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簡単だけど難しい
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「では、エスティーヌ様は普段、セドリック様と二人でどの様に過ごしますか?」
「一言二言お話してお茶をするくらいだわ」
「セドリック殿下が言ってました。王子という立場上、気軽に話してくれる人が居ないと。私に構うのは元平民らしく気軽に話してくれそうだからです。セドリック殿下だって人間です。悩みもあります。公の場や人の目がある時は別ですが、二人の時ぐらい気を抜いて気軽に話すのが良いと思います」
「どうすればよろしいの?」
「まずは貴族令嬢とか淑女とか、そういうのやめましょう。話し方も変えましょう」
「どうすればよろしいの?」
「それです。どうすればよろしいの、ではなく、どうしたらいい、です」
「メイドとかに話す感じかしら」
「かしらではなく?」
「話す感じ?」
「そうです。それです」
「難しいですわ」
「何事も慣れです。私と沢山話して少しづつ変えていきましよう。勿論、他の人がいる時は今迄通りですよ?」
「分かりましたわ。いえ、分かったわ」
「それです!」
「ふふっ。子供の頃に戻ったみたい」
「そうです。子供を相手にした時、気軽に話してくれて嬉しかったと言ってましたよ?」
「頑張ってみるわ」
「はい。後、セドリック殿下みたいなタイプは淑女で完璧な姿と自分の前だけは弱みを見せるのに弱いと思います」
「弱み?」
「はい。公爵令嬢なら、人前で泣かないとか顔に出さないとか他にも色々ありますよね?」
「そうね。王太子妃教育でも言われるわ」
「人前ではそれで良いんです。将来王妃になるお方が顔に感情が出てはいけません。ですが、セドリック様の前だけは泣いても怒ってもいいんです。それはセドリック様に対して甘えてるって事です。子供の頃、両親に甘えましたよね?笑ったり、泣いたり、怒ったり、拗ねたり」
「恥ずかしいけどしたわ」
「それをセドリック様の前ですれば良いだけです」
「出来るかしら」
「王太子妃教育をしてるって言ってましたが、私も貴族になって家庭教師の先生に厳しくされて部屋で泣きました。エスティーヌ様は部屋で泣いたりしませんか?」
「恥ずかしいけど部屋で泣いてしまうわ」
「それをセドリック様の胸の中で泣いて、それでもセドリック様の為だから頑張れるって言うんです」
「難しいわ」
「では、簡単な事だと、セドリック様の前で転けて下さい」
「転ける?」
「普段しっかりしてるエスティーヌ様も転けるって所が人間味が出るんです。ですが勿論怪我をしない程度にですよ? 貴族の令嬢が転けたら恥ずかしいですよね? 淑女が身に付いてる貴族の令嬢は慌てたり走ったりしません。淑やかに歩きます。 派手に転けなくても躓く程度で良いんです。 躓く程度なら淑女としては恥ずかしい事ですが、故意的に出来ない事ではないですよね? 一度恥ずかしい思いをしたなら、それから甘える事も簡単に出来ると思います」
「頑張ってみるわ」
「あ!大事な事を忘れてました!恥ずかしい時は真っ赤になった顔を隠さないで下さい。そしてセドリック様だけに見せる笑顔です。 淑女の仮面の張り付いた笑顔ではなく素の笑顔ですよ? これでセドリック様はイチコロです」
「頑張ってみるわ。キャロライン。キャロラインって呼んでも良い?」
「はい!」
「わたくしの事もエスティーヌって呼んでね」
「良いのですか?」
「勿論よ。キャロライン」
「では、エスティーヌ様」
「キャロライン、わたくしとお友達になってくれないかしら」
「はい!喜んで! あの…、お友達ならエス様と呼んでもよろしいですか?」
「良いわよ。その方がお友達っぽいわ!」
「なら私の事もキャリーと」
「キャリー、これからも色々とわたくしに教えてね」
「はい!」
「一言二言お話してお茶をするくらいだわ」
「セドリック殿下が言ってました。王子という立場上、気軽に話してくれる人が居ないと。私に構うのは元平民らしく気軽に話してくれそうだからです。セドリック殿下だって人間です。悩みもあります。公の場や人の目がある時は別ですが、二人の時ぐらい気を抜いて気軽に話すのが良いと思います」
「どうすればよろしいの?」
「まずは貴族令嬢とか淑女とか、そういうのやめましょう。話し方も変えましょう」
「どうすればよろしいの?」
「それです。どうすればよろしいの、ではなく、どうしたらいい、です」
「メイドとかに話す感じかしら」
「かしらではなく?」
「話す感じ?」
「そうです。それです」
「難しいですわ」
「何事も慣れです。私と沢山話して少しづつ変えていきましよう。勿論、他の人がいる時は今迄通りですよ?」
「分かりましたわ。いえ、分かったわ」
「それです!」
「ふふっ。子供の頃に戻ったみたい」
「そうです。子供を相手にした時、気軽に話してくれて嬉しかったと言ってましたよ?」
「頑張ってみるわ」
「はい。後、セドリック殿下みたいなタイプは淑女で完璧な姿と自分の前だけは弱みを見せるのに弱いと思います」
「弱み?」
「はい。公爵令嬢なら、人前で泣かないとか顔に出さないとか他にも色々ありますよね?」
「そうね。王太子妃教育でも言われるわ」
「人前ではそれで良いんです。将来王妃になるお方が顔に感情が出てはいけません。ですが、セドリック様の前だけは泣いても怒ってもいいんです。それはセドリック様に対して甘えてるって事です。子供の頃、両親に甘えましたよね?笑ったり、泣いたり、怒ったり、拗ねたり」
「恥ずかしいけどしたわ」
「それをセドリック様の前ですれば良いだけです」
「出来るかしら」
「王太子妃教育をしてるって言ってましたが、私も貴族になって家庭教師の先生に厳しくされて部屋で泣きました。エスティーヌ様は部屋で泣いたりしませんか?」
「恥ずかしいけど部屋で泣いてしまうわ」
「それをセドリック様の胸の中で泣いて、それでもセドリック様の為だから頑張れるって言うんです」
「難しいわ」
「では、簡単な事だと、セドリック様の前で転けて下さい」
「転ける?」
「普段しっかりしてるエスティーヌ様も転けるって所が人間味が出るんです。ですが勿論怪我をしない程度にですよ? 貴族の令嬢が転けたら恥ずかしいですよね? 淑女が身に付いてる貴族の令嬢は慌てたり走ったりしません。淑やかに歩きます。 派手に転けなくても躓く程度で良いんです。 躓く程度なら淑女としては恥ずかしい事ですが、故意的に出来ない事ではないですよね? 一度恥ずかしい思いをしたなら、それから甘える事も簡単に出来ると思います」
「頑張ってみるわ」
「あ!大事な事を忘れてました!恥ずかしい時は真っ赤になった顔を隠さないで下さい。そしてセドリック様だけに見せる笑顔です。 淑女の仮面の張り付いた笑顔ではなく素の笑顔ですよ? これでセドリック様はイチコロです」
「頑張ってみるわ。キャロライン。キャロラインって呼んでも良い?」
「はい!」
「わたくしの事もエスティーヌって呼んでね」
「良いのですか?」
「勿論よ。キャロライン」
「では、エスティーヌ様」
「キャロライン、わたくしとお友達になってくれないかしら」
「はい!喜んで! あの…、お友達ならエス様と呼んでもよろしいですか?」
「良いわよ。その方がお友達っぽいわ!」
「なら私の事もキャリーと」
「キャリー、これからも色々とわたくしに教えてね」
「はい!」
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