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4章 王妃と側妃
9.レンメール国の王女
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「レンメール国第二王女ミランダです。お会いできて光栄ですわ。」
連絡が来たのは先週だと言うのに、王女を含めた一団はすぐに到着した。
おそらく書簡を出したすぐ後、こちらの返事を待たずに出発したのだろう。
どうしてそんなに急いでこちらの国に来たのかは、
レーンガル公爵家の2人に聞くことになるのだろう。
だけど身分的に上の王女がいるからには、こちらに先に会わなければいけない。
そう思って、到着した翌日に会うことにした。
銀髪で紫目のミランダ王女は長身で、文句のつけようのない美女だった。
まだ17歳ということで留学希望だったのだろうが、幼さは感じない。
銀髪という点でリリーアンヌと似た感じでもあるが、印象が違った。
王女として生まれ、王女として育ってきたのだろうが、少し違う。
何か普通の王女とは違う印象を受けた。
お付きの女官は連れて来ず、侍従を一人連れていた。
黒髪に茶目の長身だが、男性としては少し細いようにも思う。
女性のようにも見える侍従だが、聞くところによると剣技が強いらしい。
こちらに来るまでの間も盗賊を始末していると聞いた。
ただ、人払いをと王女に願われたのだが、この侍従は動こうとしない。
いったいどういうことなんだろうか。
「リーンハルトです。こちらこそ、お会いできてうれしいです。
王女のほうから会いに来てくれるとは思っていませんでした。」
「ええ。実はお願いがあってきました。
書簡にするわけにはいかなかったので、直接お話ししたくて。」
「お願いですか?」
「はい。私を娶るにしても、王妃か側妃か迷われていますよね。
それを王妃にしてほしいとお願いに来ました。」
「王妃に、ですか?理由を聞かせてもらえますか?」
王女らしく一番でなければ気が済まないとかいう理由なら問題ない。
言われてもそのお願いを聞く理由が無いからだ。
だけど、なんとなくこの王女は違う気がする。
「形だけの王妃にしてほしいのです。
陛下は今の王妃を愛していらっしゃるのですよね?
今回王妃と側妃を娶るのも、議会に言われて仕方なくですわよね?」
「形だけの王妃ですか?」
「ええ。王妃としての仕事はきちんとこなします。
側妃だと、形だけの側妃というわけにはいきませんでしょう?
側妃は子を産むのが仕事ですもの。」
「理由をお聞きしても?」
王女はにっこり笑って、後ろにいる侍従の手を取った。
「私はこの侍従、カインを愛しています。
ですが、伯爵家の三男のカインでは降嫁できないのです。
一緒に逃げることも考えましたが、その時に陛下との話が来て。
陛下と今の王妃の恋愛物語は有名な話です。
他に娶るのが嫌な陛下なら、
この願いを聞いてくれるのではないかと思いました。」
連絡が来たのは先週だと言うのに、王女を含めた一団はすぐに到着した。
おそらく書簡を出したすぐ後、こちらの返事を待たずに出発したのだろう。
どうしてそんなに急いでこちらの国に来たのかは、
レーンガル公爵家の2人に聞くことになるのだろう。
だけど身分的に上の王女がいるからには、こちらに先に会わなければいけない。
そう思って、到着した翌日に会うことにした。
銀髪で紫目のミランダ王女は長身で、文句のつけようのない美女だった。
まだ17歳ということで留学希望だったのだろうが、幼さは感じない。
銀髪という点でリリーアンヌと似た感じでもあるが、印象が違った。
王女として生まれ、王女として育ってきたのだろうが、少し違う。
何か普通の王女とは違う印象を受けた。
お付きの女官は連れて来ず、侍従を一人連れていた。
黒髪に茶目の長身だが、男性としては少し細いようにも思う。
女性のようにも見える侍従だが、聞くところによると剣技が強いらしい。
こちらに来るまでの間も盗賊を始末していると聞いた。
ただ、人払いをと王女に願われたのだが、この侍従は動こうとしない。
いったいどういうことなんだろうか。
「リーンハルトです。こちらこそ、お会いできてうれしいです。
王女のほうから会いに来てくれるとは思っていませんでした。」
「ええ。実はお願いがあってきました。
書簡にするわけにはいかなかったので、直接お話ししたくて。」
「お願いですか?」
「はい。私を娶るにしても、王妃か側妃か迷われていますよね。
それを王妃にしてほしいとお願いに来ました。」
「王妃に、ですか?理由を聞かせてもらえますか?」
王女らしく一番でなければ気が済まないとかいう理由なら問題ない。
言われてもそのお願いを聞く理由が無いからだ。
だけど、なんとなくこの王女は違う気がする。
「形だけの王妃にしてほしいのです。
陛下は今の王妃を愛していらっしゃるのですよね?
今回王妃と側妃を娶るのも、議会に言われて仕方なくですわよね?」
「形だけの王妃ですか?」
「ええ。王妃としての仕事はきちんとこなします。
側妃だと、形だけの側妃というわけにはいきませんでしょう?
側妃は子を産むのが仕事ですもの。」
「理由をお聞きしても?」
王女はにっこり笑って、後ろにいる侍従の手を取った。
「私はこの侍従、カインを愛しています。
ですが、伯爵家の三男のカインでは降嫁できないのです。
一緒に逃げることも考えましたが、その時に陛下との話が来て。
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他に娶るのが嫌な陛下なら、
この願いを聞いてくれるのではないかと思いました。」
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