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一章
④
しおりを挟む担任に促されて2人、教室の…いや、カオスの中へ。
入って早々、壇上でのカオスに気付いた担任は、冷や汗ダラダラで床下へ視線を反らす僕と広太の間を素通りして、目の前でやんややんや騒いでいる元凶に、声を掛けた。
その表情は実に、面倒くさげである。仮にも教師がそんな顔していいのかってぐらい面倒くさげである。
「マイスイート幸は良いとして……何でお前らが堂々と此方に居るんだ、アイドル科」
元凶もとい目の前の、ファンを侍らせたアイドル科(カオス)四人組と兄上に。
っか、何でまたいらっしゃってんの兄上。
帰れよできすぎ!!此処はオメェーの星じゃねぇんだ!って心の中でしか叫べない僕、チキンです。
「なんだ、居ちゃ悪いのか?あ゛?」
「あかん。口が悪いで、多々良君」
「…っけ!」
赤髪の関西弁にピシャリと叱られ、担任にガンくれていた金髪ヤンキーは渋々と後ろに下がって、悔しまぎれに唾を床に吐き捨てた。
何だこいつ汚ねぇなオイ。誰が掃除すると思ってんだ、万年ジャンケン敗戦王の広太だぞ。
担任は担任で、喧嘩売られてンのにまだ面倒そうな顔。優男な地味男にしては神経図太いな担任。
「堪忍な、水嶋センセ。幸が一年に用事あるゆうてワイ等が勝手に着いてきたんや」
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