めんどくさいが口ぐせになった令嬢らしからぬわたくしを、いいかげん婚約破棄してくださいませ。

 ほぅ……(溜息)

 前世で夢中になってプレイしておりました乙ゲーの中で、わたくしは男爵の娘に婚約者である皇太子さまを奪われそうになって、あらゆる手を使って彼女を虐め抜く悪役令嬢でございました。
  
 ですのに、どういうことでございましょう。
 現実の世…と申していいのかわかりませぬが、この世におきましては、皇太子さまにそのような恋人は未だに全く存在していないのでございます。
 

 皇太子さまも乙ゲーの彼と違って、わたくしに大変にお優しいですし、第一わたくし、皇太子さまに恋人ができましても、その方を虐め抜いたりするような下品な品性など持ち合わせてはおりませんの。潔く身を引かせていただくだけでございますわ。
 
 ですけど、もし本当にあの乙ゲーのようなエンディングがあるのでしたら、わたくしそれを切に望んでしまうのです。婚約破棄されてしまえば、わたくしは晴れて自由の身なのですもの。もうこれまで辿ってきた帝王教育三昧の辛いイバラの道ともおさらばになるのですわ。ああなんて素晴らしき第二の人生となりますことでしょう。
 

 ですから、わたくし決めました。あの乙ゲーをこの世界で実現すると。
 
 そうです。いまヒロインが不在なら、わたくしが用意してしまえばよろしいのですわ。そして皇太子さまと恋仲になっていただいて、わたくしは彼女にお茶などをちょっとひっかけて差し上げたりすればいいのですよね。

 
 さあ始めますわよ。
 
 婚約破棄をめざして、人生最後のイバラの道行きを。
 


 

  ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 

 
 ヒロインサイドストーリー始めました
 『めんどくさいが口ぐせになった公爵令嬢とお友達になりたいんですが。』

 ↑ 統合しました


24h.ポイント 7pt
33
小説 39,914 位 / 219,404件 恋愛 17,599 位 / 64,381件

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢の私が育てた義息子が天使すぎる~子は親の鏡というけれど~

放浪人
恋愛
社交界で高慢、冷酷、傲慢と嫌われ、“悪役令嬢”の汚名を着せられた侯爵令嬢ヴィオレッタ・アシュベリー。婚約破棄と断罪の末、彼女は厄介払い同然に北方辺境のヴァレンティス公爵家へ嫁がされることになる。夫となるのは、寡黙で苛烈な北方公爵レオンハルト。そしてその家には、亡き前妻の忘れ形見である七歳の嫡男ルカがいた。 初対面のルカは、あまりにも完璧だった。 礼儀正しく、利発で、聞き分けがよく、誰の手も煩わせない。まるで天使のような子ども――けれどヴィオレッタはすぐに気づく。この子は、“いい子”なのではない。“いい子でいなければ、捨てられると思い込んでいる”のだと。 人の本心を映す希少な鏡魔法を持ち、その力ゆえに王都で疎まれたヴィオレッタは、ルカの笑顔の奥にある不安と諦めを見抜く。最初は継母としても公爵夫人としても歓迎されず、夫には疑われ、使用人たちには警戒される。だが彼女は、ただ一つだけ決める。 ――この子だけは、大人の都合で傷つけさせない。 温かな食卓。雪の日の散歩。夜更けの絵本。熱を出した夜の震える手。少しずつ、ほんの少しずつ、ルカはヴィオレッタの前でだけ“子ども”になっていく。やがてその変化は、公爵家の空気を変え、父であるレオンハルトの後悔を呼び起こし、閉ざされていた家族の時間を動かし始める。 だが、ヴィオレッタを悪役令嬢に仕立て上げた王都の陰謀はまだ終わっていなかった。北方を守る古代の大鏡、ルカに宿る特別な祝福、公爵家を操ろうとする王家の思惑。すべてが交錯するなか、ヴィオレッタはついに知る。ルカが“いい子”をやめられなかった本当の理由を。そして、自分自身もまた、誰かに正しく愛されたことがなかったのだと。 これは、悪役令嬢と呼ばれた不器用な女が、義息子の母となり、夫の家族となり、ひとつの家を、ひとりの子どもの未来を、そして自分自身の幸せを取り戻していく物語。

悪役令嬢の末路

ラプラス
恋愛
政略結婚ではあったけれど、夫を愛していたのは本当。でも、もう疲れてしまった。 だから…いいわよね、あなた?

呪毒鑑定士の令嬢、冤罪で追放されたので国中の「呪い」を解除して回る

あめとおと
恋愛
王宮で地味に「呪物の鑑定と浄化」を担っていた伯爵令嬢。異世界から来た「聖女」に、汚いものを扱う不浄な女だと蔑まれ、婚約者の王子からも「お前の代わりは聖女がいる」と断罪・追放される。 しかし、彼女が密かに浄化していたのは、王宮の地下に溜まった建国以来の強大な呪いだった。彼女が去った瞬間、王宮は真っ黒な泥に沈み、王子たちの顔には消えない呪いの痣が浮き上がる。

悪役令嬢に転生したので推しの悪役王子を救おうと思います!

かな
恋愛
大好きな乙女ゲームの世界の悪役令嬢に転生!? しかもこのままだと最推しが死んじゃうんですけど!? そんなの絶対ダメ!! そう思って推しの死亡ルートを回避しようと奮闘していると、何故か溺愛が始まって……。 「私に構っている暇があったら、(自分の命の為に)ヒロインを攻略して下さい!」 距離を取ろうとしたのに、推しから甘やかされて……? 推しを救うために頑張ってたら、溺愛ルートに突入しました!? 他サイト様にも掲載中です

その破滅エンド、ボツにします!~転生ヒロインはやり直し令嬢をハッピーエンドにしたい~

福留しゅん
恋愛
自分がシナリオを書いた乙女ゲームの世界に転生したメインヒロインはゲーム開始直後に前世を思い出す。一方の悪役令嬢は何度も断罪と破滅を繰り返しては人生をやり直していた。そうして創造主の知識を持つヒロインと強くてニューゲームな悪役令嬢の奇妙な交友が始まる――。 ※小説家になろう様にも投稿しています。

ヒロインだと言われましたが、人違いです!

みおな
恋愛
 目が覚めたら、そこは乙女ゲームの世界でした。  って、ベタすぎなので勘弁してください。  しかも悪役令嬢にざまあされる運命のヒロインとかって、冗談じゃありません。  私はヒロインでも悪役令嬢でもありません。ですから、関わらないで下さい。

破滅したくない悪役令嬢によって、攻略対象の王子様とくっつけられそうです

村咲
恋愛
伯爵令嬢ミシェルは、第一王子にして勇者であるアンリから求婚されていた。 しかし、アンリが魔王退治の旅から帰ってきたとき、旅の仲間である聖女とアンリの婚約が宣言されてしまう。 原因はここが乙女ゲームの世界であり、ヒロインである聖女が旅の間にイベントを進めたためである――と、ミシェルは友人である王女アデライトから教えられる。 実はアデライトは、悪役令嬢というゲームの敵役。アンリと聖女が結婚すれば、アデライトは処刑されてしまうらしい。 処刑を回避したいアデライトは、どうにかミシェルとアンリをくっつけようと画策するが……。 アンリの方にも、なにやら事情があるようで? カクヨムにも転載しています。

わがままな婚約者はお嫌いらしいので婚約解消を提案してあげたのに、反応が思っていたのと違うんですが

水谷繭
恋愛
公爵令嬢のリリアーヌは、婚約者のジェラール王子を追いかけてはいつも冷たくあしらわれていた。 王子の態度に落ち込んだリリアーヌが公園を散策していると、転んで頭を打ってしまう。 数日間寝込むはめになったリリアーヌ。眠っている間に前世の記憶が流れ込み、リリアーヌは今自分がいるのは前世で読んでいたWeb漫画の世界だったことに気づく。 記憶を思い出してみると冷静になり、あれだけ執着していた王子をどうしてそこまで好きだったのかわからなくなる。 リリアーヌは王子と婚約解消して、新しい人生を歩むことを決意するが…… ◆表紙はGirly Drop様からお借りしました ◇小説家になろうにも掲載しています