくのもありかもしれないな。そうすれば、GEAも滅ぼせるかもしれない。

「・・・よし、戦いはやめだ」

「急にどうしたんだい?」

「心変わりだよ、お前に着いていく、影山」

「ふふ、感謝するよ、クロ」

そんな会話をしているともう1人、男が向こうから歩いてきた。




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