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土曜日の学校は濃いメンツ

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朝目が覚めたら私は自分のベットに寝ていた。おそらく真斗が泣き疲れて寝てしまった私をベットに運んでくれたようだ。
私はリビングにいた真斗を見つけてお礼を言った。

「おはよう、真斗。あの…昨日はありがとう。そして見苦しいものを見せてごめんなさい」

頭を下げてもう一度真斗を見ると、エプロン姿で朝食を作っていた。
真斗はテーブルにお味噌とご飯、目玉焼きを作ってくれていた。…男性が食事の準備をするのは驚いたわ。専属コックならわかるけど年頃の男性が作るのって不思議。いえ、男性だけの話じゃないわ。みんな作るのよね。

「ん。朝ごはんだ。長峰達はもう来るだろうけど時間がないし、とりあえずこれ食って学校いくぞ」

「え?えぇ、わかったわ。それよりも貴方ご飯作れるのね。ふふ、いいお嫁さんになれるわよ」

バカか、と少し呆れたように笑う真斗だった。

朝食を終えて、ちょうどセバスチャンやメイド達も来て片付けは任せて、私達は学校へ向かった。
学校へ行くと相変わらず、私をみてはヒソヒソ話やら、避けられるわ、睨まれるわ。周りの視線が痛いわね。

「……大丈夫か?」

心配そうに声をかける真斗。

「大丈夫にみえないかしら?」

クスっと笑いかけると真斗も笑った。

「悪役な顔してるぞ、大丈夫だな」

最近真斗とは少しずつ冗談を言える仲になったかしら。言葉は少ないけれど私を心配してくれてる。

「紫苑ちゃん」

振り返るとそこに何故か鬼頭千がいた。

「ラッキー!きてるかわからないけど、試しに土曜日きてみたけど、ねえ今日の放課後とかひま?暇ならカラオケとかいかない?」

カラオケって何かしら。

「…鬼頭、こいつはアンタに構ってる暇なんてねえよ」

真斗は前に出て、鬼頭千を睨んでいた。

「…ねえ、君さあー。一年だよね?先輩に対してタメ口ってなんなの?」

「先輩とかでないだろ。あんたは」

「は?」

「あ?」

二人共火花を散らして睨みあっているけど、どうしたらよいのかしら。二人の間に挟まって身動きがとれないわ。

「如月さん、おはよう。今日の部活見学の事だけどー…って、真斗君と鬼頭君。二人は何してるの?」

ニッコリと朝から爽やかな笑顔で二人にむけた西園寺さん。

「西園寺先輩、今日ですけど俺も一緒にいくんで」

見たことのないような嫌味な笑顔を向けた真斗に西園寺さんは笑顔のまま一瞬固まっていた。

「なるほどなるほど、俺も一緒にまわるわ!俺部活入ってないから一緒に紫苑ちゃんと探すわ」

西園寺さんと真斗の間に入り、ケラケラ笑いながら二人の背中をポンポンと叩く鬼頭千。



三人はお互い笑っているけれど、なんとなく周りの空気が冷たいわ。

何故か四人で部活見学周りにいく事になった。男性だけじゃ意見が偏るだろうから、ここは由美と文香にも電話をして、付き合ってとお願いしたら却下されたわ。

「「そんな濃いメンツと歩けないよ!」」

濃い薄いとか関係あるのかしら???


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