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ギルドカードのマッピング機能を使いこなしてみましょう!
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初めての訓練場所は玄関の前だった。
椅子に座って机を囲んで魔法書を見ながらではないらしい。
「お嬢ちゃん、って言うのも師弟関係と雇用関係に言うのも変だからメリッサって呼ぶわよ」
「すでに呼んでるので気にしてません」
すごく気にしたけどこの人の口調と何処か気の抜けた話し方に今更やめてください何て言うのも無理だろうし、言っても無視してくるのだろうと少ない時間でもどんな人柄かは少しは理解できてしまった。
「んで、メリッサは執事達に魔法をちょっと教えてもらった、でいいんだよね?」
「はい。貴族として生まれたのなら魔力操作位は覚えなさいと。
あと庭師や料理長達からもこっそりとだけど教えてもらいました」
「没落を見据えての教育なのは理解できたけど、正直言うと感心しないわ。
使用人が覚える魔法ってものすごく偏ってるから一般に魔法を教える教師から言わせてもらうと変な癖がついてるのよね。
まぁ、それも含めてメリッサが今どのくらいできるか見ましょうか」
「よろしくお願いします」
「じゃあギルドカードを出して、裏面を横にスライドしてくとマップって書かれたページがある。一ページ目はギルドからこの家までの道のりが書かれているから二ページ目から始めるよ。表面を軽く指先で叩いてもらえばいいわ」
「なるほど……」
少し薄暗い玄関先で言われたとおりギルドカードを操作する。
「次にギルドカードに魔力を少しでいいから流し続けてね」
「はい」
魔力を流せばほんわりと淡く輝きだした。
「おおっ……」
思わずと言う様に感動してしまう。
「まあまあうまく安定して流せるわね。
その状態が『起動』しているって言う状態、覚えておいてね。
マッピングする時は常時起動している状態だから疲れたら直ぐに止めるのがコツよ。
じゃないと途中でぶっ倒れるなんて女の子ならいろいろめんどくさいでしょ?
だから疲れたらやめる、これ絶対約束ね」
「判りました。
魔力の量はちょっと自信があるので頑張りすぎないで頑張ります」
「そうそう。
一カ月以内を目標に地図の完成を目指せばいいんだから空いた時間にちょくちょく作るって言う具合がいいわね。
じゃあ、まず始点になる場所をギルドカードを持ってない方の手でちょんとタッチして」
言われるままちょんと触ればそこに丸い点が出来た。
「次は魔力をギルドカードに流しながら、そうねぇ。まずはこの屋敷をぐるり一周歩きましょう。
こんな時間だからおっさんも一緒に歩いてあげるから安心していいわよ」
「ベルリオーズ様とご一緒なら安心かもしれませんが草むらから何が飛び出してくるかが不安です」
ネズミならいいがヘビやハチと言った害虫害獣は勘弁してほしい。
「それも含めてダイジョブよ。たぶん」
ほら、信用ならなかった。だけどそこは視線だけで文句を言えばベルリオーズ様は逃げるように歩き出した。
「まぁ、その点はおっさんも注意するから。
それよりギルドカードを見て。
視点からメリッサの歩くように線が引かれてるでしょ?」
「うわ、ほんとだ!何か不思議!」
なにもしてないのにギルドカードに線が書かれていくのが不思議で思わず見ながら歩いていれば
「きゃっ!」
「案外かわいい声で驚くのねぇ」
ベルリオーズ様の背中にぶつかって驚いて悲鳴を上げてしまえばそんな感想にむっとしてしまう。
まるでさっきまでの会話が可愛くないとでも言いたげな感想じゃないのとまた少しむっとしてしまうも
「ここ……」
「さっきご飯食べた場所。唯一の人が住める場所ね」
随分な説明だけど他に言いようがないのでとりあえず頷いておく。
「そのマップを二回素早くさっきみたいに叩いて?」
「はい……って、何か文字が現れましたけど、カラフルですね」
可愛いでしょ?と言う様に頷くベルリオーズ様はカードを覗き込んできて
「文字は読めるよね?
そこに出入り口って言う文字を一度だけ叩いて」
なんとなく馬鹿にした言い草だが識字率はあまり高くないこの国に私が最低限の文字を読めるか知識があるのか確認しながらでなくては前には進めない。
これはギルド向けだから、文字の読み書きが出来ない人でも最低限の文字と言葉が覚えられると思えばこのギルドカードの作り自体も簡単で、総て学のない人でもこれを使いこなせる頃にはそこそこの知識を得られるのではと気づいてしまった。
椅子に座って机を囲んで魔法書を見ながらではないらしい。
「お嬢ちゃん、って言うのも師弟関係と雇用関係に言うのも変だからメリッサって呼ぶわよ」
「すでに呼んでるので気にしてません」
すごく気にしたけどこの人の口調と何処か気の抜けた話し方に今更やめてください何て言うのも無理だろうし、言っても無視してくるのだろうと少ない時間でもどんな人柄かは少しは理解できてしまった。
「んで、メリッサは執事達に魔法をちょっと教えてもらった、でいいんだよね?」
「はい。貴族として生まれたのなら魔力操作位は覚えなさいと。
あと庭師や料理長達からもこっそりとだけど教えてもらいました」
「没落を見据えての教育なのは理解できたけど、正直言うと感心しないわ。
使用人が覚える魔法ってものすごく偏ってるから一般に魔法を教える教師から言わせてもらうと変な癖がついてるのよね。
まぁ、それも含めてメリッサが今どのくらいできるか見ましょうか」
「よろしくお願いします」
「じゃあギルドカードを出して、裏面を横にスライドしてくとマップって書かれたページがある。一ページ目はギルドからこの家までの道のりが書かれているから二ページ目から始めるよ。表面を軽く指先で叩いてもらえばいいわ」
「なるほど……」
少し薄暗い玄関先で言われたとおりギルドカードを操作する。
「次にギルドカードに魔力を少しでいいから流し続けてね」
「はい」
魔力を流せばほんわりと淡く輝きだした。
「おおっ……」
思わずと言う様に感動してしまう。
「まあまあうまく安定して流せるわね。
その状態が『起動』しているって言う状態、覚えておいてね。
マッピングする時は常時起動している状態だから疲れたら直ぐに止めるのがコツよ。
じゃないと途中でぶっ倒れるなんて女の子ならいろいろめんどくさいでしょ?
だから疲れたらやめる、これ絶対約束ね」
「判りました。
魔力の量はちょっと自信があるので頑張りすぎないで頑張ります」
「そうそう。
一カ月以内を目標に地図の完成を目指せばいいんだから空いた時間にちょくちょく作るって言う具合がいいわね。
じゃあ、まず始点になる場所をギルドカードを持ってない方の手でちょんとタッチして」
言われるままちょんと触ればそこに丸い点が出来た。
「次は魔力をギルドカードに流しながら、そうねぇ。まずはこの屋敷をぐるり一周歩きましょう。
こんな時間だからおっさんも一緒に歩いてあげるから安心していいわよ」
「ベルリオーズ様とご一緒なら安心かもしれませんが草むらから何が飛び出してくるかが不安です」
ネズミならいいがヘビやハチと言った害虫害獣は勘弁してほしい。
「それも含めてダイジョブよ。たぶん」
ほら、信用ならなかった。だけどそこは視線だけで文句を言えばベルリオーズ様は逃げるように歩き出した。
「まぁ、その点はおっさんも注意するから。
それよりギルドカードを見て。
視点からメリッサの歩くように線が引かれてるでしょ?」
「うわ、ほんとだ!何か不思議!」
なにもしてないのにギルドカードに線が書かれていくのが不思議で思わず見ながら歩いていれば
「きゃっ!」
「案外かわいい声で驚くのねぇ」
ベルリオーズ様の背中にぶつかって驚いて悲鳴を上げてしまえばそんな感想にむっとしてしまう。
まるでさっきまでの会話が可愛くないとでも言いたげな感想じゃないのとまた少しむっとしてしまうも
「ここ……」
「さっきご飯食べた場所。唯一の人が住める場所ね」
随分な説明だけど他に言いようがないのでとりあえず頷いておく。
「そのマップを二回素早くさっきみたいに叩いて?」
「はい……って、何か文字が現れましたけど、カラフルですね」
可愛いでしょ?と言う様に頷くベルリオーズ様はカードを覗き込んできて
「文字は読めるよね?
そこに出入り口って言う文字を一度だけ叩いて」
なんとなく馬鹿にした言い草だが識字率はあまり高くないこの国に私が最低限の文字を読めるか知識があるのか確認しながらでなくては前には進めない。
これはギルド向けだから、文字の読み書きが出来ない人でも最低限の文字と言葉が覚えられると思えばこのギルドカードの作り自体も簡単で、総て学のない人でもこれを使いこなせる頃にはそこそこの知識を得られるのではと気づいてしまった。
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