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記憶2
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『あの小学生から俺の記憶を消すって出来るか?』
『なんじゃと?』
神様は俺が言ったことが一瞬理解出来なかったのか驚いた顔をした。
『だからこのままだとあの子一生トラウマを抱えちゃうだろ?俺としてもそんな事望まい、どうせなら助かった命で楽しく過ごして欲しいんだ』
神様はちょっと悩んだあとにパチンっと指を鳴らした。
その瞬間泣き声が止み静寂が訪れる。
『今時間を止めたんだ、まずは 先程の願いだが叶えることは出来る』
『よかった』
俺がほっとするのもつかの間、神様が続けて説明してきた。
『だがなそれには条件があるのじゃ』
『条件?』
『まずは拓也はこの後どうしたい?』
『どうしたいって天国に行くんだろ?えっ…まさか地獄?俺そんなに悪いことしてきてないと思うんだけど…』
自分の過去を振り返り少し不安になる。
『いやいや、大丈夫じゃ。ちゃんと天国にも行けるぞ』
神様のいい方に違和感を感じた。
『にも…って違うところもあるって事ですか?』
『そうじゃ、拓也には3つの選択肢がある。1つはこのまま天国に行き次に産まれるまで待つことだ。そして2つ目は転生じゃ、しかしその場合この世界ではない場所に行く事になる。そして3つ目が転移、これは転生と違って今の体のまま違う世界に行くのだ』
神様の説明に今度こそパニックになった。
『ま、待ってくれ!転生、転移!?頭がおかしくなる…ここでない世界?そんなものがあるのか?』
『死んでこうして神と話している時点で他の世界があると思わんか?』
神様は俺を安心させるように穏やかに笑い背中をさすってくれた。
すると気持ちがスーッと楽になり息が出来る。
『そう…ですね。確かにそうかもしれない』
『よろしい、では話を進めるぞ』
俺はコクッと頷いた。
『転生は記憶が無くなるのでまぁ生まれ変わりと変わらんがこの世界には無理だがすぐに生まれ変われる。転移は記憶もそのままに転移させてやれるがこれもこの世界には無理なのじゃ』
『んー、まぁ普通なら天国いって生まれ変わりかな。しかし転生とか本当にあるんだな』
『いや、普通に死ぬ場合はほぼないぞ。拓也みたいにこちらの事情で死なせてしまった場合のみ出来る事なんじゃ』
『そうなんですね。でも他の世界ってなんか怖いし、やっぱり…』
そのまま生まれ変わるのを待つかなと決めようとすると神様が眉を下げた。
『ここで先程の話に戻るが、もし拓也が天国に行くなら小学生の記憶はそのままに残る事になる』
『え?』
『しかし、拓也が転生か転移を選べば小学生の記憶を操ることが可能となる』
『なんで!?』
『転生、転移をする者の存在をこの世界から消すためだ。もし誰かの記憶に残れば大変な事になるからな』
俺は泣きながら止まっている小学生を見つめた。
自分がそこまでしてやる事はあるのか…助けてやっただけよかったんじゃないか…
様々な考えが浮かんでくる。
ごめんなさい…
小学生のあの言葉を思い出し、ため息をついた。
『わかった、じゃあ転生か転移で頼む』
『いいのか?わしが言うのもなんじゃがどれを選んでも拓也に罪などないぞ』
『いいんだ、なんか他の世界ってのも楽しそう出しな』
『わかった』
神様はにっこりと笑うとパンっ!と手を叩いた。
その瞬間周りの景色が動き始める。
そして泣いていた小学生はハッとして泣き止んだ。
「あ、あれ…」
涙を拭いて目の前の壊れたゴンドラを震えながら見つめていた。
「大丈夫か!」
「よかった、ギリギリ当たらなかったな~」
「奇跡だ!」
小学生は周りの大人に立たせて貰うと擦りむいた膝の手当てをされていた。
「び、びっくりした…」
「本当だな、みんなで走り出した途端にゴンドラが落ちてきて、君が間一髪当たりそうだったがスレスレで大丈夫だったんだ」
そう説明を受けながらも唖然としていた。
『これで拓也がいた記憶が無くなった、だからゴンドラで死んだ人もいないのじゃ』
『みたいだな、よかったよ』
『では次の話は場所を変えるかな』
神様が上を指さすとそのまま上がって行く、俺も上に行こうとすると同じように動き出した。
チラッと下を見ると小学生の周りに人だかりが出来ていた。
『よかったな』
そう言って俺は振り返ることなく上を見上げた。
「え?」
今なんか声が聞こえた気がした…
私は今目の前で信じられない事が起きた。
学校に行く途中上から機械が落ちてきて死にそうになったのだ。
なんか注意されて上を見たらもう間近に落ちてきていた、ダメだと目をつぶって開いた瞬間目の前に壊れた機械があった。
みんなはかすり傷ですんだ私に奇跡だと喜びを向ける。
しかしなんかスッキリしなかった。
助かったことは嬉しい、痛いこともなくてよかった。
しかしなんか悲しかった。
みんなの声を遠くに聞きながら私は上を向いた。
澄み渡った青い空に私はごめんなさいと謝った。
『なんじゃと?』
神様は俺が言ったことが一瞬理解出来なかったのか驚いた顔をした。
『だからこのままだとあの子一生トラウマを抱えちゃうだろ?俺としてもそんな事望まい、どうせなら助かった命で楽しく過ごして欲しいんだ』
神様はちょっと悩んだあとにパチンっと指を鳴らした。
その瞬間泣き声が止み静寂が訪れる。
『今時間を止めたんだ、まずは 先程の願いだが叶えることは出来る』
『よかった』
俺がほっとするのもつかの間、神様が続けて説明してきた。
『だがなそれには条件があるのじゃ』
『条件?』
『まずは拓也はこの後どうしたい?』
『どうしたいって天国に行くんだろ?えっ…まさか地獄?俺そんなに悪いことしてきてないと思うんだけど…』
自分の過去を振り返り少し不安になる。
『いやいや、大丈夫じゃ。ちゃんと天国にも行けるぞ』
神様のいい方に違和感を感じた。
『にも…って違うところもあるって事ですか?』
『そうじゃ、拓也には3つの選択肢がある。1つはこのまま天国に行き次に産まれるまで待つことだ。そして2つ目は転生じゃ、しかしその場合この世界ではない場所に行く事になる。そして3つ目が転移、これは転生と違って今の体のまま違う世界に行くのだ』
神様の説明に今度こそパニックになった。
『ま、待ってくれ!転生、転移!?頭がおかしくなる…ここでない世界?そんなものがあるのか?』
『死んでこうして神と話している時点で他の世界があると思わんか?』
神様は俺を安心させるように穏やかに笑い背中をさすってくれた。
すると気持ちがスーッと楽になり息が出来る。
『そう…ですね。確かにそうかもしれない』
『よろしい、では話を進めるぞ』
俺はコクッと頷いた。
『転生は記憶が無くなるのでまぁ生まれ変わりと変わらんがこの世界には無理だがすぐに生まれ変われる。転移は記憶もそのままに転移させてやれるがこれもこの世界には無理なのじゃ』
『んー、まぁ普通なら天国いって生まれ変わりかな。しかし転生とか本当にあるんだな』
『いや、普通に死ぬ場合はほぼないぞ。拓也みたいにこちらの事情で死なせてしまった場合のみ出来る事なんじゃ』
『そうなんですね。でも他の世界ってなんか怖いし、やっぱり…』
そのまま生まれ変わるのを待つかなと決めようとすると神様が眉を下げた。
『ここで先程の話に戻るが、もし拓也が天国に行くなら小学生の記憶はそのままに残る事になる』
『え?』
『しかし、拓也が転生か転移を選べば小学生の記憶を操ることが可能となる』
『なんで!?』
『転生、転移をする者の存在をこの世界から消すためだ。もし誰かの記憶に残れば大変な事になるからな』
俺は泣きながら止まっている小学生を見つめた。
自分がそこまでしてやる事はあるのか…助けてやっただけよかったんじゃないか…
様々な考えが浮かんでくる。
ごめんなさい…
小学生のあの言葉を思い出し、ため息をついた。
『わかった、じゃあ転生か転移で頼む』
『いいのか?わしが言うのもなんじゃがどれを選んでも拓也に罪などないぞ』
『いいんだ、なんか他の世界ってのも楽しそう出しな』
『わかった』
神様はにっこりと笑うとパンっ!と手を叩いた。
その瞬間周りの景色が動き始める。
そして泣いていた小学生はハッとして泣き止んだ。
「あ、あれ…」
涙を拭いて目の前の壊れたゴンドラを震えながら見つめていた。
「大丈夫か!」
「よかった、ギリギリ当たらなかったな~」
「奇跡だ!」
小学生は周りの大人に立たせて貰うと擦りむいた膝の手当てをされていた。
「び、びっくりした…」
「本当だな、みんなで走り出した途端にゴンドラが落ちてきて、君が間一髪当たりそうだったがスレスレで大丈夫だったんだ」
そう説明を受けながらも唖然としていた。
『これで拓也がいた記憶が無くなった、だからゴンドラで死んだ人もいないのじゃ』
『みたいだな、よかったよ』
『では次の話は場所を変えるかな』
神様が上を指さすとそのまま上がって行く、俺も上に行こうとすると同じように動き出した。
チラッと下を見ると小学生の周りに人だかりが出来ていた。
『よかったな』
そう言って俺は振り返ることなく上を見上げた。
「え?」
今なんか声が聞こえた気がした…
私は今目の前で信じられない事が起きた。
学校に行く途中上から機械が落ちてきて死にそうになったのだ。
なんか注意されて上を見たらもう間近に落ちてきていた、ダメだと目をつぶって開いた瞬間目の前に壊れた機械があった。
みんなはかすり傷ですんだ私に奇跡だと喜びを向ける。
しかしなんかスッキリしなかった。
助かったことは嬉しい、痛いこともなくてよかった。
しかしなんか悲しかった。
みんなの声を遠くに聞きながら私は上を向いた。
澄み渡った青い空に私はごめんなさいと謝った。
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面白くてイッキに読んでしまいました。記憶2の続きがたのしみでたまんないです。ほっといて下さいも楽しく読ませて貰ってます。(コミックも・・・)
ありがとうございます(⸝⸝⸝ᵒ̴̶̷ - ᵒ̴̶̷⸝⸝⸝)励みになります!
この作品を読んで、しょうが焼きが食べたくなりました。( ̄▽ ̄;)
ありがとうございます^^
しょうが焼き美味しいですよねー
うむ。
(*-ω-)
如何に神の力であろうとも、完全に消せないものもある。
あの瞬間に、二人には『縁』が結ばれたのですから。
おお!さすがです^^
わかっていただき感謝!