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第8章 立ち上がライズ! ドワーフじゃーないと!

第176話 飛び込み

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「さて、戻るよ、ゴルド」
「ああ、荷物はワシが……」
「いいよいいよ、持てるから」
「そ、そうですか……」

 ゴルドと琥珀は、買い物を終え、スーパーを後にしていた。

「しかし、日本の市場……スーパーマーケットでしたっけ? 凄いですね、一度瑠璃に連れて行ってもらったんですが、いつ見ても圧巻です」
「そうかいそうかい」

 ゴルドと琥珀は他愛のない会話をしつつ、帰路へと向かっていた。
 会話と言っても、ゴルドの話すことに対し、琥珀が相槌を打っているだけなのだが……ゴルドはそれでも、満足気だった。
 ……そんな時。

「待って……なんだいあれは?」
「……え?」

 琥珀の視線の先、そこには橋が架かっていた。
 土手と土手を結ぶ鉄橋……それだけなのだが、少し異様な部分があった。

 歩道に杖を突いた少年が立っていた……が、少年は明後日の方向を向き、川の方へと歩いていた。

「あいつ……なぜそっちに?」

 ゴルドも違和感を覚えたのか、その少年に注目した。
 少年はそのまま杖を落とし……橋の手すりに手を掛けた。

「な、なんだい!?」
「あ、あぶねぇ!!」

 ゴルドは買い物袋をその場に落とし、少年の元へと走った。
 少年が上半身を手すりに掛けたその時、間一髪で、ゴルドが少年を抑えた。

「おい! 何やってんだ!」

 ゴルドは小さな体で少年を抑える。
 少年は抵抗を見せ、暴れ始めた。

「離せ! 離せよ! 僕はもう生きていたくないんだ!」
「何馬鹿なこと言ってんだ!」

 琥珀も買い物袋を置き、少年の元へと走った。

「ちょ、ちょっと! 大丈夫かい! ……って貴方は」

 琥珀は、その少年に見覚えがあった。

「琥珀さん! こいつの知り合いですか!?」
「あぁ、この子は……」

 少年は、琥珀を見ると、冷静になったのか、落ち着き始めた。

「だ、駄菓子屋のおばちゃん……」
「駄菓子屋? つうことはこいつ……」

 ゴルドは、この少年が何者なのか察した。

「やぁ、久しぶりかな? ……『銀次くん』、だよね?」
「……うん」

 少年……銀次は、腕の力を緩め、地面に足を着いた、が。

「いててて!」
「お、おい……大丈夫か?」

 銀次は足を着くのと同時に、足を抑え、痛みを訴え……苦しみだした。
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