囚われのカルマ
同種の殺害は永遠の罪である。それは、この世界にかつて存在した神が言った言葉だ。例えば、人間が人間を殺せば、その殺人者の魂は輪廻転生の輪からはずされ、二度と生まれ変わることはできない。殺意とはあるきっかけで偶然発生するもので、それをコントロールできない弱い者が罪を犯す。かつて人間は共に助け合い、文明を開花させてきた。時には戦争が起こり、殺し合いが起こった。しかし、その汚れた魂は浄罪師によって処分され、罪人の魂はこの世に戻ってこれないようになっていた。しかし、300年ほど前に突然浄罪師は消えた。理由は不明。噂では反逆者に封印されたとか。
神といっても過言でない存在の浄罪師が消えた世では、汚れた魂はそのまま生まれ変われるようになり、まるで生物濃縮のように罪が重なり、いつしか殺人は当たり前のように起こるようになった。中には人間とは思えないほど凶暴化し、人を食らう悪魔のような者も生まれた。
人々は彼らをこう呼んだ「囚われのカルマ」。前世から持ち込んだ罪を背負って生まれた哀れな生物。彼らはその残酷な定めに抗えず、ひたすら罪を重ねるのだ。意思とは関係なく止めどない殺意にさいなまれ、いつかは誰かに殺される運命。
だが、人間もバカじゃない。罪を持たずに生まれてきた者達で巨大な組織「アンダーグラウンド」を作り、「囚われのカルマ」達を牢獄に監禁し始めた。彼らは街に散らばる罪人を捕まえ、地下牢獄に閉じ込めている。このおかげで何とか人々は地上で生活ができるようになっていた。しかし、死と隣り合わせの生活。治安は最悪である。しかも自分がいつ殺意を発症させるか分からないのだ。汚れた魂をもって生まれてくると、遅かれ早かれいつか必ず、殺意が芽生え、人を殺す。
魂の清潔さを知れるのはこの世には神である浄罪師とその使徒である「死神」しかいない。
死神は人の魂の情報をすべて知っている。飼い主である浄罪師が不在の今、彼らはアンダーグラウンドの人々と手を組み、汚れた魂狩りに協力していた。
死神の好物は汚れた魂。彼らにとって、アンダーグラウンドの保有する地下牢獄は格好の餌場だ。年中殺し合いが行われ、汚れた魂が楽に手に入るのだから。
死神と手を組んだ人類の行く末は、、、彼らに希望の光は見えるのか。
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