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第十九話(マルサス視点)
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僕が「フラッシュモブでプロポーズ大作戦」に使った5050万エルド。
父上はこれを耳を揃えて払えという。
払えなければ、僕は勘当だとも……。
払ってみせるさ。勘当を免れて、再びルティアに愛の告白をするために。
そもそも好感度は高いと思うんだよね。アウトプットを失敗しただけで。
やはり情報を集めることって大事だな。
あれから調べた結果、フラッシュモブは非常に好き嫌いが分かれるらしい。
サプライズが嫌いな女性がいるとは思っていなかった。なんか、記念日とかに驚かせることをしてりゃいいんだろって思っていたんだ。
しかし、この僕は学習した。
敢えて言おう。今日から僕はニューマルサスだと。バージョンアップしたこの僕の愛の物語にご期待あれ!
「ふふ、今日からニューマルサス……」
「で、ニューバカ様は5050万エルド稼ぐあてがあるのですか?」
「……うぴゃあっ!? い、いきなり話しかけるな!? も、もちろんあるとも、真っ当な手段がな! んっ? 今、バカって言った?」
「真っ当な手段がある? どう考えても無理だと思うのですが」
「僕にだって50万エルドくらいの現金は持っている。要するに、これを101倍にすれば良いのだ。……ねぇ、バカって言った?」
そうだ。
貧しい平民たちと違って、僕は伯爵令息。このテスラー伯爵家の跡取りだ。
金は持っている。まぁ、無駄遣いさえしてなければ1000万くらいあるはずなんだけど、死んだ子供を数えても仕方がない。
「それで、その101倍にする手段というのは……?」
「カジノに決まっているだろう?」
「…………バカをバージョンアップさせてどうするのですか?」
カジノで勝負!
これしか手はないと思った。
実は101倍というのは大した倍率じゃあない。
2、4、8、16と倍々していくと、7回目で128倍になるのだ。
つまり倍率2倍でも最速でたったの7連勝すれば50万エルドは128倍となり、僕は目標が達成できるという算段。
よーーーーし! レッツ、カジノーーーー!!
「く、黒が5回続いたから……! 次こそ、赤だ!!」
一気に残り5万エルドになってしまった……。
僕はここが勝負時だと思って、ルーレットで5万エルドを全ベットする。
これは固いだろう。なんせ、さっきまで5回連続で黒が続いたんだ。
6回連続で黒が出るはずがない。ここは赤にかけておけば、十中八九……当たるはずなんだ。
周りのみんなも、その気配を感じ取ったのか赤にごっそりベットされていた。
こりゃあ、カジノは大損なんじゃないかな……。
さぁ、来い! 赤に来い! 赤だ! 赤だ! 赤に…………来るんだーーーーーーーーっ!!
「畜生! また黒だ……!」
「黒かよ。かーっ、ついてねぇなー」
「まったく、黒が続く日だな……」
「ぽえっ!?」
う、嘘だろ……?
ぼ、僕の全財産が……。パァ?
こ、これで一文無し……?
そ、そんな、こんなに黒が続くなんて。なんで、ツイていないんだ……。
「おおーっ! あっちの姉ちゃん! あんなに沢山のチップを黒に賭けてたんだ」
「つーか、あの女、さっきから勝ちすぎだろ! あのチップの山……、軽く一千万エルドはあるぞ!」
「若様、こういう賭博場は初めてですが存外楽しいものですね」
アネットーーーーーーーーっ!?
お、お前、こんなに沢山勝っていたのかーーーーーっ!!
くそっ! くそっ! くそっ! ずるいじゃないか! お前ばっかり!!
こ、こうなったらーーーーーっ!!
「お金貸してください……!」
「そうやって使用人に躊躇いなく土下座出来るのは若様くらいでしょうね……」
父上はこれを耳を揃えて払えという。
払えなければ、僕は勘当だとも……。
払ってみせるさ。勘当を免れて、再びルティアに愛の告白をするために。
そもそも好感度は高いと思うんだよね。アウトプットを失敗しただけで。
やはり情報を集めることって大事だな。
あれから調べた結果、フラッシュモブは非常に好き嫌いが分かれるらしい。
サプライズが嫌いな女性がいるとは思っていなかった。なんか、記念日とかに驚かせることをしてりゃいいんだろって思っていたんだ。
しかし、この僕は学習した。
敢えて言おう。今日から僕はニューマルサスだと。バージョンアップしたこの僕の愛の物語にご期待あれ!
「ふふ、今日からニューマルサス……」
「で、ニューバカ様は5050万エルド稼ぐあてがあるのですか?」
「……うぴゃあっ!? い、いきなり話しかけるな!? も、もちろんあるとも、真っ当な手段がな! んっ? 今、バカって言った?」
「真っ当な手段がある? どう考えても無理だと思うのですが」
「僕にだって50万エルドくらいの現金は持っている。要するに、これを101倍にすれば良いのだ。……ねぇ、バカって言った?」
そうだ。
貧しい平民たちと違って、僕は伯爵令息。このテスラー伯爵家の跡取りだ。
金は持っている。まぁ、無駄遣いさえしてなければ1000万くらいあるはずなんだけど、死んだ子供を数えても仕方がない。
「それで、その101倍にする手段というのは……?」
「カジノに決まっているだろう?」
「…………バカをバージョンアップさせてどうするのですか?」
カジノで勝負!
これしか手はないと思った。
実は101倍というのは大した倍率じゃあない。
2、4、8、16と倍々していくと、7回目で128倍になるのだ。
つまり倍率2倍でも最速でたったの7連勝すれば50万エルドは128倍となり、僕は目標が達成できるという算段。
よーーーーし! レッツ、カジノーーーー!!
「く、黒が5回続いたから……! 次こそ、赤だ!!」
一気に残り5万エルドになってしまった……。
僕はここが勝負時だと思って、ルーレットで5万エルドを全ベットする。
これは固いだろう。なんせ、さっきまで5回連続で黒が続いたんだ。
6回連続で黒が出るはずがない。ここは赤にかけておけば、十中八九……当たるはずなんだ。
周りのみんなも、その気配を感じ取ったのか赤にごっそりベットされていた。
こりゃあ、カジノは大損なんじゃないかな……。
さぁ、来い! 赤に来い! 赤だ! 赤だ! 赤に…………来るんだーーーーーーーーっ!!
「畜生! また黒だ……!」
「黒かよ。かーっ、ついてねぇなー」
「まったく、黒が続く日だな……」
「ぽえっ!?」
う、嘘だろ……?
ぼ、僕の全財産が……。パァ?
こ、これで一文無し……?
そ、そんな、こんなに黒が続くなんて。なんで、ツイていないんだ……。
「おおーっ! あっちの姉ちゃん! あんなに沢山のチップを黒に賭けてたんだ」
「つーか、あの女、さっきから勝ちすぎだろ! あのチップの山……、軽く一千万エルドはあるぞ!」
「若様、こういう賭博場は初めてですが存外楽しいものですね」
アネットーーーーーーーーっ!?
お、お前、こんなに沢山勝っていたのかーーーーーっ!!
くそっ! くそっ! くそっ! ずるいじゃないか! お前ばっかり!!
こ、こうなったらーーーーーっ!!
「お金貸してください……!」
「そうやって使用人に躊躇いなく土下座出来るのは若様くらいでしょうね……」
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