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第二話
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「それで、婚約破棄? マルサスくんがそんなことを……。ふーむ、テスラー伯爵の方から頼み込まれて縁談を受けることにしたのだが」
私はお父様に婚約破棄されたことを報告しました。
どうやら、今回の婚約は侯爵であるお父様にマルサス様の父であるテスラー伯爵が持ちかけたお話みたいです。
私はそういう経緯すら聞いていませんでしたが、それを考慮するとマルサス様はテスラー伯爵にかなり怒られるんじゃ……。
「まぁ、男児たる者が土下座までしたのだから余程の事情があるのだろうが。うーん、去年エドワードが結婚したから、今年はルティアが結婚し、来年にはシェリアの番だと予定していたが、予定が狂ってしまったなぁ」
お父様はマルサス様が土下座までしたと聞いて、一定の理解を示しましたが納得はしていないみたいでした。
私も婚約破棄後の彼の狂喜乱舞っぷり見ると、どうにもこうにもモヤモヤとした感情が胸に残ってしまいます。
「わたくしは別に気にしませんわ。特に結婚願望もありませんし」
「ワシが気にするのだ。馬鹿者!」
「すみません。お父様、私が婚約破棄されたばっかりにシェリアまで婚期が遅れるなんて」
ヘラヘラと笑うシェリアは私にきっと気を使ってくれたのでしょう。
お父様は去年家を出たお兄様に爵位を譲る前に私たちのことをきちんと送り出したいと思っているはずですから。
「ところで、ルティア。そのう、マルサス様はどうしてあなたと婚約破棄をしたいと突然言い出したのですか? 何か、あなたが粗相でも?」
それまで黙って話を聞いていたお母様が婚約破棄の理由を尋ねました。
そういえば言っていませんでしたね。婚約破棄の理由を……。
土下座が衝撃的すぎて、肝心の理由を話していませんでした。
「いえ、敢えて言うならば健康であったことくらいでしょうか」
「はぁ? よく分からないことをいうな。きちんと説明しなさい」
私のセリフを聞いて首を傾げる父は詳しい説明を求めます。
そうですね。ちゃんと事細かに話しましょう。
私は家族に伯爵家での顛末を話しました。
マルサス様が幼馴染のエリナさんとの結婚が諦められないと言って、婚約破棄したいと言い出したことを伝えたのです。
「両思いの病弱な幼馴染がいて、それを引き剥がしてしまったということか。なるほど、そんなことはテスラー伯爵は一言も言っていなかったし、マルサスくんもせめて、もっと早めに言って欲しかった」
「わたくしはルティアの婚約指輪を奪い取ったことが信じられません。まして、それを他の女性にプレゼントするなんて」
「500万エルドもした高価な品ではある。だが、あれはルティアのサイズに合わせたオーダーメイドだし他の娘さんにプレゼントしたところで喜ばれんと思うが」
両親はマルサス様の行動が理解出来ないという感じです。
私としては、もはや彼への執着心というものは欠片も残ってはいないのですが、何と言いましょうか、これからの後処理とか今でのことが無駄になった虚無感で精神的に参ってしまいました。
「ねぇ、お姉様。その、エリナさんって。エリナ・クランツのことですか? クランツ子爵家の次女の……」
「え、ええ、そうですが」
「変ですわ。エリナさん、確か隣国……ルーメリア王国の辺境伯様と婚約していたはずですが」
「「えっ……?」」
妹のシェリアの言葉で家族一同、キョトンとしてしまい、お互いに顔を見合わせました――。
私はお父様に婚約破棄されたことを報告しました。
どうやら、今回の婚約は侯爵であるお父様にマルサス様の父であるテスラー伯爵が持ちかけたお話みたいです。
私はそういう経緯すら聞いていませんでしたが、それを考慮するとマルサス様はテスラー伯爵にかなり怒られるんじゃ……。
「まぁ、男児たる者が土下座までしたのだから余程の事情があるのだろうが。うーん、去年エドワードが結婚したから、今年はルティアが結婚し、来年にはシェリアの番だと予定していたが、予定が狂ってしまったなぁ」
お父様はマルサス様が土下座までしたと聞いて、一定の理解を示しましたが納得はしていないみたいでした。
私も婚約破棄後の彼の狂喜乱舞っぷり見ると、どうにもこうにもモヤモヤとした感情が胸に残ってしまいます。
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「ワシが気にするのだ。馬鹿者!」
「すみません。お父様、私が婚約破棄されたばっかりにシェリアまで婚期が遅れるなんて」
ヘラヘラと笑うシェリアは私にきっと気を使ってくれたのでしょう。
お父様は去年家を出たお兄様に爵位を譲る前に私たちのことをきちんと送り出したいと思っているはずですから。
「ところで、ルティア。そのう、マルサス様はどうしてあなたと婚約破棄をしたいと突然言い出したのですか? 何か、あなたが粗相でも?」
それまで黙って話を聞いていたお母様が婚約破棄の理由を尋ねました。
そういえば言っていませんでしたね。婚約破棄の理由を……。
土下座が衝撃的すぎて、肝心の理由を話していませんでした。
「いえ、敢えて言うならば健康であったことくらいでしょうか」
「はぁ? よく分からないことをいうな。きちんと説明しなさい」
私のセリフを聞いて首を傾げる父は詳しい説明を求めます。
そうですね。ちゃんと事細かに話しましょう。
私は家族に伯爵家での顛末を話しました。
マルサス様が幼馴染のエリナさんとの結婚が諦められないと言って、婚約破棄したいと言い出したことを伝えたのです。
「両思いの病弱な幼馴染がいて、それを引き剥がしてしまったということか。なるほど、そんなことはテスラー伯爵は一言も言っていなかったし、マルサスくんもせめて、もっと早めに言って欲しかった」
「わたくしはルティアの婚約指輪を奪い取ったことが信じられません。まして、それを他の女性にプレゼントするなんて」
「500万エルドもした高価な品ではある。だが、あれはルティアのサイズに合わせたオーダーメイドだし他の娘さんにプレゼントしたところで喜ばれんと思うが」
両親はマルサス様の行動が理解出来ないという感じです。
私としては、もはや彼への執着心というものは欠片も残ってはいないのですが、何と言いましょうか、これからの後処理とか今でのことが無駄になった虚無感で精神的に参ってしまいました。
「ねぇ、お姉様。その、エリナさんって。エリナ・クランツのことですか? クランツ子爵家の次女の……」
「え、ええ、そうですが」
「変ですわ。エリナさん、確か隣国……ルーメリア王国の辺境伯様と婚約していたはずですが」
「「えっ……?」」
妹のシェリアの言葉で家族一同、キョトンとしてしまい、お互いに顔を見合わせました――。
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