もっと近づきたいって思うのは、そんなにダメなことなの?

もっと距離を縮めたい

ノアと付き合って3ヶ月が経ったヴァレリアは、自分ばかりが「ノア」と下の名前で呼んでいることに少しばかり不満を抱いていた。

しかしノアと2人でいるだけで幸せなんだ、と自分に言い聞かせきた。

が、ある日。

"いま同じこと思ってた。同じだ"

柔和な笑顔を向けるノアを前にしたらーーノアの手を握っていた。のだけど、

「……っ!」

ノアはヴァレリアに掴まれた手を見た途端にその手を振り解き、

「もういい」

振り解かれたヴァレリアは走り去ってしまって。

心を通わせながらも、すれ違うふたり。好きなのに近づけない――そんな不器用な想いが交差するとき、ふたりが選ぶ答えとは?
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